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胃がんの症状と検査そして治療の流れを医師が解説!がん克服のために知って欲しいこと

 2018/04/05 胃がん  

こんにちは。加藤隆佑です。総合病院でがん治療を専門として働いています。

もし、あなたが、胃がんを疑わせる症状がある時は、検査を受けて欲しいです。

胃がんは、早期発見できれば、完治が望める病気だからです。

本日は、胃がんを疑わせる症状と、胃がんの診断のために、必要な検査について、解説いたします。

さらに、胃がんのステージごとの治療方針をお話します。

実は、生存率をあげたり、再発率をさげるために、取り入れるべきことがあります。

さらに、ちょっとした工夫で、治療に用いる抗がん剤の副作用をへらして、がんの治療で体力を消耗しないようにすることは、できます。

私の16年間の胃がん治療の経験と、医学的なデータをもとに、胃がんを克服するコツを説明いたします。

胃がんの初期症状(自覚症状)

胃がんの代表的な症状は、胃の痛み、不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振です。

しかし、これらは、胃がんに特有の症状ではありません。食べ過ぎでも生じる症状です。検査をしなければ、胃がんかどうかの、診断はできませんので、医療機関を受診し、胃内視鏡検査を受けましょう。

大半のケースにおいて、胃がんではなく、杞憂に終わることが、多いです。

ただし、胃の調子が悪い上に、体重が減るという症状は、胃がんの可能性が非常に高いので、早急に医療機関の受診が必要です。

注意点として、胃がんは、かなり進行しても、症状がでない場合があるということです。そのことを考慮すれば、定期的に胃カメラで、胃がんの検診を受けるべきでしょう。

胃がんを疑う症状がある時の検査とは?

胃の内視鏡検査

胃がんの症状がある場合は、胃の内視鏡検査を受けることになります。その検査によって、胃がんが、あるか無いかは、はっきりします。

胃の内視鏡検査で、異常所見がなければ、心配はないでしょう。

もし、胃がんを疑わせる病変があれば、疑わしい部位から細胞を採取しつつ、以下のことを確認します。

  • 病変の位置
  • がんが、どの程度広がっているか?
  • がんが、胃の壁にどの程度の深さまで食い込んでいるか?

胃がんが、かなり広い範囲に広がっていても、胃の壁に食い込んでいる程度が浅ければ、内視鏡的に切除できます。

胃の壁に食い込んでいる程度が浅いとは、胃がんが粘膜内にとどまっていることを指します。

また、胃カメラの検査は辛いことが多いので、鎮静剤という少し眠くなる注射をして、検査を受けるケースが多いです。鼻から挿入する胃カメラ検査も、かなり楽です。

このようにすれば、かなり楽に検査を受けることができます。

ここから先は、胃がんの診断になった場合の検査の進め方、並びに治療法を解説していきます。

胃がんにおける血液検査とは?

血液検査によって、以下のことがわかります。

腫瘍マーカー

胃がんではCEAやCA19-9と呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。

がんがあっても、必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。

腫瘍マーカーは、手術後の再発のチェックや抗がん剤治療の効果判定の参考に使われます。

臓器の機能が正常化かどうか?

腎機能や肝臓の機能を確認します。

もしこれらの臓器の機能が低下しているようであれば、手術や抗がん剤治療による合併症が起こりやすくなります。

採血では、糖尿病がないかどうかも、チェックします。

糖尿病があり血糖値が高いときは、胃がんの治療の前に、糖尿病の治療を優先しないといけないこともあります。

貧血はないか?

胃がんからの出血により、貧血になることがあります。

もし貧血が強いならば、輸血をしないといけません。

胃がんのCT検査

以下のことを確認するために、CT検査をします。

  • 遠隔転移の有無
  • リンパ節への転移の有無
  • 胃の周りの臓器(膵臓や肝臓)へ胃がんが浸潤していないか?

胃がんのPET検査

がん細胞は、ブドウ糖を取り込む性質があります。

そこで、放射性ブドウ糖液を注射し、それがどの部位で取り込まれるかを確認しようというのが、PET検査です。

放射性ブドウ糖液が取り込まれた部位に、胃がんはあると推測できます。

しかし、はじめて胃がんと診断された方が、PET検査を受けることは、それほど多くはないです。

なぜならば、CT、胃カメラ、採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定できるからです。

さて、以上の検査結果を踏まえると、以下のことが、わかります。

  • どの程度、胃の粘膜に、がんが、食い込んでいるか?
  • 転移しているリンパ節の数
  • 遠くの臓器(肺、肝臓、腹膜など)に転移しているか?

そして、以下のような状況であれば、胃がんを手術で、取り除けることになります。

  • リンパ節の転移があったとしても、胃の周囲にとどまってるとき
  • 肝臓や肺といった臓器に転移がないとき
  • お腹の中に、胃がんが、ばらまかれている所見(腹水など)がないとき

この3つを満たしていれば、手術ができるであろうという判断になります。

ただし、「お腹の中に、胃がんが、ばらまかれていないか?」は、実際にお腹の中を見てみないと、はっきりしないこともあります。

そこで、手術の際に、審査腹腔鏡という検査をして、「お腹の中に、胃がんが、ばらまかれていないか?」を確認した上で、胃の切除に臨むケースが多いです。

胃がんの審査腹腔鏡検査とは?

審査腹腔鏡とは、お腹に小さな穴をあけて、そこから腹腔鏡というカメラを挿入して、お腹の中に胃がんが、ばらまかれていないかを確認する検査のことです。

胃がんのステージを知るより大切なことがある。

多くの方は、自分の胃がんが、どのステージかを気にされます。

胃がんの場合ですと、ステージ0、ステージ1期、ステージ2期、ステージ3期、ステージ4期に分類されます。

しかし、正確なステージというのは、手術前には、わかりません。

はっきり分かることは、以下のことだけです。

ステージ4か否か

「ステージ4か否か」を言い換えると、手術で切除できる胃がんかどうか、ということです。

ステージ4であれば、手術は適応になりません。

ステージ0からステージ3は、切除が治療方針となります。

念のために、ステージの詳細を記載しておきます。

最後に、胃がんのステージごとの治療法の、大まかなことを、説明いたします。

胃がんのステージに応じた治療法

ステージ0の胃がんの治療方針

内視鏡的な治療で、切除します。それにより、治癒します。

胃がんステージ1

腹腔鏡もしくは開腹による手術で切除したら、治療は終了です。その後は、再発してこないか、外来で経過をみることになります。

胃がんステージ2

腹腔鏡もしくは開腹による手術で、胃がんを取り除きます。その後は、しばらくの間、抗がん剤によって、再発率を下げる治療を受けていただくことになります。

がんを手術で全部切除できたように見えても、その時点で、すでにがん細胞が別の臓器に転移している可能性があるからです。

術後の抗がん剤治療は、負担のない範囲で抗がん剤治療を受けることは大切です。

以下のような抗がん剤を、投与されることが多いです。

TS-1(ティーエスワン)という飲み薬を1年間

胃がんステージ3

腹腔鏡もしくは開腹による手術で、胃がんを取り除きます。その後は、しばらくの間、抗がん剤によって、再発率を下げる治療を受けていただくことになります。

がんを手術で全部切除できたように見えても、その時点で、すでにがん細胞が別の臓器に転移している可能性があるからです。

術後の抗がん剤治療は、負担のない範囲で抗がん剤治療を受けることは大切です。

以下のような抗がん剤を、投与されることが多いです。

「TS-1(ティーエスワン)+ドセタキセル」

ちなみに、この治療が推奨されるようになったのは、2018年の6月からです。

ただし、「TS-1+ドセタキセル」は、副作用が、強くでる方が、多い治療でもあります。

もちろん、工夫すれば、かなり副作用を取り除くことはできますが、色々工夫をしても、副作用を取り除けない場合や、この治療法に耐えられる見込みが低い場合は、抗がん剤の内容を、TS-1だけにしてもらいましょう。

さて、そのような治療により、再発率は、数%下がります。

しかし、それだけでは、十分な治療効果とは言えません。さらに、漢方や、薬膳的な食事といった東洋医学的なことを、加えましょう。

再発する確率を、さらに、0に近づけることができます。

この段階で、漢方や、食事療法を取り入れることは、非常に重要なのです。

例えば、愛知がんセンターから、以下のような報告があります。

877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討。

豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になる

上記のデータは、胃がんの再発率と、食事内容に関係があるというデータです。

データでも、食事が、がんの治療成績が良くすることは、示されているということです。

さて、胃の切除のために、思ったように食事が取れなくなることが、あります。また、ダンピング症候群で、悩まされることもあります。

そのような時も、食事療法を取り入れると良いです。

再発をさらに抑える方法は、こちらでもご紹介しています。

胃がんステージ4(もしくは再発)

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

手術による治療では、がんをすべて取り除けないために、抗がん剤治療が中心となります。

抗がん剤であれば、がんを倒す薬の成分を、体の血流にのって、体中にひろがったがん細胞に、行き渡らせることができるからです。

その治療により、体に広く散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることも、あります。

ステージ4の胃がんの治療の詳細は、こちらです。

胃がんは、完治を望める病気になりました。

胃がんは、以前に比べると、克服できる病気になってきました。

一方で、さらに、生存率をあげたり、再発率をさげるために、病院の治療に加えて、取り入れるべきことも、あります。

病院で受ける治療は大切ですが、それだけでは、十分ではないのです。

そのために、あなたに知って欲しいことがあります。

さらに高い確率で、完治の段階に、持ってこれるようになります。

胃がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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