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卵巣がんのステージ4でも楽に余命を伸ばす!今すぐ効果がある治療を医師が解説

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療専門医として、小樽協会病院という総合病院で勤務しています。

さて、今日は、卵巣がんについてのお話です。ステージ4の卵巣がんですと、長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。

油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方は、いらっしゃいます。

たとえ、抗がん剤治療ができないような、末期の状態であっても、よりよい状態にもっていくことは、できます。余命宣告をされていたとしても、余命をさらに伸ばすことは、できるのです。

また、あなたが、副作用で苦しんでいるならば、もっと楽に治療を受けることも、できるようになります。

希望を持ちつつ、治療を受けていきましょう。

そして、ステージ4の卵巣がんを克服する確率を、跳ね上げていきましょう。

そこで、私の18年間のがん治療の経験を踏まえて、卵巣がんをさらに小さくするために、すべきことを、書いていきます。

目次

ステージ4の卵巣がんにおいて、抗がん剤治療は、どのくらい効果がある?

ステージ4の卵巣がんとは、以下のような状態です。

ステージ4A:胸水中にがん細胞を認める状態
ステージ4B:がんが、腹腔を超えて転移している状態、もしくは、肝臓や肺といった遠くの臓器に転移している状態のこと。そけいリンパ節への転移も含める。

また、卵巣がんの組織型には、4つのタイプがあります。

最も多いのは、漿液性卵巣がんであり、抗がん剤が非常に効きやすいです。

類内膜腺がんは、子宮体がんを合併することがあります。そして、漿液性卵巣がんと同様に、抗がん剤が効きやすいです。

粘液性卵巣がんと、明細胞腺がんは、漿液性卵巣がんに比べると、抗がん剤が効きにくいです。

さて、抗がん剤治療でがんを縮小させて、手術ができる状態になれば、手術をします。

手術によって、がんを可能な限り切除してから、抗がん剤治療になることもあります。

ステージ4であっても、抗がん剤と手術で、完治にもっていける方も、います。

卵巣がんの治療において、抗がん剤はとても重要な役目を果たすと言えるでしょう。

「カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはドセタキセル)」による抗がん剤治療は、癌を死滅させる力が非常に強いからです。

ちなみに、最近は、上の抗がん剤に加えて、アバスチン(ベバシズマブ)という注射の分子標的薬を併用することも、増えてきています。

よりよい治療効果になるからです。

そして、がんを寛解の状態(CT検査などで、がんを指摘できない状態)に、もっていきましょう。

CT検査で指摘できないくらい、卵巣がんを小さくできると、卵巣がんによって命を奪われない可能性が、かなり高くなります。

また、標準的な治療方法以外にも、卵巣がんを寛解の状態にもっていくのに、役立つ治療法が、あります。

そのようなことも取り入れて、卵巣がんを寛解に持っていく確率を、高くしていきましょう。

アバスチンという分子標的薬を用いた治療中において、注意すべきこと

アバスチンの治療を受けているときに、運悪く、虫歯がひどくなり、抜歯をしないといけない状況に、なるかもしれません。

その際には、アバスチンをとめないといけません。

抜歯の治療期間にもよりますが、約2ヶ月くらいアバスチンを止めることになります。

アバスチンによって、傷の治りを悪くなったり、出血がひどくなることがあるからです。

卵巣がんの成長を止めるために、アバスチンを受けている人であれば、2ヶ月もアバスチンを止めることは、好ましいことでは、ありません。

このようなことを避けるために、抗がん剤治療を受けることが決まった段階で、歯科受診をして、治療すべき歯を、治療しておくことが好ましいです。

今回は、卵巣がんのお話ですが、どのがんにおいても、言えることです。

抗がん剤治療を受けることになったら、事前に歯科を受診して、歯のチェックを終わらせておくことが、推奨されます。

またアバスチンの副作用として、以下のことにも、注意が必要です。

  • 消化管穿孔:確率は0.3%
  • 高血圧:50%
  • 尿タンパク:25%

ちなみに、「カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはドセタキセル)」と言ったような治療は、ある程度の体力がないと、受けることができない治療です。

副作用に耐えられる体力を維持することが、非常に重要になります。

副作用に耐えられる体力がない方は、無理をしてまで、抗がん剤治療を受けるべきとも言えます。寿命を短くすることに、なりかねないからです。

卵巣がんを、CTの検査では指摘できないくらい小さくできた時に、次にすべきこと

CTの検査では指摘できないくらい小さくした状態(寛解状態)を、少しでも長い期間、持続させないといけません。

そこで、「カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはドセタキセル)」による治療が終了した後も、アバスチンという注射の分子標的薬による治療を続けることが多いです。

そうすることにより、より長い期間にわたって、寛解状態を維持できます。

また、最近になって、アバスチンという薬のかわりに、リムパーザや、ゼジューラカプセルという飲み薬を用いることが、できるようになりました。

この薬剤も、寛解状態を維持するのに役立ちます。

卵巣がんは小さくなったが、残ってしまった時の治療法?

この場合の治療方針も、卵巣がんを寛解にもっていった場合と同じく、アバスチンやリムパーザによる治療となります。

これらの治療によって、がんの増殖を抑えられると期待されるからです。

もし、アバスチン、リムパーザによる治療を行っても、再び卵巣がんが大きくなることがあります。その時は、再び「カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはドセタキセル)」による治療や、「カルボプラチン+ドキシル」による治療を行うことを検討します。

卵巣がんが、小さくならなかった場合はどうするか?

「カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはドセタキセル)」による治療で、卵巣がんが小さくならない場合は、以下のどれかによる治療を、行うことになります。

ドセタキセル
エトポシド(ラステット、ペプシド)内服
ゲムシタビン(ジェムザール)
リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル)
パクリタキセル(タキソール)
トポテカン(ノギテカン、ハイカムチン)

ただし、これらの治療は、残念ながら、それほど効果が期待できる薬剤とは言えません。

治療に手詰まり感がでているとも言えます。

このように、抗がん剤治療に手詰まり感がでた時は、こちらの治療法も、検討することになります。

抗がん剤治療の効果を、どのように確認する?

2ヶ月間ほど、治療を行った上で、抗がん剤の治療効果を確認します。

CTや、腫瘍マーカーの数値で、がんの増殖が抑えられていれば、抗がん剤の効果はあると判定されます。

がんの勢いが強く、切羽詰まった状態の時もあります。その場合は、2ヶ月よりもっと短い期間で、抗がん剤の効果判定をします。

適切なタイミングで、抗がん剤の効果の判定をすることが大切なのです。

適切なタイミングで、やってもらえるかは、医師の腕による部分も、多いところです。

「もっと早い段階で抗がん剤の効果判定を行い、別の抗がん剤を変更しておけば、もっと長く元気に過ごすことができたかもしれない。」ということも、あるということです。

そして、一部の人は、劇的に効いて、完治を目指すことができるくらいに、なることがあります。

だからこそ、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。

今後の新規の卵巣がんの治療薬とは?

免疫チェック阻害薬(オプジーボ)などが、候補になっています。また、rucaparibという薬も候補になっています。

腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?

抗がん剤の治療中における、定期検査で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。そのくらいならば、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、卵巣がんが増殖してきている兆候です。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと言えます。

卵巣がんの5年生存率を、もっと、高くできる。

上記のデータは、2006年から2008年の間に、卵巣がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

5年生存率は、このデータに基づいて、説明されることが多いです。

つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

以前に比べれば、卵巣がんの治療効果は、高っているのです。

卵巣がんのステージ4は余命を数える段階?

ステージ4であっても、数年にわたって、元気にされている人はいます。中には、完治に持ってこれるケースもあります。

一方で、全身に転移して食事もほとんど食べられない状態のステージ4ですと、数週間しか生きられない人もいます。

結果として、卵巣がんステージ4の5年生存率は28.3パーセントとなります。

そして、工夫をすることにより、さらに、生存期間を伸ばせることは、様々な医学データから判明しています。

ステージ4でも治ることがあるということを示すために、卵巣がんよりも、難治性のがんである膵臓がんを例にだして、お話しします。

肝臓転移があり、ステージ4の診断。抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。

しかし、すい臓のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。

お腹の中を手術で見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。

最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。

今回は、膵臓がんを例に説明しましたが、卵巣がんのステージ4でも完治する方はいるのです。

さて、このような、良い治療結果にしていくためには、病院の治療だけを受けていれば良いわけではありません。

卵巣がんのステージ4でも、余命を伸ばす方法は、他にもあります。

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抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。

抗がん剤治療や放射線治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。

例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。

よりよい治療結果につながるというデータは、複数あります。

保険診療で、ハイパーサーミアを受けることができるケースが多いです。

以下のような機械で、病巣を加熱します。

また、東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

たとえば、漢方薬の内服は、東洋医学における代表的な治療法です。

エキス顆粒の漢方や、タブレット状の漢方であれば、水と一緒に飲むだけです。

煎じる漢方の場合は、以下のような漢方を、ヤカンなどで煮出して、煮出した液体だけを飲みます。

購入に関してですが、保険診療の中で処方してもらえる、漢方もあれば、保険の効かない漢方もあります。

保険の効かないような、特殊な漢方は、漢方薬局で購入することになります。

一方で、漢方やハイパーサミアは、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、これらの治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。

私も、以前は、そのように感じていました。

しかし、効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つと確信しました。

子宮がんの事例になりますが、以下のような事例が、あります。

再発した子宮頸がんに対して、抗がん剤と放射線治療を行うものの、がんは、増大してしまう。

そこで、2種類の漢方を追加する。

その結果、腫瘍マーカーは下がり、がんも、縮小する。

 

今回ご紹介した事例は、子宮がんでしたが、卵巣がんであっても、漢方は、非常に有効な治療手段です。

さて、幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。

大切なところなので、もう一度、書きます。

病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。その治療法を軸にしつつ、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった枝葉をつけると、もっとよいです。

副作用を減らすことにも、つながります。

あなたの今の治療に、簡単に取りいれられる漢方に関しても、こちらで学ぶことができます。

私、加藤隆佑が、このような治療法を取り入れたきっかけとは?

私は、医師として、18年のキャリアがあります。

西洋医学のトレーニングを徹底的に受けました。

しかし、専門医をとり、ある程度のことができるようになった頃より、がんの治療に、大きな疑問を感じるようになりました。

治療の結果、副作用に悩まされる人が大勢いる。ベストの治療をしても、患者さんは、必ずしも幸せになってくれない。

さらに、患者さんだけでなく、家族もとても辛い思いをしている方が多い。

病院では治療だけで、心のケアをしてくれる人がいない。

 

このような思いに、悩まされるように、なったのです。そこで、いろんな治療法を勉強しました。

患者さんや、そのご家族の不安を取り除くための、カウンセリングのトレーニングを受けました。

また、いろんな治療法を学ぶ過程で、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアは効果があり、再現性のある治療法であることを、知ることができました。

このような経緯があり、現在は、西洋医学に、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアを組み込んだ治療を、提案しています。

たとえ、ステージ4のがんであったとしても、完治にもっていく確率をあげることができます。

私の情報発信は、一人でも多くの方に、このことを伝えるための、挑戦でもあります。

そして、がんになっても、毎日の生活に楽しみを持ちながら、生活を送って欲しいと思います。

免疫療法は、効果があるのか?

免疫療法には、2種類あります。1つ目は、保険診療で認可されている免疫チェックポイント阻害薬のことです。例えば、オプジーボといった薬剤です。

そして、ここでお話しするのは、自由診療で用いられる免疫療法です。リンパ球や樹状細胞といった免疫に寄与する細胞を、あなたの体のなかに、注入する治療のことです。

「データが乏しく、値段も高く、効果もほとんどない」と主張される医師は、多いです。

しかし、本当なのでしょうか?

ここでは、詳細は割愛しますが、結論は、以下の通りです。

頻度は低いながら、抗がん剤が、がんを小さくすることを、強力に後押しすることがある。

そうである以上、一部の方には、有効な治療法であると考えるのが妥当です。

抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。

抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療を中断します。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあります。

そのようなことは、寿命が短くなることにも、つながります。

あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。そして、副作用対策をしてもらいましょう。

幸いにも、最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く、吐き気止めが、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるように、なりました。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けている方がいるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

  • 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
  • 主治医が、副作用対策を、熟知していない。

本来であれば悩まなくてもよい副作用に、悩まされることが、あるのです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。コミュニケーションをとっても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。

私の外来にも、そのような悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が、投与されていることがあるということです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、体重が減ったにも関わらず、減る前の体重から計算された量の抗がん剤が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1キロ程度の減少は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の減少のときは、主治医に伝えるべきです。

それ以外にも、副作用を回避するためには、いろんな工夫が必要です。

そして、抗がん剤で体が弱り、治療を受けた事を後悔する事だけは、避けないといけません。

そのためにも、無料メール講座の内容を実践して欲しいです。

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抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。

エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。

データの数は少ないのですが、その効果を実感して、診療に利用している病院は、複数あります。

私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。

ちなみに、私は、これまで2冊の本を出版させていただきました。

そして、どちらの本にも、エレンタールの効果のことを、書いています。

諦めないで、いろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法があるものです。

ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかりリサーチします。

そして、再現性が高く、効果があるものは、ブログなどで、書いています。

標準的な治療だけが、治療でないことは、知っておいて欲しいです。

抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。

抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。

最近になって、非常に効果のある吐き気止めの薬がでたからです。

しかし、その薬を主治医が適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。

そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐと、よいでしょう。

また、あなたが、吐き気で辛い事を、主治医に伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に、渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。吐き気や嘔吐は、体力を低下させるので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、多くの場合が、解決できます。

副作用を減らして、もっと楽に治療を受ける方法は、こちらです。

抗がん剤によるしびれは、もっと楽にできます。

卵巣がんで、よく用いられる抗がん剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、カルボプラチンです。これらの薬剤で、特に注意しないといけない副作用があります。

それは、しびれです。専門用語では、末梢神経障害と呼ばれます。

後遺症として、しびれが残り、自分で歩く事が困難になったり、ボタンを自分でつけれなくなることも、あります。

しびれに関しては、適切な対処が必要です。

しびれがでたときには、主治医に報告して、適切な対処をしてもらいましょう。

しかし、しびれは、病院から提案される治療方法では、十分に改善しないことが、多いです。そのような場合でも、しびれを改善させる方法は、あります。

しびれをとる特殊な漢方があるのです。

また、しびれが、出現しないようにする予防法もあります。

パクリタキセル、ドセタキセルの副作用による筋肉痛

パクリタキセルや、ドセタキセルによる筋肉痛で、悩まれる人は、います。

ノイトロピンというお薬で、症状を改善させることができるので、試みるべき価値のある方法でしょう。

代替療法的な手法を取り入れることにより、副作用を緩和させることも、できます。

転移した部位に合わせた特殊な治療法と症状

肝転移している場合の治療法と症状

肝臓に転移している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。

以下のような状態のことです。

もし、肝臓への転移の数が少数であり、肝臓への転移の状態が長期間にわたって落ち着いているときは、放射線治療が検討されることもあります。

次に症状に関してですが、「転移したがんが、肝臓の大半を、占拠した段階」に至ってから、肝転移による症状が、でることが多いです。

例えば、黄疸といった症状です。

また、採血で肝機能障害が出現した時に、「肝臓の転移が、悪化したのであろう」と心配される方が多いですが、そうではありません。

大半のケースにおいて、抗がん剤などによる肝機能障害か、「転移したがんが、胆管という胆汁の流れ道を塞ぐこと」が、原因となっています。

リンパ節転移している場合の治療法と症状

広い範囲に転移している場合のリンパ節転移は、抗がん剤治療が中心となります。

以下のような状態のことです。

リンパ節転移が、一部分だけにとどまるときは、放射線治療を検討することもあります。

また、症状としては、大きく腫れたリンパ節が、神経に触れればと、痛みがでます。腫大したリンパ節が、臓器を圧排すれば、それに伴う症状が出ます。

例えば、転移して腫大したリンパ節が、胆汁の流れ道を、押しつぶせば、黄疸が出現するといった感じです。

どの部位のリンパ節に転移して、さらにそのリンパ節がどの程度、腫れるかによって、症状は異なります。

腹膜播種と症状

腹膜とは、お腹の中の内臓を覆う膜のことです。そして、下の図の青の矢印のように、腹膜にがん細胞が散らばり、増殖することを、腹膜播種と呼びます。

手術で取り除けないので、抗がん剤治療が中心となります。

さて、抗がん剤で制御がうまくいかない腹膜播種を制御するための、特殊な治療法があります。

お腹の中に、直接抗がん剤を投与するという方法です。腹腔内化学療法と言われます。腹腔内のがん細胞を制御するのに、有効な治療法です。

それによって、腹膜播種が綺麗に、消失するケースも、珍しくありません。

問題点として、この治療法が広く普及はしておらず、一部の施設でしか行われていないことです。

卵巣がんにより腹水多量になり、お腹がパンパンになったときの治療法

腹水でお腹が張って辛いという症状をとるために、小さな針をお腹にさして、腹水を抜くことがあります。

腹水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうことが、注意点としてあげられます。

そのことを避けるために、抜いた腹水を「ろ過+濃縮」して、腹水の中の栄養分だけを体内に戻す、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。

その結果、体の中の栄養成分を失うことを避けられます。

保険診療で受けられる治療法です。

卵巣がんによる痛みは、もっと、とる事ができる。

卵巣がんの治療を受けるときに、最も大切なことは、症状をとることです。

痛みがあるときは、痛み止めを飲む事になります。なかなかとれない痛みであるならば、モルヒネといった医療用麻薬を用いることに、なります。

痛みをとることを中途半端にして、治療を受けるべきでは、ありません。

痛みがある結果、食事量が減ったり、睡眠不足になって、体力が落ちるからです。体力が落ちると、病院の治療に耐えられなくなる事も、珍しくありません。

症状をとること、そして、体調を整えることを、第一目標にしましょう。その上で、病院の治療を受けましょう。

卵巣がんの治療では、その部分が、肝要になります。

ステージ4の卵巣がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?

「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

また、ステージ4にも、いろんな状況が想定されます。

肝臓に転移が1つだけある方
肺や肝臓に無数の転移のある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方

上記の通り、ステージ4といっても、いろんな段階があるのです。

ステージ4であっても、寛解にもってこれることは、あります。

さて、卵巣がんのガイドラインと、延べ5000人以上の、がんの方を診療した経験を踏まえて、説明してきました。

最後に、まとめとなりますが、卵巣がんと戦うためには、以下の点に注意が必要です。

  • 抗がん剤治療、放射線治療、手術をバランスよく用いる
  • 病院での治療で、体力を消耗しないようにすること
  • 適切な漢方
  • 適切な食事内容

その結果、卵巣がんによる症状を、楽にできます。

卵巣がんを、もっと小さくしていくことも、できます。

余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。そして、卵巣がんに負けない体を作っていきましょう。

そのために、知っておくことがあります。

卵巣がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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