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イリノテカンの下痢・吐き気・嘔吐・脱毛という副作用の対処方法と漢方について

 2018/12/02 抗がん剤と副作用  

こんにちは。加藤隆佑です。

イリノテカンによる副作用を改善することは、できます。

漢方を利用すると、非常に効果的です。

そして、イリノテカンの副作用が出やすい体質の方がいます。その場合は、イリノテカンの投与量を減らす工夫も、しないといけません。

ちなみに、イリノテカンは、以下のがんの治療に用いられています。

大腸がん、胃がん、膵臓がん、卵巣がん、子宮がん、乳がん、肺がんなど

ほとんどのがんに対して、効果が、認められています。

ただし、イリノテカンだけで用いられることは、少ないです。他の抗がん剤と併用して用いることになります。

例えば、大腸がんならば、5-FUと呼ばれる抗がん剤と併用されます。

どのような人が、副作用に悩まれされる?

イリノテカンの副作用に悩まされない人は、全く悩まされなません。一方で、この副作用に悩まされる人は、いろんな工夫をしても、なかなか副作用が取り除けないことも、あります。

その理由は、体質です。もっと詳しくいうと、遺伝子の問題になります。

UGT1A1*6UGT1A1*28の遺伝子が「野生型」であれば、強い副作用が出る可能性は低いです。

「ヘテロ」であれば、副作用に要注意です。

「ホモ」であれば、かなり強い副作用が出ることが予想されますので、抗がん剤の投与は必須です。

「ホモ」の場合は、本来投与する量の半量くらいにしないと副作用が制御できないことは、珍しくありません。

日本人の約10%程がホモです。

この遺伝子検査は、保険診療内でできます。

そして、イリノテカンの副作用は、命に関わることがあります。

ひどい下痢になったり、食事が取れなくなるようなことがあれば、必ず病院に連絡してください。

もちろん、適切に対処していけば、命に関わるようなことにはなりません。

イリノテカンの下痢を改善する方法

投与24時間以内に発症する下痢

イリノテカンによって、腸の動きが亢進することにより下痢になります。下痢だけでなく、流涙や流涎、発汗、鼻汁、疝痛などの症状を伴うことも、あります。

このタイプの下痢の頻度は、それほど高くはありません。

対策は、ブスコパンというお薬を飲むと良いです。

遅発性の下痢

イリノテカン投与4日~10日目をピークに生じる下痢です。

イリノテカンの活性代謝物SN-38という物質が、小腸や大腸の粘膜を障害するために、生じます。

対策として、下痢の回数が普段の排便回数より4回以上増える、あるいは水様便が出るときに、ロペラミド(ロペミン)という下痢止めをを1カプセル服用します。

ちなみに、ロペラミドは服用して1から2時間後に効果が出ます。そして効果のピークは4時間後です。もし服用して4時間しても下痢が続く場合は、ロペラミドをさらに1カプセル服用しましょう。

下痢が出るかもしれないことに備えて、主治医からロペミンという薬をもらっておく必要があります。

下痢を予防する方法

半夏瀉心湯という漢方薬が有効です。

また、アルカリイオン水が有効なことも、あります。

それ以外には、以下のことを心がけて下さい

  • お腹を冷やさない。
  • 肛門を清潔にする
  • 消化のいい食べ物

イリノテカンによる脱毛を改善させる方法

イリノテカンを投与すると、ほとんどの方は、脱毛することになります。

対処法は以下で詳しく説明しております。

抗がん剤の副作用による脱毛の期間や予防法は?そして、ケアの方法と適切なカツラの選び方

イリノテカンによる吐き気、嘔吐の改善方法

さて、吐き気に困っているときは、漢方を足すと、良いです。さらに、主治医が、以下のことをしてくれているかも、チェックしてください。

  • イメンド(内服のお薬)を処方してくれているか?
  • 注射の吐き気止めで、アロキシが入っているか?
  • 抗がん剤投与の翌日と、翌々日に、ステロイドが処方されているか?
  • 上記でも、うまくいかないときは、抗がん剤を減量してくれているか?

以上をチェックして、もし不十分な点があれば、主治医にお願いしましょう。

ガイドラインに準じた対応なので、主治医も、快く対応してくれます。

それでも改善しないときは、オランザピン(製品名は、ジプレキサ)を、抗がん剤投与の、1日目から4日目まで、内服をとよいです。

さて、抗がん剤の副作用は、いろんな工夫で、かなり楽に治療を受けることが、できます。

そのための秘訣は、こちらでも、説明しています。

がん専門医が教える楽にがん治療を受ける方法!

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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