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キートルーダがすべてのがんに対して、用いることが可能になります。

 2018/12/03 最新情報  

こんにちは。加藤隆佑です。

2018年12月21日より、キートルーダがすべてのがんに対して、用いることが可能になりました。

キートルーダとは

がん細胞は、増殖するために、免疫細胞の1つであるT細胞に信号を送ることが、あります。

その信号によって、T細胞は、がんへの攻撃を弱めてしまいます。

その結果、がんは、増殖しやすくなります。

そこで、その信号をブロックするのが、免疫チェックポイント阻害薬です。

さて、この信号をブロックすることは、「一部のがんの方」には、とても意義のあることになります。

「一部のがんの方」と記載したのは、理由があります。

免疫のメカニズムは、とても複雑なものであり、信号をブロックすれば、すべての問題が解決できるわけでは、ないからです。

たとえば、免疫細胞が疲弊しきっていると、免疫チェックポイント阻害薬の効果が乏しくなると、言われています。

また、腸内細菌がよい状態にあると、免疫チェックポイント阻害薬の効果が、アップするというデータもあります。

免疫細胞の元気度が、免疫チェックポイント阻害薬の効果に関係していることは、間違いないようです。

話はそれましたが、キートルーダも、免疫チェックポイント阻害薬の1つに分類されます。

さて、キートルーダは3週に1回のペースで、30分かけて行う点滴治療です。

これまでは、肺がん、尿路上皮がん、悪性黒色腫、リンパ腫で、用いられていました。

それが、すべてのがんに対して、用いることが、できるようになります。

キートルーダを用いることができる条件は?

すべてのがんに対して用いることは、できます。

ただし、遺伝子検査において、高頻度マイクロサテライト不安定性を確認できることが、条件になります。

高頻度マイクロサテライト不安定性を有するということは、遺伝子の修復機能の低下を示すことになります。

つまり、誤った遺伝子の配列を修復できなくなり、がんの芽を排除することができないことになります。

高頻度マイクロサテライト不安定性の頻度は?

米国のデータでは胃がんや子宮内膜がんでは患者の2割程度とされています。

その次に、小腸がん、大腸がん、子宮頸がん、神経内分泌腫瘍、肝臓がんが、頻度の高いものとして、続きます。

全体では4%程度というデータです。

ガイドラインに記載してあるすべての抗がん剤治療をやり尽くした方が、受ける治療となります。

どのような検査を受けると、マイクロサテライト不安定はわかる?

はじめに主治医からこの検査を通して、遺伝性のがんであることが判明する可能性があるという説明を受けます。

そのことを納得していただいた上で、検査を受けます。

検査に必要なもの

  • 正常組織:採血
  • 腫瘍組織:がんから、採取した組織

検査料金は21000円かかります。3割負担の場合は、6300円の自己負担です。

キートルーダの効果とは?

高頻度マイクロサテライト不安定性のある大腸がんにキートルーダを投与した場合の治療成績は以下の通りです。

  • 奏功率(がんが小さくなる確率):27.9%
  • 病勢コントロール率(がんが大きくなるのを防げる確率):50.8%

高頻度マイクロサテライト不安定性のある大腸がん以外のがんに、キートルーダを投与した場合の治療成績は、以下の通りです。

  • 奏功率(がんが小さくなる確率):34.9%
  • 病勢コントロール率(がんが大きくなるのを防げる確率):59.0%

ちなみに、以下のような方にも、キートルーダの効果が、でやすいとされています。

  • がん細胞に発現している PD-L1の割合が高い方
  • がん細胞に、リンパ球が集まっている所見がある場合 (TiLs)
  • 腸内細菌の状態が良い方

そして、キートルーダには、いろんな副作用はありますが、通常の抗がん剤に比べると、負担の少ない治療になります。

キートルーダを用いることができないという結果になったときの対処法は?

この検査で、キートルーダの適応ではないという結果になることも、あることでしょう。

そのような場合であっても、遺伝情報から最適な治療薬を選ぶ遺伝子検査を受けるという手段もあります。

遺伝子検査に関しては、こちらで、詳しく説明しています。

さて、これ以上の治療法がないといわれても、がんを抑えるために、すべきことは、あります。

余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。

そして、がんに負けない体を作っていきましょう。

そのために、知っておくことがあります。

がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

 

ライター紹介 加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

この記事を書いた著者のことを、もっとよく知りたい方はこちら

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