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ドセタキセルの副作用である浮腫を解決する方法を医師が解説

こんにちは。加藤隆佑です。

本日は、ドセタキセルの副作用の1つである浮腫の解決法についてお話していきますね。

ドセタキセルの浮腫によって、以下のような症状に悩まされる方がいらっしゃいます。

・手足がむくむ。

・起床時は顔のむくみがひどく、夕方にかけて下肢の浮腫みが強くなる

人によって、浮腫の症状は千差万別なのですが、浮腫むことにより、日常生活の活動が制限されることは、共通します。

そして、浮腫を改善する方法は、あります。

ドセタキセルによる浮腫の発生頻度は?

ドセタキセルを受ける人の2人に1人が、浮腫を経験すると言われています。

また、ドセタキセルの総投与量が、300から400mg以上になると、浮腫が出現しやすくなるとも言われています。

具体的には、3コース目あたりから、浮腫に悩まされる人が、次第にふえていくということになります。

なぜならば、ドセタキセルの投与回数が増えるにつれてひどくなるとされています。

さらに、浮腫が原因で、抗がん剤投与を中止するケースが、約3割もあるというデータもあります

それほど、浮腫が日常生活に与える影響が大きいです。

浮腫で悩まされないようするためには?

少ない投与量を繰り返すと、浮腫で悩まされることは多くありません。経験的に、そのように感じます。

たとえば、体表面積あたり60mgであれば、かなり回数を重ねない限り、浮腫には悩まされません。

しかし通常の投与量ですと、浮腫がでやすくなります。

したがって、浮腫がでてきたときには、ドセタキセルの投与量を1段階減量することは重要です。

それ以外には、以下の方法があります。

1、投与夕方から2日間、デキサメタゾン8mgを内服

2、利尿剤の投与(フロセミド、スピロノラクトン)

3、浮腫を減らす漢方

以前に、浮腫で悩まれている方が、利尿剤で落ち着き、治療を継続できた方もいらっしゃいました。

ドセタキセルをやめたら、すぐに浮腫は改善する?

一般的には、2から3ヶ月くらいで、かなり良くなります。

しかし、例外として、ドセタキセルをやめた1か月くらいに、むくみがひどくなることも、あります。

つまり、良くなるのに、タイムラグがあることがあるのです。

さて、がんを克服するためには、いろんな工夫をしないといけません。

そのために、必要なことは、こちらで学ぶことができます。

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