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子宮体がんのステージ4でも楽に余命を伸ばす!再発しても打ち勝つ治療を医師が解説

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療専門医として、小樽協会病院という総合病院で勤務しています。

さて、今日は、子宮体がんについてのお話です。

子宮頸がんで、ステージ4や再発といった状況ですと、長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。

油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方は、いらっしゃいます。

たとえ、抗がん剤治療ができないような、末期の状態であっても、よりよい状態にもっていくことは、できます。余命宣告をされていたとしても、余命をさらに伸ばすことは、できるのです。

また、あなたが副作用で苦しんでいるとしても、もっと楽に治療を受けられます。

そして、ステージ4の子宮体がんを克服する確率を、跳ね上げて、いきましょう。

そこで、私の17年間のがん治療の経験を踏まえて、あなたの悩みの解決の手助けになることを、書いていきます。

目次

ステージ4や再発の子宮体がんにおける、抗がん剤治療の役目とは?

ステージ4の子宮体がんの場合

以下のような状態になると、ステージ4と診断されます。

  • がんが骨盤を越えて別の部位へ広がる
  • 膀胱や腸の粘膜に食いこんでいる
  • 遠くの臓器(肺、肝臓、腹腔内など)に転移がある

手術で、がんを全て取り除くことはできません。

そこで、抗がん剤治療が中心となります。状況によっては、放射線治療を、加える事もあります。

それらの治療により、がんが縮小して、完治を目指せる状況になれば、手術に踏み切ることになります。

そのような状況にもってこれれば、根治もしくは、長期にわたるがんの制御の可能性が、見込まれます。

がんが、遠くの臓器に転移していても、転移の数が多くなければ、「手術でがんを、取り除けるだけ取り除いた後に、抗がん剤で治療する」ことも、あります。

また、ステージ4のがんであっても、子宮だけを切除することが、あります。

がんを治すために子宮を切除するのではなく、「子宮のところにあるがんが、今後大きくなることによって、引き起こされる症状を、抑えること」を目的とします。

子宮体がんの再発の場合

再発の場合は、腟、骨盤、遠くの臓器(肺や肝臓など)に転移します。

体に負担が少なく、取り除けるならば、手術が選択されます。放射線治療になることもあります。その上で、抗がん剤治療を受けることにより、再び再発しないようにしていきます。

アメリカのガイドラインによると、放射線治療の適応のある腟への再発の場合は、5年生存率が70%とされています。

再発だから、治らないというわけでは、ないのです。

ステージ4、再発をした子宮体がんの抗がん剤は、どのくらいの効果がある?

効き目が強く、切れ味のある抗がん剤から、そうでないものもある。

子宮体がんは、抗がん剤が、比較的効きやすいがんです。

一番初めに用いられる抗がん剤は、以下の組み合わせであることが多いです。

パクリタキセル+カルボプラチン

この組み合わせの抗がん剤は、とても効き目が強いです。

しかし、この治療を長期間行うと、次第に効果が弱くなります。

そのような場合は、そのときの体力などを考慮し、以下の薬剤のどれかに、変更することが、多いです。

  • ドキソルビビン+シスプラチン
  • ドキソルビシン
  • ドセタキセル
  • エンドキサン

しかし、薬の効果としては、初回に用いた薬「パクリタキセル+カルボプラチン」ほどの効果は期待できません。

2番手以降の抗がん剤は、効き目を考えると、治療に手詰まり感を感じます。

そのような段階では、標準的な治療法以外の治療も、検討すべきです。

遺伝子検査をして、何らかの分子標的薬を用いられないかを調べるのも良いでしょう。治験を受けることも、選択肢の1つにあがります。

ちなみに、「パクリタキセル+カルボプラチン」や「ドキソルビビン+シスプラチン」は、ある程度の体力がないと、受けることができない治療です。

従って、副作用に耐えられる体力を維持することが、非常に重要になります。

副作用に耐えられる体力がない方は、無理をしてまで、抗がん剤を受けるべきではないとも言えます。逆に、寿命を短くすることに、なりかねないからです。

また、抗がん剤治療に手詰まり感がでれば、こちらの治療法も、検討することになります。

抗がん剤治療の効果は、どのように確認する?

2ヶ月間ほど、治療を行った上で、抗がん剤の治療効果を確認します。

CTや、腫瘍マーカーの数値で、がんの成長が抑えられていれば、抗がん剤の効果はあると判定されます。

がんの勢いが強く、切羽詰まった状態の時もあります。その場合は、2ヶ月よりもっと短い期間で、抗がん剤の効果判定をします。

適切なタイミングで、抗がん剤の効果の判定をすることが大切なのです。

適切なタイミングで、やってもらえるかは、医師の腕による部分も、多いところです。

「もっと早い段階で抗がん剤の効果判定を行い、別の抗がん剤に、変更しておけば、もっと長く元気に過ごすことができたかもしれない。」ということも、あるということです。

そして、一部の人は、劇的に効いて、完治を目指すことができるくらいに、なることもあります。

だからこそ、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。

腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?

定期検査の検査結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、がん細胞が増殖している兆候です。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインとなります。

子宮体がんの5年生存率を、高くすることはできる。

子宮体がんの治療では、標準的な治療以外の治療も、常に念頭に入れてることも、大切です。

そのことにより、より長期間に渡って、がんを抑えることが、できるようになります。

さて、上記のデータは、2006年から2008年の間に、子宮体がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

5年生存率は、このデータに基づいて、説明されることが多いです。

10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

以前に比べれば、子宮体がんの治療効果は、高っているのです。

子宮体がんのステージ4は余命を数える段階?

ステージ4であっても、数年にわたって、元気にされている人はいます。中には、完治に持ってこれるケースもあります。

一方で、全身に転移して食事もほとんど食べられない状態のステージ4ですと、数週間しか生きられない人もいます。

結果として、子宮体がんステージ4の5年生存率は約17パーセントとなります。

そして、工夫をすることにより、さらに、生存期間を伸ばせることは、様々な医学データから判明しています。

さて、なかには、ステージ4でも、画像上、がんが、指摘できない状態に持っていく事ができるケースもあります。1つ事例をあげます。

ステージ4でも治ることがあるということを示すために、子宮体がんよりも、難治性のがんである膵臓がんを例にだして、お話しします。

肝臓転移があり、ステージ4の診断。抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。

しかし、すい臓のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。

お腹の中を手術で見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。

最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。

今回は、膵臓がんを例に説明しましたが、子宮体がんのステージ4でも完治する方はいるのです。

さて、このような、良い治療結果にしていくためには、病院の治療だけを受けていれば良いわけではありません。

子宮体がんのステージ4でも、余命を伸ばす方法は、他にもあります。

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抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。

抗がん剤治療や放射線治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。

例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。

よりよい治療結果につながるというデータは、複数あります。

保険診療で、ハイパーサーミアを受けることができるケースが多いです。

以下のような機械で、病巣を加熱します。

また、東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

たとえば、漢方薬の内服は、東洋医学における代表的な治療法です。

エキス顆粒の漢方や、タブレット状の漢方であれば、水と一緒に飲むだけです。

煎じる漢方の場合は、以下のような漢方を、ヤカンなどで煮出して、煮出した液体だけを飲みます。

購入に関してですが、保険診療の中で処方してもらえる、漢方もあれば、保険の効かない漢方もあります。

保険の効かないような、特殊な漢方は、漢方薬局で購入することになります。

一方で、漢方やハイパーサミアは、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、これらの治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。

私も、以前は、そのように感じていました。

しかし、効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つと確信しました。

以下のような事例が、あります。

再発した子宮がんに対して、抗がん剤と放射線治療を行うものの、がんは、増大してしまう。

そこで、2種類の漢方を追加する。

その結果、腫瘍マーカーは下がり、がんも、縮小する。

 

漢方は、非常に有効な治療手段です。

さて、幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。

大切なところなので、もう一度、書きます。

病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。その治療法を軸にしつつ、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった枝葉をつけると、もっとよいです。

副作用を減らすことにも、つながります。

あなたの今の治療に、簡単に取り入れられる漢方に関しても、こちらで学ぶことができます。

私、加藤隆佑が、このような治療法を取り入れたきっかけとは?

私は、医師として、17年のキャリアがあります。

西洋医学のトレーニングを徹底的に受けました。

しかし、専門医をとり、ある程度のことができるようになった頃より、がんの治療に、大きな疑問を感じるようになりました。

治療の結果、副作用に悩まされる人が大勢いる。ベストの治療をしても、患者さんは、必ずしも幸せになってくれない。

さらに、患者さんだけでなく、家族もとても辛い思いをしている方が多い。

病院では治療だけで、心のケアをしてくれる人がいない。

 

このような思いに、悩まされるように、なったのです。そこで、いろんな治療法を勉強しました。

患者さんや、そのご家族の不安を取り除くための、カウンセリングのトレーニングを受けました。

また、いろんな治療法を学ぶ過程で、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアは効果があり、再現性のある治療法であることを、知ることができました。

このような経緯があり、現在は、西洋医学に、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアを組み込んだ治療を、提案しています。

たとえ、ステージ4のがんであったとしても、完治にもっていく確率をあげることができます。

私の情報発信は、一人でも多くの方に、このことを伝えるための、挑戦でもあります。

そして、がんになっても、毎日の生活に楽しみを持ちながら、生活を送って欲しいと思います。

遺伝子検査は、効果があるのか?

手術の検体や採血で、がん細胞の遺伝子を調べます。その遺伝子の結果から、あなたに有効かもしれないお薬を、知ることができます。

例えば、遺伝子検査をした結果、以下のような結果がでたとします。

BRAFV600変異陽性

この場合は、エリブリンという抗がん剤が、有効かもしれないということに、なります。

ちなみに、エリブリンは、子宮体がんでは、保険診療ないで用いることができない薬剤です。

従って、エリブリンで治療をすることになったとしても、全額自費になるという問題はあるのですが、遺伝子検査を通して、あなたのがんを抑える新たな薬剤が判明するかもしれないのです。

抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。

抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

また、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、心臓への影響として動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療を中断します。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあるのです。

寿命が短くなることに、つながります。

そのようなことを避けるために、あなたが辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。そして、副作用を、取り除いてもらいましょう。

幸いにも、最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く吐き気止めを、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるように、なりました。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら、治療を受けられている方がいらっしゃるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

  • 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
  • 主治医が副作用対策を熟知していない。

本来であれば悩まなくてもよい副作用に、悩まされる人は、多いです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。コミュニケーションをとっても、副作用をしっかり取り除いてもらえない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を聞きましょう。

私の外来にも、そのような悩みで、受診される方は、いらっしゃいます。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が投与されていることがありることです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、体重が減ったにも関わらず、減る前の体重から計算された量の抗がん剤が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1キロ程度の増減は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の増減のときは、主治医に伝えるべきです。

抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。

エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。

データの数は少ないのですが、その効果を実感して、エレンタールを利用している病院も複数あります。

私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。

ちなみに、私は、これまで2冊の本を出版させていただきました。

そして、どちらの本にも、エレンタールの効果のことを、書いています。

 

諦めないでいろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法があるものです。

ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかりリサーチします。

そして、再現性が高く、効果があるものは、ブログなどで、書いています。

標準的な治療だけが、治療でないことは、知っておいて欲しいです。

抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。

抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。

最近になって、非常に効果のある、吐き気止めが、でたからです。

しかし、その薬を主治医が適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。

そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐと、よいでしょう。

また、あなたが、吐き気で辛い事を、伝えたつもりでも、伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。体力の低下につながるので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、多くのケースで、解決できます。

抗がん剤によるしびれは、もっと楽にできます。

子宮体がんで、よく用いられる抗がん剤はパクリタキセル、ドセタキセル、カルボプラチン、シスプラチンのどれかです。これらの薬剤で、特に注意しないといけない副作用があります。

それは、しびれです。専門用語では、末梢神経障害と呼ばれます。

後遺症としてしびれが残り、自分で歩く事が困難になったり、ボタンを自分でつけれなくなることもあります。

しびれに関しては、適切な対処が必要です。

主治医には、しびれがでたときには、報告して、適切な対処をしてもらいましょう。

しかし、しびれは、病院から提案される治療方法では、十分に改善しないことが、多いです。そのような場合でも、しびれを改善させる方法は、あります。

しびれをとる特殊な漢方があるのです。

また、しびれが、出現しないようにする予防法もあります。

転移した部位に合わせた特殊な治療法と症状

肝転移と症状

肝臓に転移している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。

以下のような状態のことです。

もし、肝臓への転移の数が少数であり、肝臓への転移の状態が長期間にわたって落ち着いているときは、放射線治療が検討されることもあります。

次に症状に関してですが、「転移したがんが、肝臓の大半を、占拠した段階」に至ってから、肝転移による症状が、でることが多いです。

例えば、黄疸といった症状です。

また、採血で肝機能障害が出現した時に、「肝臓の転移が、悪化したのであろう」と心配される方が多いですが、そうではありません。

大半のケースにおいて、抗がん剤などによる肝機能障害か、「転移したがんが、胆管という胆汁の流れ道を塞ぐこと」が、原因となっています。

リンパ節転移と症状

広い範囲に転移している場合のリンパ節転移は、抗がん剤治療が中心となります。

以下のような状態のことです。

次に症状に関してですが、大きく腫れたリンパ節が、神経に触れると、痛みがでます。腫大したリンパ節が、臓器を圧排すれば、それに伴う症状が出ます。

例えば、転移して腫大したリンパ節が、胆汁の流れ道を、押しつぶせば、黄疸が出現するといった感じです。

どの部位のリンパ節に転移して、さらにそのリンパ節がどの程度、腫れるかによって、症状は異なります。

腹膜播種と症状

腹膜とは、お腹の中の内臓を覆う膜のことです。そして、下の図の青の矢印のように、腹膜にがん細胞が散らばり、増殖することを、腹膜播種と呼びます。

手術で取り除けないので、抗がん剤治療が中心となります。

さて、抗がん剤で制御がうまくいかない腹膜播種を制御するための、特殊な治療法があります。

お腹の中に、直接抗がん剤を投与するという方法です。腹腔内化学療法と言われます。腹腔内のがん細胞を制御するのに、有効な治療法です。

それによって、腹膜播種が綺麗に、消失するケースも、珍しくありません。

問題点として、この治療法が広く普及はしておらず、一部の施設でしか行われていないことです。

子宮体がんにより、腹水多量で、お腹がパンパンになったときの治療法

腹膜播種がひどい状況になると、腹水がでます。腹水の量が非常に多いと、食事量が減り、全身の状態が悪くなることがあります。

そのような状況での、抗がん剤治療は、副作用のリスクが高くなるので、慎重に行わないといけません。

前述した腹腔内化学療法は、比較的副作用が少ない治療なので、全身状態が悪く、体力が消耗していても、安心して受けることができます。

また、腹水でお腹が張って辛いという症状をとるために、小さな針をお腹にさして、腹水を抜くことがあります。注意点として、腹水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうということです。

そのことを避けるために、腹水を抜いた後に、腹水を「ろ過+濃縮」して、腹水の中の栄養分だけを体内に戻す、腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。

そうすることにより、体の栄養が抜けてしまうことを避けられます。

厚生労働省から認められており、保険診療内の治療となります。

子宮体がんによる痛みは、もっと、とる事ができる。

子宮体がんの治療を受けるときに、最も大切なことは、症状をとることです。

痛みがあるときは、痛み止めを飲む事になります。なかなかとれない痛みであるならば、モルヒネといった医療用麻薬を用いることに、なります。

痛みをとることを中途半端にして、治療を受けるべきでは、ありません。

痛みがある結果、食事量が減ったり、睡眠不足になって、体力が落ちる事もあります。体力が落ちると、病院の治療に耐えられなくなる事も、珍しくありません。

症状をとること、そして、体調を整えることを、第一目標にしましょう。その上で、病院の治療を受けましょう。

子宮体がんの治療では、その部分が、肝要になります。

ステージ4や再発の子宮体がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?

「ステージ4、再発=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

また、ステージ4(もしくは再発)にも、いろんな状況が想定されます。

肝臓に転移が1つだけある方
肺や肝臓に無数の転移のある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方

上記の通り、ステージ4(もしくは再発)といっても、いろんな段階があるのです。

また、ステージ4や、再発であっても、寛解(画像上、がんを指摘できない状態)にもってこれることも、あります。

さて、子宮体がんのガイドラインと、延べ5000人以上の、がんの方を診療した経験を踏まえて、説明してきました。

最後に、まとめとなりますが、子宮体がんと戦うためには、以下の点に注意が必要です。

  • 抗がん剤治療、放射線治療、手術をバランスよく用いる
  • 病院での治療で、体力を消耗しないようにすること
  • 適切な漢方
  • 適切な食事内容

その結果、子宮体がんによる症状を、楽にできます。

子宮体がんを、もっと小さくしていくことも、できます。

余命宣告をされていたとしても、もっと長く生きることは、できます。そして、子宮体がんに負けない体を作っていきましょう。

そのために、知っておくことがあります。

子宮体がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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