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乳がんステージ2、ステージ3、ステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

こんにちは。加藤隆佑です。総合病院でがん治療を専門として働いています。

さて、今日は、乳がんの治療の概要と、治療の分岐点をお話します。この分岐点をしっかりと認識すると、よりよい治療結果をだす工夫をすることにつながります。

段階1、生活習慣による乳がんの予防

ふだんから、食生活を工夫したり、体を整える漢方を飲むとよいです。

特に、アルコールは乳がんのリスクを上げます。アルコールの過剰摂取は避けないといけません。

段階2、乳がんの早期発見

乳がんは、早期発見で、かなり高い確率で、完治します。

定期的に、乳がんの検査を受けると良いです。

段階3、外科的な手術ができる段階で、乳がんが見つかった場合(ステージ1、ステージ2、ステージ3)

手術に関しては、乳房を温存する方法と、乳房を全摘する方法があります。

最近は、乳房を全摘しても、その後、乳房を再建できる技術が発達しました。

また、がんが大きい場合は、乳房を全摘することは、避けられません。しかし、手術前に抗がん剤でがんを縮小させることに成功すれば、乳房を全摘しなくても、がんを切除できるケースが、増えてきました。

ちなみに、診断がついた時点から、漢方を飲んだり、薬膳的な食事をとります。

つまり、東洋医学的なことを、加えるということです。体を動かすことも意識します。

そのようにして、手術や抗がん剤治療に耐え抜く力をつけることが、できます。

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段階4、乳がんが、外科的な手術で切除できない段階で見つかった段階(ステージ3の一部に該当)

遠隔転移はしていなくても、大きすぎて、手術で、切除できないときがあります。

その場合は、抗がん剤でがんの縮小を図ります。手術で切除できるくらいに小さくなれば、手術による切除を試みます。

「AC」,「AC→タキサン系の薬剤」,「FEC→タキサン系の薬剤」といった抗がん剤治療が用いられます。

(A:製品名はアドリアシン、ドキソルビシン塩酸塩など)
(C:製品名はエンドキサン)
(タキサン系の薬剤:製品名はパクリタキセル、ドセタキセルなど)
(FEC:エピルビシン(製品名はファルモルビシン)+シクロホスファミド(エンドキサン)+フルオロウラシル(5-FU)

HER2が陽性のときは、ハーセプチンも、加えます。

段階5、外科的な手術で、無事、乳がんを取り除いた段階(ステージ1、ステージ2、ステージ3)

ここが大きな分岐点です。

再発の危険があります。再発の危険度によっては、抗がん剤治療を、受けることが、推奨されることもありあります。

がんの大きさやリンパ節転移によって決まるステージに加え,ホルモン感受性,HER2というタンパクの発現状況,がんの増殖能などを考慮し、再発予防の治療が決められます。

抗がん剤ならば、以下のものが用いられることが多いです。

「AC」,「AC→タキサン系の薬剤」,「FEC→タキサン系の薬剤」といった抗がん剤治療が用いられます。

(A:製品名はアドリアシン、ドキソルビシン塩酸塩など)
(C:製品名はエンドキサン)
(タキサン系の薬剤:製品名はパクリタキセル、ドセタキセルなど)
(FEC:エピルビシン+シクロホスファミド+5-FU)

ホルモン受容体が陽性ならば、以下のものが用いられることが多いです。

アナストロゾール(製品名は、アリミデックス)、エキセメスタン(製品名はアロマシン)、レトロゾール(製品名はフェマーラ)、タモキシフェン(製品名はノルバデックス)、トレミフェン(製品名はフェアストン)、フルベストラント(製品名はフェソロデックス)

HER2陽性ならば、トラスツズマブ(製品名はハーセプチン)を加えます。

そのような治療により、再発率は、10%程度は、下がります。

しかし、それだけでは、十分な治療効果とは言えません。さらに、漢方をたしたり、薬膳的な食事をしていきましょう。

再発する確率を、さらに、0に近づけることができます。

この段階で、漢方や、薬膳的な食事を取り入れることは、非常に重要なのです。

また、以下のようなデータもあります。

—–

877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると、豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になることが報告

—–

上のデータは、「胃がんにおいて、食事内容を工夫をすると、再発が抑えられ、より長く生きられる」というデータです。

胃がんだけでなく、乳がんでも、同じことが言えるでしょう。

がんを抑えることと、食事内容には、強い関係があることを、知っておいてほしいです。

また、漢方は、適切な内容で、必要な用量をしっかり飲みましょう。そのようなことをしっかりと助言できる方から、漢方を提案してもらうと良いです。漢方は、インターネットでも、信頼できるものが、容易に入手できます。

ただし、不適切な漢方が販売されていることも多いので、注意は必要です。

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段階6、乳がんが再発した場合、もしくはステージ4乳がんと診断された段階

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

ホルモン受容体が陽性ならば、「ホルモン療法」と「抗がん剤治療」が治療の中心となります。

HER2陽性ならば、「HER2受容体を標的とする分子標的薬」+「抗がん剤治療」が中心となります。

ホルモン受容体とHER2が陽性ならば、「HER2受容体を標的とする分子標的薬」+「抗がん剤治療」と「ホルモン療法」が中心となります。

・ ホルモン療法に用いられる薬

アリミデックス、アロマシン、フェマーラ、ノルバデックス、フェアストン、フェソロデックス

・ 抗がん剤治療で用いられる薬(切れ味の良いもの)

① ドセタキセル+シクロホスファミド(エンドキサン)(TC療法)

②エピルビシン+シクロホスファミド(エンドキサン)+フルオロウラシル(FEC療法)

③ドセタキセル単剤、パクリタキセル単剤、アブラキサン

④TS-1単剤(もしくはゼローダ単剤)

・ 抗がん剤治療で用いられる薬(それほど切れ味が良くないもの)

エリブリンメシル酸塩(製品名はハラヴェン)、ジェムザール(製品名はゲムシタビン)、ビノレルビン(製品名はナベルビンなど)、イリノテカン

HER2受容体で用いられる薬

①トラスツズマブ(製品名はハーセプチン)+ペルツズマブ(製品名はパージェタ)(パクリタキセルと併用されることが多い)

②トラスツズマブエムタンシン(製品名はカドサイラ)

③ラパチニブ(製品名はタイケルブ)(ゼローダと併用されることが多い)

その治療により、体に広く散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることがあります。

また、「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

ただし、抗がん剤治療で用いられる薬でそれほど切れ味が良くないものしか、治療の選択肢で残っていないと、治療における手詰まり感が出てきていると考えざる得ません。

つまり、以下のようなお薬しか選択肢にない場合です。

エリブリンメシル酸塩、ジェムザール、ビノレルビン、イリノテカン

そのような段階であっても、有効な治療があることがあります。

以下のような治療を模索する価値はあります。

  • なんらかの治験も視野にいれることができないか?
  • 放射線治療を、本当にすることはできないのか?
  • 漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
  • ラジオ波で、局所コントロールができないか?
  • 血管内治療をする適応はないか?

また、私の著書である抗がん剤治療を受けるときに読む本のp26には、ステージ4のがんを、食事療法で小さくさせた事例があります。

食事内容に気をつけることにも、注意を払ってください。さらに、漢方をたすと良いでしょう。

東洋医学的な治療により、がんを抑えることができるというデータは、複数あります。

  • 適切な西洋医療
  • 適切な食事内容
  • 適切な東洋医学

以上の3つのことをバランス良く、活用することが大切です。

一部の方は、一切の西洋医療を拒否されて、非常に偏った食事療法だけを行い、逆に、がんを悪化させている方もいらっしゃいます。

そのようなことは、避けて欲しいです。

病院の治療をうまく利用しつつ、適切な食事内容をとり、適切な東洋医学的なことを取りこむと、非常に良いのです。

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段階7、乳がんステージ4や再発の段階で、すべての治療をやり終えて、緩和ケアを提案される段階

そのような段階であっても、有効な治療があることがあります。

以下のような治療を模索する価値はあります。

  • なんらかの治験も視野にいれることができないか?
  • 放射線治療を、本当にすることはできないのか?
  • 漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
  • ラジオ波で、局所コントロールができないか?

さらに漢方を取り入れれば、楽に、1日でも長く生きられることにつながります。

痛みがあれば、しっかりとりましょう。モルヒネ(オキシコンチン、フェントス)もよいです。同時に、極力少ない量の痛み止めで、痛みをとる工夫も必要です。

また、痛みをとることを不得手とする医師もいます。うまく痛みをとれないときは、他の医師に相談をすることも大切です。

仮に、抗がん剤、手術ができない段階であったとしても、やるべきことがたくさんあることは、覚えておいてくださいね。

漢方は、取り入れるべき治療の主役の1つです。緩和的な放射線治療も、有効なケースが多いです。

この段階における治療法は、決まったルールがあるようで、ありません。工夫を加える余地が、いくらでもある段階とも言えます。つまり、医師の力量が問われるところなのです。

そのような段階でも、がんを抑えることはできます。

そして、乳がんに負けない体を作り、乳がんを克服していきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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