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膵臓がんステージ2とステージ3とステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

こんにちは。加藤隆佑です。私は、小樽協会病院というところで、がんの治療を専門にして、働いています。

今日は、膵臓がんの治療の、ステージごとの治療法と、治療の分岐点をお話します。

この分岐点をしっかりと認識すると、よりよい治療結果をだす工夫をすることにつながります。

ステージ2とステージ3とステージ4の治療については、特に詳しくお伝えします。順序だてて、説明していきますね。

段階1、生活習慣による膵臓がんの予防

ふだんから、食生活を工夫したり、体を整える漢方を飲むとよいです。

赤肉の過剰摂取、加工肉、喫煙、アルコールは、膵臓がんになるリスクを増やします。逆に、これらを控えれば、膵臓がんのリスクを減らすとも、言えます。

段階2、膵臓がんの早期発見の段階

膵臓がんの早期発見は、非常に困難です。

早期発見とは、ステージ1の段階です。こまめに膵臓の検査を受けていても、なかなかそのような段階で、発見できることは、できません。

以前に、私が以前に消化器病学会で発表させていただいたデータでは、膵臓がんと診断された方で、ステージ1であったのは、わずか3%でした。

段階3、外科的な手術ができる段階で、見つかった膵臓がんの場合

安全に切除できる場合は、手術で膵臓がんを、切除してもらいましょう。

この段階は、ステージ1、ステージ2、並びにステージ3Aとなります。

診断がついた時点から、漢方を飲んだり、薬膳的な食事をとると非常に良いです。つまり、東洋医学的なことを、加えるということです。

体を動かすことも意識します。そのようにして、手術や抗がん剤治療に耐え抜く力をつけることができます。

さて、最近になって、新しい考え方が、主流になってきています。

たとえ手術で安全に切除できる状態であっても、抗がん剤治療(放射線治療を併用する場合もあり)を、事前に行ってから、外科的手術を行う

私も、その考えに賛同しています。

その理由として、「手術をしたのはよいけど、すぐに再発してしまう」ケースが、あるからです。

逆に、先ほど示した治療法ですと、そのようなことを回避できる可能性が高まります。

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段階4、外科的な手術で、無事、膵臓がんを取り除いた段階

ここが大きな分岐点です。

再発の危険度は、非常に高いです。その後、何も治療を受けなければ、8割の方は、再発します。

再発を抑えるために、TS-1という抗がん剤を1年飲むことが大切です。

そのような治療により、再発率は、数%下がります。

5年間無再発でいられる割合を、約35%まで上げることができるのです。

しかし、それだけでは、十分な治療効果とは言えません。さらに、漢方や、薬膳的な食事といった東洋医学的なことを、加えましょう。

再発する確率を、さらに、0に近づけることができます。この段階で、漢方や、薬膳的な食事を取り入れることは、非常に重要です。

例えば、以下のような医学的なデータがあります。

—–

877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると、豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になることが報告

—–

上のデータは、「胃がんにおいて、食事内容と治療成績に関連がある」というものです。

これは胃がんにおけるお話ですが、膵臓がんでも同じでしょう。

がんを抑えることと、食事内容には、強い関係があることを、知っておいてほしいです。

また、漢方は、適切な内容で、必要な用量をしっかり飲みましょう。

しかし、そのようなことをしっかりとやっていただけるとところは、多くはありません。そのような知識のある漢方医の助言を求めることも、大切です。

そして、漢方は、インターネットでも、信頼できるものが、容易に入手できます。

ただし、不適切な漢方も多く販売されているので、注意は必要です。

それ以外の注意点として、膵臓の切除のために、思ったように食事が取れなくなることが、あります。

膵臓の手術は、他のがんに比べると、体に、負担がかかるのです。

そこで、食事の食べ方を工夫したり、薬膳的な食事を取り入れると良いです。

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段階5、膵臓がんが、血管を巻き混んでいるために、手術ができない場合

この状態をステージ3bと言います。

重粒子線治療、抗がん剤治療、「抗がん剤治療+放射線治療」で、がんの縮小を図ります。

具体的には、以下のような治療が提案されます。

TS-1+放射線治療
ジェムザール+アブラキサン
フォルフィリノックス(オキサリプラチン+イリノテカン+5-FU+ロイコボリン)

手術ができる状態になれば、手術に踏みきります。

手術をすることになる可能性もあるので、体力を温存して、治療を受けていきましょう。

しかし、膵臓がんの抗がん剤治療は、副作用が強くでる場合が多いです。抗がん剤の副作用を、いかにして無くすかが、大切なポイントです。

漢方の併用
温熱療法(ハイパーサーミア)

上記を併用すると良いです。

注意点として、フォルフィリノックスは非常に負担のかかる治療です。従って、ご高齢の方に、その治療が行われることは、ほとんどありません。

また、若い方で、フォルフィリノックスの治療を受けられる場合も、副作用をうまくとっていくことができない場合も、あります。その時は、たとえ、よく効いていたとしても、他の抗がん剤治療に変更することも、考えないといけません。

副作用で体力を消耗すると、取り返しのつかないことになることもあるのです。

膵臓がんに対する重粒子線治療の効果

重粒子線治療は、通常の放射線治療よりも、ずっと効果があると、思われている方は多いです。

しかし、実際は、ケースバイケースです。

例えば、膵臓がんが、小腸や十二指腸と数mm程度しか距離が、離れていないときがあります。

そのような場合に、がんを死に追いやるほどの重粒子線を照射してしまうと、腸に穴があいてしまいます。

つまり、「小腸や十二指腸と数mm程度しか距離がない」場合は、重粒子線を十分な量を、当てることができないのです。

そうなってしまうと、治療効果も、下がることでしょう。通常の放射線治療と、効果がほぼ同等になってしまう可能性の方が高いです。

さらに、専門性の高い話をするならば、重粒子線治療ではなく、通常の放射線治療を行うことになったとしても、「呼吸によって病変が動くことにも、対応できる照射」をすると、「がんに対して、より高い線量を照射することができ、がんを制御する確率が高くなる」ことにも、つながります。

放射線治療というのは、実は、照射を計画してくださる医師の腕や、照射の機械によって、治療成績が異なるのです。

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段階6、膵臓がんが、再発した場合、もしくは、ステージ4の場合

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

抗がん剤治療が中心となります。

また、「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

抗がん剤としては、以下のものが用いられます。

ジェムザール単剤
TS-1単剤
ジェムザール+アブラキサン
フォルフィリノックス

過去には、「ジェムザール+エルロチニブ」という治療法もありましたが、最近は、用いられることが、ほとんどなくなりました。

副作用が多いわりには、効果がそれほどないからです。

また、長期にわたる治療になることが予想されます。

そこで、抗がん剤による副作用で、体力を失わないようにしないといけません。

副作用を抑えることが、大切になるということです。

主治医に、副作用対策をしてもらいましょう。例えば、最近は非常によく効く吐き気止めが、使えるようになりました。さらに、漢方も、吐き気をとってくれます。

また、私の著書である抗がん剤治療を受けるときに読む本のp26には、「ステージ4のがんを、食事内容に気をつけてもらい、がんを小さくさせた事例」があります。

食事内容に気をつけることにも、注意を払ってください。さらに、漢方をたすと良いでしょう。

東洋医学的な治療により、がんを抑えることができるというデータは、複数あります。

  • 適切な西洋医療
  • 適切な食事内容
  • 適切な東洋医学

以上の3つのことをバランス良く、活用することが大切です。

一部の方は、一切の西洋医療を拒否されて、非常に偏った食事療法だけを行い、逆に、がんを悪化させている方もいらっしゃいます。

そのようなことは、避けて欲しいです。

病院の治療をうまく利用しつつ、適切な食事内容をとり、適切な東洋医学的なことを取りこむと、非常に良いのです。

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段階7、膵臓がんステージ4や再発の段階で、すべての治療をやり終えて、緩和ケアを提案される段階

そのような段階であっても、有効な治療があることがあります。

以下のような治療を模索する価値はあります。

  • なんらかの治験も視野にいれることができないか?
  • 放射線治療を、本当にすることはできないのか?
  • 漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
  • ラジオ波で、局所コントロールができないか?
  • 血管内治療や動注療法をする適応はないか?

さらに漢方を取り入れれば、楽に、1日でも長く生きられることにつながります。

痛みがあれば、しっかりとりましょう。モルヒネ(オキシコンチン、フェントス)もよいです。同時に、極力少ない量の痛み止めで、痛みをとる工夫が必要ということです。

また、痛みをとることを不得手とする医師もいます。うまく痛みをとれないときは、他の医師に相談をすることも大切です。

腹腔神経叢ブロックも、非常に有効なことがあります。注意点として、どのような腕の医師にやっていただくかで、治療効果がかわります。

なるべく、熟練した医師に、腹腔神経叢ブロックをしてもらうと良いです。

仮に、抗がん剤、放射線治療、手術ができない段階であったとしても、やるべきことがたくさんあることは、覚えておいてくださいね。

漢方は、取り入れるべき治療の主役の1つです。

この段階における治療は、決まったルールがあるわけではないので、医師の力量が問われるところなのです。

膵臓がんに負けない体を作り、膵臓がんを克服していきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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