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肝臓がんの腫瘍マーカーの意義と、数値が上昇した時の対処法を医師が解説

 2019/02/26 肝臓がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

本日は、肝臓がんの腫瘍マーカーの検査の意義と、数値が上昇した時や高い時の対処法について説明いたします。

肝臓がんの検査項目の1つとして、腫瘍マーカーを調べることがあります。

腫瘍マーカーを調べることにより、分かることは、以下の3つです。

  • 腫瘍マーカーが正常域を超えた数値の場合は、体の中にがんがある可能性がある。
  • 治療を行い、腫瘍マーカーが下がれば、治療は効果的であり、がんが縮小してきている可能性が高いと判断できる。
  • 治療を行っても、腫瘍マーカーが上昇するならば、治療は無効であり、がんが増大している可能性が高いと判断できる。

ここでは、肝臓がんの腫瘍マーカーについて、もう少し詳しく説明します。

腫瘍マーカーとは何か?

実は、多くの腫瘍マーカーは、がん細胞からだけではなく、正常な細胞でも作り出される物質です。

しかし、がん細胞の方が、正常な細胞よりも成長が早いために、よりたくさんの腫瘍マーカーを作ります。

その結果、腫瘍マーカーが基準値よりも高い時には、身体の中に存在している可能性が高いと、解釈できます。

腫瘍の大きさが大きいほど、腫瘍マーカーの数値は高くなる傾向があります。したがって、早期のがんでは、腫瘍マーカーは正常域内にとどまることが多いです。

そして、がんがあっても、腫瘍マーカーは正常域にとどまっていることがあることは、知っておくべきことになります。

逆に腫瘍マーカーが高い数値でも、背景にがんが存在しないことがあります。

特に、以下の腫瘍マーカーは正常域から外れた数値であっても、背景にがんがないケースが多いです。

CEA:慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎、肺結核などでも高値を示すことがあり、その確率は20~40%程度と考えられています。

CA19-9:胆管炎、慢性の膵炎や肝炎、閉塞性の黄疸、卵巣脳腫などでも高値を示すことがあり、その確率はおよそ5~10%程度です

CA125:子宮内膜症の50~65%程度、膿疱腺腫の20%程度でも高値を示すことがあります。

ここでいう高値とは、正常域から少しはみ出る程度の数値のことを指します。

腫瘍マーカーが数千というような数値である場合や、腫瘍マーカーが右肩上がりで上昇する場合には、非常に高い確率で背景にがんがあるであろうと推測されます。

ちなみに、PIVKA-Ⅱが300以上、もしくはAFPが100以上の場合は、肝臓のがんが、他の部位に転移している可能性が高いと言われています。

肝臓がんが転移しやすい部位は以下の場所です。

  • リンパ節

肝臓がんで用いられる腫瘍マーカーは?

肝臓がんの腫瘍マーカーとして、以下のものが挙げられます。

  • CA19─9
  • CEA
  • AFP
  • PIVKA-Ⅱ

ただし、これらすべてを用いるわけではありません。

この中でよく用いられるものは、AFPとPIVKA-Ⅱです。

ちなみに、この話は原発性肝臓がんに限った話です。もし、肝内胆管がんというがんならば、CEAやCA19-9という腫瘍マーカーが用いられることが多いです。

そして、腫瘍マーカーを用いる理由は、治療効果が出ているか否かを判定をするためです。

その目的さえ達成していれば、どの腫瘍マーカーを用いてもいいことになります。

そして、多くのケースにおいて、AFPとPIVKA-Ⅱで、その目的を達成できます。

腫瘍マーカーが右肩上がりで上昇してきたらどうする?

定期検査の検査結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、がんが増殖してきている兆候であることが多いです。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと、言えるかもしれません。

例えば、卵巣がんの事例になりますが、以下のような事例があります。

60歳代の女性

卵巣がんの手術後に、CA125が上昇してくる。

画像上でも、リンパ節に再発した疑いとなる。

しかし、漢方を内服し、腫瘍マーカーは再び下がり、がんの増大は抑えられる。

 

ちなみに、この方に飲んでいただいたのは、大青葉・山豆根という漢方です。

このように、腫瘍マーカーが上昇したときには、漢方は非常に重要な役目を果たします。

これは、肝臓がんにも言えることです。

腫瘍マーカーが上昇する兆候がある時には、なるべく早くがんを抑えるアクションを取るべきです。

そのためにすべきことの1つが、漢方を取り入れることです。

肝臓がんの成長を、強力に抑えられます。

肝臓がんを打ち負かす方法は、こちらで学べます。

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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