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膵臓がんステージ2の再発率や余命は?抗がん剤の副作用を抑え、完治をめざす方法

こんにちは。加藤隆佑です。小樽協会病院という総合病院で、がん治療を専門として、働いています。

さて、今日の本題です。

膵臓がんの手術後の再発率を、より下げることは、できます。

5年生存率は約3割であり、そして、約7割の方が再発すると言われています。

そうであったとしても、再発率を0に近づけることを目指しましょう。

余命を考える段階ではなく、膵臓がんに負けない体を作っていくのです。

私の16年間の膵臓がん治療の経験と、医学的なデータをもとに、膵臓がんを克服するコツを説明いたします。

 

膵臓がんの再発率を下げることはできる。その方法とは?

以前に比べると、より膵がんは、治すことのできる病気になっています。

しかし、他の病気と大きく異なる点は、再発というリスクが常につきまといます。

膵臓がんのステージ2を例にとると、7割の方は再発するのです。

そのような治療成績では、十分ではありません。できれば、再発率を0にしたいです。しかし、現実的には再発を、0にはできないでしょう。

そうであっても、再発率をさらに、下げることはできるのです。

そのための方法を、お伝えしていきます。

膵臓がんステージ2の標準的な治療の問題点と、注意点

標準的な治療とは何?

治療方針は、手術で取り除ける場合は、膵臓がんを取り除くことになります。

そして、ステージ2の診断になれば、手術の後、しばらくの間、抗がん剤治療を受けることになります。

ちなみに、ステージ2は、「がんの大きさが、4センチを超えていているか、3個以下のリンパ節転移がある」状態です。

がんを手術で全部切除できたように見えても、その時点で、すでにがん細胞が別の臓器に転移している可能性が、非常に高いからです。

手術後の抗がん剤治療は、負担のない範囲で抗がん剤治療を受けることは大切です。

用いる抗がん剤として、TS-1という飲み薬の抗がん剤になります。

TSー1はそれほど副作用の強い抗がん剤ではありません。しかし、手術で弱ってしまった体には、辛いこともあります。

そのような場合は、TS−1を飲むスケジュールを工夫をすると、かなり副作用を減らせることができます。

繰り返しになりますが、膵臓がんは、手術だけでは、十分な治療効果を、期待できるものではありません。

抗がん剤治療を併用してはじめて、それなりの治療効果が期待できるのです。

1つ大きな問題点があります。

手術で弱った体に追い打ちをかけるように、再発ケースも、珍しくありません

そのようなときは、打つ手がありません。体が弱っていて、追加の治療を十分にできないからです。

そのようなことを避けるためにも、手術後には、以下のことを取り入れましょう。

  • 膵臓がんの手術後に、体調が思わしくないときは、体調を整える工夫(療養)
  • 食生活の工夫
  • 東洋医学(漢方など)を取り入れる

東洋医学(漢方)に効果はあるのか?

漢方を飲むメリットは、以下のようなものになります。

  • 手術後の体調を良くする。
  • 抗がん剤の副作用を減らす。
  • がんの再発を抑える。

西洋医学で用いられる薬に比べれば、漢方のデータの数は少ないです。

しかし、上記のことを支持するデータは、複数あります。

また、私をはじめ、漢方の専門医は、漢方が効果があることを、多数のがんの方への治療の経験から、分かっています。

漢方は、取り入れる価値の非常に高い治療です。

最近は、保険診療で漢方を処方できるようになっています。そして、漢方に、理解を示してくれる医師は、増えています。

ちなみに、より専門性の高い漢方を処方する医師は、煮出して(煎じて)飲む漢方を用います。

そちらの方が、概して、効果は強いです。

また、私は、インターネットでも、簡単に購入できるような漢方を購入していただき、煎じて飲んでもらうことが多いです。

こちらで、漢方に関して、詳しく説明しています。

がんでの漢方の効果を医師が解説!再発予防や、たとえ末期状態でも癌を抑える方法

 

食事を工夫すると、再発率を抑えられるか?

877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告。

豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になる。

これは胃がんにおいて、食事内容を工夫すると、再発率を下げることができるというお話です。このことは、膵臓がんでも、同じでしょう。

膵臓がんを抑えることと、食事内容には、強い関係があることを、知っておいてほしいです。

膵臓がんの手術後の食事について

膵臓がんの手術後は体力が落ちています。

特に、膵頭部を切除する手術は、体へのストレスが非常に多いです。したがって、このような手術後は、体をいたわった生活が必要不可欠です。

体力の温存を意識して生活しましょう。

また腹部の手術後しばらくは、なるべく消化のよいものを食べましょう。以下のものを大量に食べると腸閉塞を起こすことがあるからです。

  • ごぼうといった繊維質の多いもの
  • 水分を吸って膨らむ昆布などの海藻類
  • 噛まないで飲み込みがちなそばや、中華麺

手術後しばらくはこれらの食品を控えめにするか、細かく刻みよく噛んで少しずつ食べましょう。

注意点ですが、これらのものを食べてはいけないと言っているわけではありません。

たとえば繊維が多いものは体に必要なものであり、むしろ積極的に体に取り入れて欲しいです。

そこで、取り入れる量や食べ方には注意を払っていきましょう。その際には、調理法を工夫するという手もあります。

また、血糖値が不安定になったり、消化能力が低下することが珍しくありません。

その点については、薬をうまく利用すると、かなり改善させることができます。

たとえば、手術後は、リパクレオンという消化酵素をのむことは、非常によいことでしょう。

膵臓がんの手術後の5年生存率

上記のデータは、2006年から2008年の間に、膵臓がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

また、データは平均的、かつ確率として推測されるものであるため、すべての患者様に当てはまるわけではありません。

膵臓がんになったとしても、5年生存される方が、珍しくないような時代になりつつあります。

膵臓がんの再発を抑えるための、抗がん剤治療の副作用は、もっと楽にできる。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

その他、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療の中断を検討することもあります。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあるのです。

そのようなことは、寿命が短くなることにも、つながります。

あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。あなたが、伝えないと主治医に分かってもらえない副作用があるのです。

副作用対策をしてもらいましょう。

最近は副作用を、かなり取り除けるようになっています。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く吐き気止めが、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるようになってきています。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けられている方がいらっしゃるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

  • 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
  • 主治医が副作用対策を熟知していない。

本来であれば悩まなくてもよい症状に、悩まされることは、多いです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。どうしても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。

私の外来にも、そのようなお悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が投与されていることがありることです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、なんらかの理由で体重が減ったにも関わらず、従来の体重の量で計算された抗がん剤の量が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1kg程度の増減は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の増減のときは、主治医に伝えるべきです。

抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。

エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。

データの数は少ないのですが、その効果を実感して、診療に利用している病院も複数あります。

私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。

広く普及していない治療で、あなたの主治医が知らない治療法であったとしても、効果的な治療法は、あるということは、覚えて欲しいです。

そして、あなたが、もし口内炎で悩まされていたら、主治医に処方してもらえないか、頼んでみてください。

ちなみに、私の著書にも、エレンタールの効果のことを、書いています。

ちなみに、膵臓がんの術後に用いられるTSー1は、口内炎を引き起こすの頻度が高い薬剤です。さらに、膵臓がんの手術のために、栄養状態がよくないケースも多いです。

このようなときにこそ、エレンタールは、あなたの体をサポートしてくれることでしょう。

副作用で悩んでいるときに、諦めないでいろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法が、あるものです。

ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかり調査します。

そして、良好な結果が出る可能性が高いものは、メール講座やブログなどで、ご紹介しています。

広く普及している標準的な治療だけが、治療でないのですね。

抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。

抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。

最近になって、非常に効果のある吐き気止めがでたからです。

しかし、その薬を主治医が適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。

そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐのも、よいでしょう。

また、あなたが、吐き気で辛い事を、伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。体力の低下につながるので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、多くの場合が、解決できる副作用でもあります。

膵がんになったときの余命の考え方

再発をしていない状態では、余命を考える段階ではありません。

万が一、再発をしてしまったとしても、余命を推測することは難しいです。

そこで、ここでは、一般的な余命の考え方を提示いたします。

1ヶ月前と今を比べて、大きな変化があれば、余命は月単位
(1ヶ月、2ヶ月•••••••••••••12ヶ月•••••••24ヶ月)1週前と今を比べて、大きな変化があれば、余命は週単位日に日に変化するならば、余命は日単位時間単位に変化するならば、余命は時間単位

 

膵臓がんの手術後に、定期的に受けた方が良い検査

検査

医師によって、若干異なりますが、多くは、以下のようなやり方で、検査をして、再発がないかをチェックします。

腫瘍マーカー(採血):1ヶ月に1回

CT:半年に1回

腫瘍マーカーが上がったらどうするか?

定期検査の検査結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、再発の兆候であることが多いです。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインです。

再発の兆候で、知っておくべきこと

再発の症状として、知ってほしいこと

再発に特徴的な症状はありません。無症状で、再発することも、多いです。だからこそ、定期的に検査を受けることが必要です。

再発の起きやすい時期と場所

膵臓がんの再発は、いつ起こるかは、わかりません。しかし、手術をしたのちの5年以内に再発することが大半です。

5年以内に再発する方が、多いです。そのように考えれば、手術をして5年経過をしたら、再発の不安からは、かなり解放されることでしょう。

しかし、5年以降に再発するケースは、他のがんに比べると、多いので、実際は、10年は気を抜けません。

10年間は、気を抜かず、日常生活に気をつけつつ、定期的に検査を受けることが大切です。

ちなみに、再発する場所として多いのは、肝臓、リンパ節、腹膜播種(腹水)です。

万が一、再発が見つかっても、適切な対処を行えば、完治(寛解)にもっていくことも、あります。

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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