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肝臓がんによる、かゆみや黄だんを解決する方法は?

こんにちは。加藤隆佑です。

さて、先日、肝臓がんの方が入院されました。

骨にも転移していました。さらに、肝臓の肝硬変が非常に進んでいる状態です。

少しでもよい方向になるように、していきたいです。

さて、そのような状態のときには、がんの治療も大切ですが、日常生活を快適に過ごせるサポートもしていかないといけません。

そのサポートの1つが、かゆみや黄だんをとっていくことです。

肝臓がんの方の痒みは、どのような症状?

「夜、かゆくて眠れない」、「あちこちかゆくてかきむしってしまう」といった症状です。

かゆい部分をかいても治まらなかったり、一般のかゆみ止めが効きにくいという特徴もあります。

痒みが出る理由は?

肝臓がんが、末期の状態だから、痒みがでると思われる方がいます。

しかし、そうではありません。

もちろん、肝臓が、がんに埋め尽くされて、黄だんがでれば、痒みがでます。

しかし、肝臓のがんは落ち着いているにも関わらず、痒みがでることがあります。

たとえば、背景に肝炎があるときです。つまり、肝臓に炎症が起きていることも、痒みの原因の1つになります。

また、肝臓が原因の痒みと思っていたのが、皮膚の乾燥からくる痒みであったということもあります。

痒みというのは、いろんな原因で発生します。

「痒みが発生した=がんの末期」というわけではないことを、知って欲しいです。

肝臓由来の痒みをとる方法

日常生活における工夫

以下のことに、気をつけて下さい。

  • 入浴時、ぬるめの湯にゆっくりつかる。
  • 汗をかいたら早めに洗い流す。
  • 石鹸の使いすぎとごしごし洗いは控える。
  • お風呂上がりにはすぐに保湿剤を塗る。
  • 化学繊維や毛織物が皮膚と接触するのを避ける。

薬物療法

かゆみをとるために、薬は有効です。どのような薬があるかを、解説していきます。

漢方

インチンコウ(茵蔯蒿)を煎じて用いると、非常に効果があります。

この漢方には、黄だんを改善させる力も、あります。

私も、よく用いる漢方の1つです。とても効果的です。

レミッチ(ナルフラフィン塩酸塩)

この内服薬も、効果があるときがあります。

抗ヒスタミン薬

これは、一般的な痒みどめに該当します。

概して効果は乏しいです。

がんによる症状を、取り除く秘訣は、こちらです。

 

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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