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乳がんが、目に転移したときの症状と対処法を解説

こんにちは。加藤隆佑です。

乳がんは、目に転移することがあります。

そのときの症状と、対処法をお伝えします。

乳がんが目に転移する頻度は?

乳がんが目に転移する頻度は、高いものではありません。

しかし、全身に乳がんが転移している場合には、4%の方に、乳がんに目に転移していたという報告もあります。

ちなみに、この4%の中には、全く症状がない方も含まれています。

目に転移をして、症状がでて、治療を要する場合は、4%よりも少ないでしょう。

また、目の転移は、以下のように分類されます。

  • 目の眼窩(眼球の入っている穴)、眼瞼(まぶた)への転移
  • 目の眼球への転移

眼球への転移は、さらに以下のように分類されます。

  • 脈絡膜への転移
  • ぶどう膜への転移
  • 視神経乳頭への転移
  • 網膜下への転移
  • 虹彩への転移

目に転移したときの症状は?

よくある症状は、以下のような症状です。

  • 物が二重に見える
  • 目の痛み
  • 視野障害
  • 視力低下

目への転移が原因で、緑内障、網膜はく離になることもあります。

そして、目への転移が疑われるときには、以下のような検査が必要になります。

  • 頭部MRI
  • 頭部CT
  • 視野検査など

注意点として、先ほどあげた症状は、目に転移していなくても、比較的よくでる症状です。

そして、万が一、これらの症状がでたとしても、大半のケースは、乳がんに転移によるものではないと診断されることになります。

目に転移したときの治療法

放射線治療が、非常によく効きます。

専門的な話になりますが、1日2グレイという量の放射線を15回から25回受ければよいでしょう。

注意点としては、目に転移したときの治療法は、広く知れ渡っていないことです。

放射線科の医師にとっては、目に転移したときの治療法は、放射線治療がよいとわかっていても、腫瘍内科、外科、眼科の医師は、そのことに精通していない可能性が高いです。

その結果、適切な治療が施されず、失明に至ってしまうことも、あります。

また、放射線治療を目に対して行っても、目のところ以外の乳がんの制御をしていくことも、必要です。

目のところ以外の乳がんを制御するために、知って欲しいことは、こちらで解説しています。

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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