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胃がんの再発でも楽に余命を伸ばす!末期からでも回復する治療を医師が解説

 2019/06/10 胃がん  

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療専門医として、小樽協会病院という総合病院で勤務しています。

さて、今日は、胃がんについてのお話です。胃がんの再発で、手術ができない状況ですと、長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。

油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方は、いらっしゃいます。

たとえ、抗がん剤治療ができないような、末期の状態であっても、よりよい状態にもっていくことは、できます。余命宣告をされていたとしても、余命をさらに伸ばすことは、できるのです。

また、あなたが、副作用で苦しんでいるならば、もっと楽に治療を受けることも、できるようになります。

希望を持ちつつ、治療を受けていきましょう。

そして、再発の胃がんを克服する確率を、跳ね上げていきましょう。

そこで、私の17年間の胃がん治療の経験を踏まえて、胃がんをさらに小さくするために、すべきことを、書いていきます。

目次

胃がんが再発する理由とは?

胃がんが再発する理由は2つです。

1つ目は、手術の刺激で、がん細胞が、散らばったという理由です。

もう1つの理由は、手術の際に行われた検査では、小さすぎて分からなかった癌細胞が、時間とともに大きくなり、検査で分かるようになったという理由です。

大半の方の再発の理由は、後者です。

再発した胃がんに対して、手術による治療は意味がないのか?

胃がんの再発では、肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

手術では、すべてのがんを、取り除けませんので、手術による治療は、なされないことになります。

一方で、抗がん剤であれば、血流にのって、体中にひろがったがん細胞に、がんを倒す薬の成分を、行き渡らせることができます。

うまく抗がん剤が効いてくれると、がんを抑えることに、非常に役立ちます。

抗がん剤が、再発した胃がんの治療における主役になるのです。

その治療により、体に広く散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることも、あります。

さて、先ほど、胃がんが再発していると、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されるとお話しました。

しかし、すべての方が、再発しているからといって、がん細胞が、体に広く散らばっているわけではありません。

再発した部位だけに、がん細胞がとどまっていることもあるのです。

再発した病巣の数が1から3個くらいであるならば、このような可能性があると、されています。

このような状況に置かれているならば、根治を目指した手術や放射線治療を、検討することがあります。

検討するといっても、抗がん剤をしばらくの期間行ってから、検討することが、大半です。

再発の胃がんの抗がん剤は、どのくらいの効果がある?

効き目が強い抗がん剤と、そうでない抗がん剤がある。

再発の胃がんに用いられる抗がん剤は、以下のものが挙げられます。

1番目に用いられる抗がん剤(1次化学療法)

TS-1(もしくはゼローダ)+シスプラチン(もしくはオキサリプラチン)
TS-1単剤

上記のどれかが、用いられることが多いです。

1番目に用いられる抗がん剤は、効き目が強く切れ味は良いお薬です。

ちなみに、胃がんの10~20%では、「HER2(ハーツー)」と呼ばれるたんぱく質が、検出されます。その場合は、ハーセプチンという分子標的薬が、併用されます。

2番目に用いられる抗がん剤(2次化学療法)

パクリタキセル(もしくはアブラキサン)+サイラムザ
アブラキサン単剤

上記のどちらかが、用いられることが多いです。

切れ味は、1番目お薬に比べると、劣りますが、それなりに、効果はあります。

3番目に用いられる抗がん剤(3次化学療法)

オプジーボ もしくは イリノテカン

残念ながら、それほどの効果は期待できません。これらの治療法しか残っていないことになると、治療に手詰まり感を感じます。

そのような段階では、標準的な治療法以外の治療も、検討すべきです。

例えば、治験を受けることも、選択肢の1つにあがります。

 


さて、1つ例を挙げますと、以下のような感じで、治療を受けていくことになります。

「TS-1+オキサリプラチン」で、がんは、抑えられていた。

しかし、次第に効果が無くなり、「パクリタキセル+サイラムザ」に変更。

それも効果がなくなり、「オプジーボ」に変更。

 

ちなみに、主治医によって、用いる抗がん剤の順番が、異なることはあります。

そして、副作用に耐えられる体力が、それほどない方は、以下の3つの抗がん剤による治療に、なることが多いです。

  • TS-1単剤
  • アブラキサン単剤
  • オプジーボ

読んで気づかれたかもしれませんが、胃がんの治療では、抗がん剤の選択肢が、それほど多くはないという問題点が、あります。

さらに、イリノテカンやシスプラチンは、強い副作用がでやすい傾向があります。

従って、副作用に耐えられる体力を維持することが、非常に重要なのです。

副作用に耐えられる体力がない方は、抗がん剤を受けるべきではないとも言えるでしょう。

逆に、寿命を短くすることに、なりかねないからです。

オプジーボによる治療を受けるときの注意点

オプジーボとは、免疫チェックポイント阻害薬に分類される薬です。免疫療法の1つと言えるでしょう。

さて、従来の抗がん剤の効果は、1から2週くらいで、でてきます。

しかし、オプジーボの効果は、4週から6週くらいしてから、でてきます。

人によっては、28週くらいしてから、効果がでることも、あります。

つまり、オプジーボの治療を受けても、平均4週間から6週間は、胃がんは、大きくなり続けることが、多いのです。

オプジーボの治療を受けて、4週くらいして、CTで検査をしたときに、がんが大きくなっていても、がっくりしないでください。

もうしばらくしたら、小さくなるかも、しれないのです。

また、効果がでるまでに、時間がかかることを考慮すると、以下のようなことが、言えます。

—–

がんが、非常に切羽詰まった状況では、オプジーボではなく、もっと効果の早くでる抗がん剤を、用いた方がよい。

—–

ところで、免疫が疲弊している状態ですと、オプジーボの効果が十分にでないという報告もあります。

従って、免疫の状態をよい状態に維持する心がけも必要ということです。

免疫の状態を改善することは、東洋医学的な治療(漢方など)が得意とする分野になります。

免疫状態を良くする漢方を併用すると、オプジーボの治療効果は、良くなる傾向があります。

また、オプジーボと兄弟的な薬として、キートルーダという薬が用いられることもあります。

こちらの条件を満たす方が、キートルーダの治療を受けられます。

胃がんに用いられる抗がん剤の効果

胃がんに用いられる、抗がん剤の効果をお示しします。

「TS-1+シスプラチン」は、胃がんを約6ヶ月くらい抑える効果があります。

「パクリタキセル+サイラムザ」は、胃がんを、約5ヶ月くらい抑える効果があります。

以上が、平均的な成績です。

そして、一部の人は、劇的に効いて、手術ができるくらいになることもあります。

だからこそ、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。

胃がんを、より小さくさせていくことは、できます。

抗がん剤の治療効果は、どのように確認する?

2ヶ月間ほど、治療を行った上で、抗がん剤の治療効果を確認します。

CTや、腫瘍マーカーの数値で、がんの増殖が抑えられていれば、抗がん剤の効果はあると判定されます。

がんの勢いが強く、切羽詰まった状態の時もあります。その場合は、2ヶ月よりもっと短い期間で、抗がん剤の効果判定をします。

適切なタイミングで、抗がん剤の効果の判定をすることが大切になります。

適切なタイミングで、やってもらえるかは、医師の腕による部分も、多いところです。

「もっと早い段階で抗がん剤の効果判定を行い、別の抗がん剤を変更しておけば、もっと長く元気に過ごすことができたかもしれない。」ということも、あるということです。

腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?

抗がん剤治療を受けている最中の定期検査の結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに、腫瘍マーカーが上昇するときは、がんが増大している兆候であることが多いです。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと、言えます。

胃がんの5年生存率を、もっと高くできる。

先ほど、お話したように、胃がんの治療では、抗がん剤の選択肢が、それほど多くはないという問題点が、あります。

そこで、標準的な治療法以外の治療も、常に念頭に入れてることも、大切です。

そうすることにより、生存率を高くすることができます。



さて、上記のデータは、2006年から2008年の間に、胃がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

以前に比べれば、胃がんの治療効果は、高っているのです。

ちなみに、再発の場合の5年生存率は、ステージ4の胃がんと、ほぼ同じとなります。

胃がんの再発は、余命を数える段階?

胃がんの再発であっても、数年にわたって、元気にされている人はいます。中には、完治に持ってこれるケースもあります。

一方で、全身に転移して食事もほとんど食べられない状態の再発ですと、数週間しか生きられない人もいます。

結果として、胃がんを再発した方の生存期間の中央値は、約13ヶ月となります。

かなり個人差があるのです。

そして、工夫をすることにより、さらに、生存期間を伸ばせることは、様々な医学データから判明しています。

さて、なかには、胃がんの再発であっても、画像上、がんが、指摘できない状態に持っていく事ができるケースもあります。

再発の胃がんでも治ることがあるということを示すために、胃がんよりも、難治性のがんである、ステージ4の膵臓がんを例にだして、お話しします。

肝臓に転移があり、ステージ4の診断。

抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。

しかし、膵癌のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。

手術で、お腹の中を見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。

最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。

 

今回は、膵臓がんを例に説明しましたが、再発した胃がんでも、完治する方はいるのです。

さて、このような、良い治療結果にしていくためには、病院の治療だけを受けていれば良いわけではありません。

いろんな工夫を、取り入れていく必要があります。

そのために、あなたがすべきことは、こちらで公開しています。

抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。

抗がん剤治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。

よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

漢方といった東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

厚生労働省からも、「ハイパーサーミア」や「漢方」を、保険診療で用いることは認められています。


一方で、これらの治療は、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、その治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。

私も、以前は、自分の無知のため、「そんな治療は、役に立たない」と、感じていました。しかし、効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つになると、確信しました。

幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。

大切なところなので、もう一度、書きます。

病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。

その治療法に、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった治療を付け加えると、もっとよいです。

副作用を減らすことにも、つながります。

あなたの今の治療に、簡単に取り入れられるので、つけ加えていきましょう。

さらに胃がんを小さくしていくことが、できます。

抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。

抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

また、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療を中断します。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあります。

寿命が短くなることにも、つながります。

そのようなことを避けるために、あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。そして、副作用をとってもらいましょう。

幸いにも、最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く吐き気止めが、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるようになっています。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けられている方がいるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

  • 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
  • 主治医が、副作用対策を、熟知していない。

そのために、本来であれば悩まなくてもよい副作用に、悩まされることは、多いです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。コミュニケーションを取っても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。

私の外来にも、そのような悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

過剰な量の抗がん剤が、投与されていることが、あるのです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、なんらかの理由で体重が減ったにも関わらず、従来の体重の量で計算された量の抗がん剤が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1キロ程度の減少は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の減少のときは、主治医に伝えるべきです。

抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。

エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。

データの数は少ないのですが、その効果を実感して、診療に利用している病院も複数あります。

私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。

私の著書にも、エレンタールの効果のことを書いています。

諦めないでいろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法があるものです。

ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかりリサーチします。

そして、再現性の高く、効果があるものは、ブログなどで、書いています。

標準的な治療だけが、治療でないことは、知っておいて欲しいです。

抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。

抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。

最近になって、非常に効果のある吐き気止めの薬が、でたからです。

しかし、その薬を主治医が適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。

そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐのも、よいでしょう。

また、あなたが、吐き気で辛い事を、伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。体力の低下につながるので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、大半のケースで、解決できます。

抗がん剤による吐き気をとって、楽に治療を受けていきましょう。

抗がん剤によるしびれは、もっと楽にできます。

胃がんで、よく用いられる抗がん剤の1つであるアブラキサンで、特に注意しないといけない副作用があります。それは、しびれです。専門用語では、末梢神経障害と呼ばれます。

後遺症としてしびれが残り、自分で歩く事が困難になったり、ボタンを自分でつけれなくなることもあります。

しびれに関しては、適切な対処が必要です。

しびれがでたときには、主治医に報告して、適切な対処をしてもらいましょう。

しびれは、標準療法で用いられる方法では、十分に改善しないこともあります。そのような場合であっても、しびれを改善させる方法は、あります。

たとえば、漢方は非常に有効です。

また、しびれが、なるべく、出現しないようにする予防法もあります。

再発した部位に合わせた特殊な治療法と症状

肝臓に再発した場合の治療法と、症状

肝臓に再発している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。

もし、肝臓への再発の数が少数であり、肝臓以外にがんが存在せず、さらに、肝臓への再発の状態が長期間にわたって落ち着いているときは、以下の治療法が検討されることもあります。

  • 放射線治療
  • 手術

次に症状に関してですが、「再発したがんが、肝臓の大半を、占拠した段階」に至ってから、再発による症状が、でることが多いです。

例えば、黄疸といった症状です。

ちなみに、採血で肝機能障害が出現した時に、「肝臓の転移が、悪化したのであろう」と心配される方が多いですが、そうではありません。

大半のケースは、抗がん剤などによる肝機能障害か、「転移したがんが、胆管という胆汁の流れ道を塞ぐこと」が、原因となっています。

リンパ節に再発したときの治療法と、症状

再発したがんにより、リンパ節が腫大している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。

もし、リンパ節への再発が、一部分だけにとどまるときは、放射線治療を検討することもあります。

次に症状に関してですが、大きく腫れたリンパ節が、神経に触れるれば、痛みがでます。

腫大したリンパ節が、臓器を圧排すれば、それに伴う症状が出ます。例えば、再発して腫大したリンパ節が、胆汁の流れ道を、押しつぶせば、黄疸が出現するといった感じです。

どの部位のリンパ節に再発して、さらにそのリンパ節がどの程度、腫れるかによって、症状は異なります。

腹膜播種として再発した場合の治療法

お腹の中に、腹膜という部位があります。そこに、種がまかれるように、バラバラと、がんが広がることを腹膜播種(ふくまくはしゅ)と言います。

抗がん剤治療が中心となります。

さて、非常に効果的な、腹膜播種を制御する、特殊な治療法があります。

お腹の中に、直接抗がん剤を投与するという方法です。

腹腔内化学療法と言われます。腹腔内のがん細胞を制御するのに、有効な治療法です。

それによって、腹膜播種が綺麗に、消えるケースも、あります。

問題点として、この治療法が広く普及はしておらず、一部の施設でしか行われていないことです。

胃がんで腹水多量で、お腹がパンパンになったときの治療法

腹膜播種がひどい状況になると、腹水がでます。腹水の量が非常に多いと、食事量が減り、全身の状態が悪くなることがあります。

そのような状況での、抗がん剤治療は、副作用のリスクが高くなるので、慎重に行わないといけません。

前述した腹腔内化学療法は、比較的副作用が少ない治療なので、全身状態が良くなくて、体力が消耗していても、安心して受けることができます。

また、腹水でお腹が張って辛いという症状をとるために、小さな針をお腹にさして、腹水を抜くことがあります。

腹水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうことが、注意点として、挙げられます。

そのことを避けるために、腹水を抜いた後に、腹水を「ろ過+濃縮」して、腹水の中の栄養分だけを体内に戻す、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。

胃がんによる痛みは、もっと、とる事ができる。

胃がんの治療を受けるときに、最も大切なことは、症状をとることです。

痛みがあるときは、痛み止めを飲む事になります。なかなかとれない痛みであるならば、モルヒネといった医療用麻薬を用いることに、なります。

痛みをとることを中途半端にして、治療を受けるべきでは、ありません。

痛みがあるために、食事量が減ったり、睡眠不足になって、体力が落ちるからです。体力が落ちると、病院の治療に耐えられなくなる事も、珍しくありません。

症状をとること、そして、体調を整えることを、第一目標にしましょう

その上で、病院の治療を受けましょう。

胃がんの治療では、その部分が、肝要になります。

胃がんの再発は治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?

「再発=末期がん」と、思われがちですが、再発でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

また、胃がんの再発にも、いろんな状況が想定されます。

肝臓に再発した病巣が、1つだけある方
肺や肝臓に、無数の再発した病巣がある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方

上記の通り、再発した胃がんといっても、いろんな段階があるのです。

そして、再発した胃がんであっても、寛解にもってこれることも、あるのです。

さて、ここでは、効果の期待できる抗がん剤治療が提案することができない段階の対応について、詳しくお伝えします。

このような段階は、病気に伴う心と体の痛みを和らげる治療、つまり緩和医療が中心となります。

  • 痛みがあるときは、痛み止めの薬の量を調節する。
  • 精神的に落ち込んでいるときは、カウンセリングを受けたり、抗うつ薬の量を調節する。

このような治療を中心に行います。

もちろん、がんと診断された時期から、上記のことを、同時並行で行っています。

「効果の期待できる抗がん剤治療が提案できない段階」は、これらを、より強化していくということです。

緩和医療を受けることも、より長く生きていくことにつながることは、証明されています。

抗がん剤、手術、放射線治療だけが、治療ではないのです。

抗がん剤、手術、放射線治療を受けなくても、体調を整えることを心がけるだけでも、より長く生きられるのです。

体調を整えるために、漢方や薬膳的な食事といった東洋医学も、取り入れるべき価値のあることです。

そして、毎日の生活に、楽しみを持ちながら、生活できるようにしましょう。

最後に、まとめとなりますが、胃がんと戦うためには、以下の点に注意が必要です。

  • 抗がん剤治療、放射線治療、手術をバランスよく用いる
  • 病院での治療で、体力を消耗しないようにすること
  • 適切な漢方
  • 適切な食事内容

その結果、胃がんによる症状を、楽にできます。

胃がんを、もっと小さくしていくことも、できます。

余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。そして、胃がんに負けない体を作っていきましょう。

そのために、知っておくことがあります。

胃がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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