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肝臓がんのステージ4でも克服を目指す!再発転移した部位別に、治療法を医師が解説!

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療専門医として、小樽協会病院という総合病院で勤務しています。

さて、今日は、肝臓がんについてのお話です。

肝臓がんにも2つあります。肝臓の細胞が、がん化した肝臓がんと、肝臓以外のできたがんが、肝臓に転移してできた転移性の肝がんです。

今回は、肝臓そのものにできた肝臓がんの再発やステージ4を、克服する方法を、書いていきます。


肝臓がんの特徴は、再発しやすいことです。再発を、何回も繰り返すことは、珍しくありません。遠くの臓器に転移して、ステージ4と言われることがあります。

長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。

油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方がいらっしゃります。

希望を持ちつつ、治療を受けていきましょう。

そのために、肝臓がんを克服するために、これだけは知っておいてほしいことがあります。

あなたが、副作用で苦しんでいるならば、もっと楽に治療を受けることも、できるようになります。

そして、肝臓がんを克服する確率を、跳ね上げていきましょう。

私の16年間のがん治療の経験を踏まえて、あなたの悩みの解決の手助けになることを、書いていきます。

目次

肝臓に再発した肝臓がんの治療はどうする?

肝臓がんの再発にも、いろんな再発の仕方があります。頻度が多いのは、肝臓に、新たに、がんができる形で、再発することです。

手術で、安全に切除できると判断された再発の肝臓がんの場合

がんとその周囲の肝臓の組織を、手術によって取り除く治療です。

がんの大きさには特に制限はなく、8cmを超えるような巨大なものであっても、切除が可能な場合もあります。

ただし、黄疸があったり、腹水がある場合には、肝臓の予備能力が少ないと判断されて、手術が行われないケースが多いです。

つまり、肝臓の肝硬変が非常に進んでいる状態になっている方は、肝臓の予備能力が少ないと判断されて、手術が難しいことが多いです。

ラジオ波焼灼術(RFA)は、がんの大きさが3cm以下、かつ、3個以下の肝臓がんの再発に有効

体の外から、針をがんに直接刺し、電気を流して、がんを焼いて死滅させる治療法です。注意点として、血管に、肝臓がんが、食い込んでいる場合ですと、この治療の対象にはなりません。

適切な形で焼却できれば、焼いた部位から、がんが再発することはありません

肝動脈化学塞栓療法(TACE)は、大きさが3cmを超えた3個以内の肝臓がんの再発に有効

がんを栄養を運んでいる血管を人工的にふさいで、がんを「兵糧攻め」にする治療法です。

具体的には、「抗がん剤と、肝細胞がんに取り込まれやすい造影剤を混ぜたもの」を注入し、その後に、「がんを栄養する血管」をつめる物質を注入する治療法です。

がんを栄養する動脈を詰まらせることと、注入した抗がん剤により、がん細胞の増殖を抑えます。

副作用として多いのは、一時的な、「発熱、吐き気、腹痛、食欲不振、肝機能障害」です。

この治療を行った後は、定期的に、画像で評価します。もし、兵糧攻めにした肝臓がんに、再び血流(栄養)が入ってくることが認められたら、再び肝動脈塞栓療法を追加します。

ちなみに、この治療だけでも、完全にがんを制御できるケースもあります。

肝臓がんの再発に放射線治療は有効か?

2から3cm程度の大きさの肝臓がんに対する放射線治療は、手術やラジオ波と同じ程度の、局所制御率です。

局所制御とは、治療をした部位に、再び、がんが顔を出さないことです。

一方で、もっと大きな肝臓がんでは、通常の放射線治療では、十分に制御できないケースが多いです。

そのような場合は、重粒子線治療や陽子線治療が非常に有効です。

注意点として、放射線治療を検討する条件として、肝臓にあるがんの数が、3個以内です。

肝臓内に無数に肝臓がんが再発した場合

手術や放射線治療は難しいです。治療の選択肢は3つあります。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)

先ほど御説明していますので、割愛します。

肝動注化学療法

がんを栄養する血管を詰める治療は行わずに、抗がん剤のみを注入する治療法です。

がんの数が多すぎるときは、血管をつめる治療(肝動脈化学塞栓療法)はできません。そのようなときには、肝動注化学療法が選択されるのです。

具体的には以下のような方法です。

肝臓の動脈にカテーテルという管を留置します。さらに、皮膚の下に、「リザーバー」という小さな器具を埋め込みます。

治療の際には、皮膚の上から「リザーバー」に針を刺すだけで、肝臓に直接抗がん剤を投与することができます。

投与した抗がん剤は、直接、肝臓のがんのところに到達するので、用いる抗がん剤も、少量で、すむのです。副作用も軽いです。

問題点としては、カテーテルが詰まることがあるということです。詰まってしまうと、抗がん剤を投与することができません。

これまでの私の経験からしますと、腕のよい医師に留置してもらうと、カテーテルが詰まる頻度は低いです。

レンビマという抗がん剤による治療

飲み薬です。高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労といった副作用があります。以前は、ソラフェニブという薬物が中心でしたが、レンビマが発売されてからは、この治療法が主役になることでしょう。

レンビマは、ソラフェニブと違って、切れ味のある抗がん剤です。

レンビマの効果が乏しときに次にどのような薬剤による治療にするかは、まだ定まっていません。ただし、使える薬剤は、ソラフェニブかスチバーガしかないので、そのどちらかになるか、もしくは、緩和ケアを中心とした治療に移行するかの、どちらでしょう。

無数の肝臓がんが、肝臓内にあるときに、どの治療が最も良いのか?

3つの選択肢があるわけですが、どの治療法がベストなのでしょうか?

私が主治医ならば、はじめに以下のことを考えます。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)が、しっかりとできるか?を検討します。

その後のパターンとして、以下の2つになります。

パターン1)肝動脈化学塞栓療法(TACE)が、しっかりできる場合

もし、できるようならば、その治療を優先します。

そして、肝動脈化学塞栓療法(TACE)の効果が乏しくなれば、次は、「レンビマ」による治療を検討します。(肝動脈化学塞栓療法(TACE)を行った後に、「肝動注化学療法」を行うことは、効果が出ないことが判明しているので、「肝動注化学療法」は行いません。)

パターン2)肝動脈化学塞栓療法(TACE)が、しっかりできない場合

「肝動注化学療法」か「レンビマ」による治療から選択しないといけません。

画像上、がんが寛解に持っていける可能性は、「肝動注化学療法」の方が高いので、私ならば、はじめに、「肝動注化学療法」を選択します。

そして、その治療が思ったような結果にならないときには、次に、「レンビマ」による治療を選択します。

これは、私の治療方針ですが、施設によって、考え方は若干異なります。

いづれせに、「レンビマ」「肝動脈化学塞栓療法」「肝動注化学療法」のどれかから、治療の選択をしていくことになります。主治医のこれまでの経験や得意とする治療法によって、治療方針が変わるのです。

さて、先日も、数え切れないくらいの肝臓がんの再発の方がいらっしゃいました。そして、今は、がんは寛解した状態に持っていけました。

詳細は、以下のような感じです。

肝臓内に、数え切れないくらいの肝臓がんの再発。

肝動注化学療法を試みたが、副作用で継続できず。そこで、漢方を併用して副作用をなくして、肝動注化学療法を継続できるいようにする。

その結果、がんは消失。しかし、その後、再発することは、避けられないと予想されるので、何種類かの漢方を継続。

2年近く経過するものの、再発はせず。

再発した肝臓がんを制御することはできます。

ただし、西洋医学的に、がんを制御できたとしても、再発した方は、再び再発する確率は非常に高いです。

そこで、漢方といった東洋医学的なことも加えましょう。

がんを抑える漢方は、サプリメント感覚で、自宅で簡単に取り入れることはできます。

アルコールやウイルスの制御も同時にしないといけない

肝臓の細胞に炎症があると、がんの増殖や再発の原因になります。肝臓の細胞の炎症を取り除く必要があります。

肝炎ウイルスがある場合は、がんを寛解状態にもっていった後に、抗ウイルス薬を用いることは、再発予防に役に立つでしょう。

もし、アルコールの飲み過ぎで肝炎がある方は、アルコールをやめる必要があります。肝臓の炎症をとることが、再発を抑えたり、がんの増殖を抑えることにも、なります。

最近は、アルコールやウイルス以外の原因でも、肝炎が起きる事が分かっています。非脂肪性肝炎です。東洋医学的な対応(漢方など)で、その炎症を改善していくことも、できます。

肝硬変が非常に進んだ状態ですと、がんの治療ができない

肝硬変が非常に進んだ状態の場合は、西洋医学的ながんの治療は難しいです。つまり、手術、放射線治療、抗がん剤などです。

肝硬変が非常に進んだ状態で、抗がん剤などをすると、非常に副作用がでやすいのです。

このような状況は、がんの治療ではなく、肝硬変による症状を取り除くことが、治療の中心となります。

遠くの臓器に転移した肝臓がん

肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

手術、放射線治療、血管内治療では、がんをすべて取り除けません。

一方で、抗がん剤や分子標的薬であれば、血流にのって、体中にひろがったがん細胞に、がんを倒す薬の成分を、行き渡らせることができます

うまく薬物が効いてくれると、がんを抑えることに、非常に役立ちます。

その治療により、体に広く散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることも、あります。

ステージ4の肝臓がんのレンビマは、どのくらいの効果?完治はありうる?

最近用いることができるようになったレンビマ(レンバチニブ)という薬の治験では、約2%の方が、画像上では、がんが消失したというデータを出しています。

また8割くらいの方に治療効果があります。

以前は主流であったネクサバール(ソラフェニブ)という薬物よりも、ずっとよい治療成績です。

同時に、副作用に負けない体力を維持することが、非常に重要になってきます。

そのような観点から考えると、副作用に耐えられる体力がない方は、治療を受けるべきではありません。逆に、寿命を短くすることに、なりかねません。

手足症候群には、気をつけないといけません。

レンビマ、ネクサバール、スチバーガといった肝臓がんに用いられる分子標的薬には、手足症候群という副作用があります。

手足症候群の結果、「足の裏がもの凄く痛くて、歩くこともできなくなってしまいました」という位の症状を訴える方もいます。

さて、このようなひどい症状に落ち入らないために、私は以下のことをアドバイスします。

  • 手のひらや足の裏をこまめに確認すること。
  • 保湿剤を用いること
  • 症状がでたら、すぐにステロイド剤をぬること
  • 治療の開始前に、水虫やタコ・魚の目を治療しておくこと

さて、症状がでたときに、さらにライフスタイルも変えないと、治りが悪くなります。

  • 足に負荷のかかる作業(畑作業、散歩)を減らす
  • 水仕事を控えたり、重いものをもつことを控える
  • 暑いお風呂は避け、長期間の入浴もさける
  • さらに、症状が悪化してきたら、必ず主治医に相談する。

やるべきことがたくさんあるのです。

もし、高齢で、薬に対しての理解が十分にできず、セルフケアができないような方は、このお薬を飲むのは危険であるとも言えます。

あなたがレンビマ、ネクサバール、スチバーガによる手足の痛みで悩まされていたら、セルフケアで、かなり落ち着くはずです。

肝臓がんの治療で効果がでているかを、どのようにチェックするのか?

治療の効果は、以下のように、判断します。

2ヶ月間ほど、治療を行った上で、「CTや、がんの増え方の指標の1つである腫瘍マーカーの採血」で、治療の効果を判定

そして、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。

もう治らないと言われていても、治る方はいらっしゃいます。

そのためにすべきことは、あるのです。

黄疸や、かゆみが、でたら、どうする?

肝臓にあるがんによって、黄疸やかゆみが生じる場合と、肝硬変のために、そのような生じる場合の2つがあります。
そのような症状がでているときは、漢方が非常に有効です。
かゆみがあると、日常生活も、快適に過ごせません。かゆみに、悩まされないように、していきましょう。

腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?

定期検査の検査結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、再発の兆候であることが多いです。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと、言えるかもしれません。

肝臓がんの5年生存率を、実際は、高くすることはできる。

肝臓がんの治療では、いろんな治療法があります。

しかし、遠くの臓器に転移してしまってステージ4の状態になってしまうと、治療の選択肢が、それほど多くはないという問題点が、でてきます。

ある程度の効果が期待される薬物療法は、以下の3つです。

レンビマ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ

上の3つの中で、切れ味がよいのは、レンビマのみです。

それ以外の薬剤は、それほど切れ味が、よいわけではありません。

切れ味のよい薬剤がレンビマしかないことを考慮すると、標準的な治療法以外の治療も、常に念頭に入れることも、大切です。

例えば、以下のようなことです。

  • 治験
  • 東洋医学(漢方など)
  • 放射線治療

そのことが、より長期間に渡って、がんを抑えることに、つながります。


さて、上記のデータは、2007年から2009年の間に、肝臓がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

以前に比べれば、肝臓がんの治療効果は、高っているのです。

さらに、今後は、欧米ではすでに認可されている、オプジーボといった免疫チェックポイント阻害薬も、日本でも用いることが、できるようになるでしょう。

そうなれば、さらに、治療成績が良くなることが、期待されます。

さて、ステージ4でも、画像上、がんが、指摘できない状態に持っていく事ができるケースもあります。

肝臓がんよりも、難治とされる膵臓がんの事例で、御説明いたします。

肝臓転移があり、ステージ4の診断。抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。

しかし、膵癌のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。

お腹の中を手術で見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。

最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。

ステージ4と言われても、克服することができることがあることも、忘れてはいけません。

抗がん剤、放射線療法の効果を、増強させることは、できる。

抗がん剤治療や放射線治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。

よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

保険診療で受けることも、できます。

東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。


一方で、これらの治療は、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、その治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。

私も、以前は、そのように感じていました。

しかし、それらの効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つと確信しました。

幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。

大切なところなので、もう一度、書きます。

病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。その治療法に、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった枝葉をつけると、もっとよいです。副作用を減らすことにも、つながります。

あなたの今の治療に、簡単に取り入れられることを、つけ加えていきましょう。

ステージ4の肝臓がんを、さらに抑えていくことに、なります。

肝臓がんに、免疫療法は、効果があるのか?

免疫療法には、2種類あります。1つ目は、保険診療で認可されている免疫チェックポイント阻害薬のことです。例えば、オプジーボといった薬剤です。

そして、ここでお話しするのは、自由診療で用いられる免疫療法です。リンパ球や樹状細胞といった免疫に寄与する細胞を、あなたの体のなかに、注入する治療のことです。

「データが乏しく、値段も高く、効果もほとんどない」と主張される医師は、多いです。

しかし、本当なのでしょうか?

ここでは、詳細は割愛しますが、結論から言うと、「抗がん剤と併用することによって、がんを非常に縮小させることのできること」は、頻度は低いながら、あります。

そうである以上、一部の方には、有効な治療法であると考えるのが妥当です。

抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。

抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

その他、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、心臓への影響として動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療の中断を検討することもあります。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあるのです。

そのようなことは、寿命が短くなることにも、つながります。

あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。あなたが、伝えないと主治医に分かってもらえない副作用があるのです。

副作用対策をしてもらいましょう。

最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く吐き気止めが、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるようになってきています。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けられている方がいらっしゃるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
主治医が副作用対策を熟知していない。

本来であれば悩まなくてもよい症状に、悩まされることは、多いです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。どうしても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。

私の外来にも、そのようなお悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が投与されていることがありることです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、なんらかの理由で体重が減ったにも関わらず、従来の体重の量で計算された抗がん剤の量が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1kg程度の増減は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の増減のときは、主治医に伝えるべきです。

例えば、通常、成人には体重にあわせてレンビマという薬剤は、体重60kg以上の場合は12mg、体重60kg未満の場合は8mgを1日1回飲むことになっています。

しかし副作用のために体重が減って、60キロ未満になっても、体重が減る前の用量である12mgを飲み続けていることもあります。

体重は、しっかりと、主治医に伝えましょう。

そのためには、主治医との会話を大切にしないといけません。主治医とのコミュニケーションのコツは、私の著書でも、述べています。

注意点として、辛い事を、伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

主治医とうまくコミュニケーションをとるコツは、学んでおくと良いでしょう。

 

転移した部位に合わせた特殊な治療法と症状

リンパ節転移と症状

一方で、広い範囲に転移している場合のリンパ節転移は、手術で取り除くことは、不可能であり、ステージ4の診断となります。その場合は、ステージ4の治療に準じた治療、つまり抗がん剤治療が中心となります。

リンパ節転移が、一部分だけにとどまるときは、放射線治療を検討することもあります。

また、症状としては、大きく腫れたリンパ節が、神経に触れると、痛みがでます。腫大したリンパ節が、臓器を圧排すれば、それに伴う症状が出ます。例えば、転移して腫大したリンパ節が、胆汁の流れ道を、押しつぶせば、黄疸が出現するといった感じです。

どの部位のリンパ節に転移して、さらにそのリンパ節がどの程度、腫れるかによって、症状は異なります。

腹膜播種と症状

お腹の中に、腹膜という部位があります。そこに、種がまかれるように、バラバラと、がんが広がることです。ステージ4に該当します。ステージ4の治療に準じた治療、つまり抗がん剤治療が中心となります。

腹水がたまると、浮腫がでたり、お腹がパンパンになります。

腹膜播種が進むと、腹膜というお腹の膜に炎症がおこり、腹水がたまります。それがひどくなると、お腹がパンパンになったり、手足がむくみます。そのような時には、小さな針をお腹に一時的にさして、腹水を抜きます。

注意点として、腹水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうということです。

そのことを避けるために、腹水を抜いた後に、腹水を「ろ過+濃縮」して、腹水の中の栄養分だけを体内に戻す、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。

骨転移と症状

肝臓がんは、骨に転移しやすいがんです。

再発の場合も、骨転移として再発するケースが、多いです。症状としては、骨の痛みや、骨折です。

さて、骨転移に対する治療としては、薬物療法と、放射線治療です。

薬物療法では、骨粗しょう症の治療薬を用います。骨の転移による骨折を予防するためです。具体的には、ビスフォスフォネート製剤やデノスマブという名称の薬を服用します。

放射線治療では、痛みの緩和や、骨折の危険性が高い場合に、行われます。

同時にステージ4や再発に準じた薬物療法(抗がん剤治療)になります。

脳転移と症状

脳転移には、放射線治療による効果が期待できます。

脳全体に放射線を照射する「全脳照射」と、転移がある部分にのみ放射線を照射する「定位放射線治療」があります。転移の個数が少ない場合は、「定位放射線治療」になります。転移の数が多い場合は、「全脳照射」になります。

「全脳照射」に「定位放射線治療」が併用されることもあります。同時にステージ4に準じた薬物療法(抗がん剤治療)になります。ちなみに、「定位放射線治療」は、ピンポイント照射と言われ、高用量の放射線を当てます。

その治療により、脳に転移したがんを、完全に消すこともできます。

脳転移の症状は,頭痛,嘔吐,麻痺,けいれんなどですが,転移する場所によっても症状が異なります。また、小さな転移巣でもけいれんなどの症状が出ることもあれば,相当大きくなるまで症状が出ない場合もあります。

 肝臓がんステージ4や再発の肝臓がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?

「ステージ4、再発=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

また、ステージ4(もしくは再発)にも、いろんな状況が想定されます。

肝臓に1つだけ再発した方
肺や骨に無数の転移のある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方

上記の通り、ステージ4(もしくは再発)といっても、いろんな段階があるのです。

ステージ4や、再発であっても、寛解にもってこれることも、あるのです。

さて、ここでは、効果の期待できる抗がん剤治療が提案することができない段階の対応について、詳しくお伝えします。

このような段階は、病気に伴う心と体の痛みを和らげる治療、つまり緩和医療が中心となります。

痛みがあるときは、痛み止めの薬の量を調節する。
精神的に落ち込んでいるときは、カウンセリングを受けたり、抗うつ薬の量を調節する。

そのような治療を中心に行います。

もちろん、がんと診断された時期から、上記のことを、同時並行で行っています。「効果の期待できる抗がん剤治療が提案できない段階」は、そのことを、より強化していくということです。

緩和医療を受けていただくことも、より長く生きていくことにつながることは、証明されています。

抗がん剤、手術、放射線治療だけが、より長く生きていくための治療ではないことを忘れてはいけません。抗がん剤、手術、放射線治療を受けなくても、体調を整えることを心がけるだけでも、より長く生きていくことに、つながります。

漢方や薬膳的な食事といった東洋医学も、取り入れるべき価値のあることです。

そして、毎日の生活に、楽しみを持ちながら、生活できるようにしましょう。

ここまでについて、いかがでしょうか?

肝臓がんの治療の概要を分かっていただけたでしょうか?

あなたが、ちょっとした工夫を取り入れるだけで、肝臓がんによる症状が楽になることもあります。

そして、肝臓がんを、もっと小さくしていけます。

そのために、知っていてほしいことを、こちらに公開しています。

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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