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医療従事者向け:西洋の医療に対して、どのように東洋医学を取り入れるか?

● 医療従事者向け:西洋の医療に対して、どのように東洋医学を取り入れるか?

西洋医学に、東洋医学をたすと、とても楽にがんを治療できます。

漢方を学びたいと思う医師向けに、漢方を診療にどのように取り入れるかについて、私の知っている範囲のことを、簡単に書いてみたいと思います。

漢方の前提は、患者さんに寄り添うことです。

つまり、患者さんに「治療をしてくれる医療従事者に、自分のことを分かってもらえた」と実感してもらうことです。

そのためには、経験だけでなく、テクニックも必要です。

援助的コミュニケーションが必須と考えます。

さらに、医食同源という言葉も忘れてはいけません。

普段の食事を整えると、がん治療の成績も格段に向上します。

さて、漢方や薬膳というと、難しく聞こえるでしょう。いろんな本を読むと、本当に難しいと思われる方も多いはず。

しかし、本当は、とてもシンプルであり、簡単です。

私の話を3時間くらい聞いていただければ、実践できるくらいのシンプルさです。

患者さんであっても、簡単に実践でき、さらに、結果がでる内容です。

さて、漢方を学習する上での注意点を1つあげるならば、書物を読みすぎないことです。

書物はやたらと、簡単なことを難しくかいている傾向があります。著者によって、書いてあることが全く正反対のこともあります。私は、漢方の初学者が、むやみやたらに書籍を読むことをすすめません。

むしろ、ちゃんとした師を持つことの方が大切でしょう。

私も2人の師を持っていますが、ともかくシンプルで分かりやすく教えていただきました。

ちなみに、私のセミナーDVDをみていただければ、患者さんであっても、医師であっても、どのように東洋医学をとりれたら良いかが分かります。

また、漢方や食事療法では、がんを抑えることができないと、主張する医師がいます。彼らは、本来の漢方治療や食事療法の本質を知らないがために、結果が出せていないだけです。

本質を知れば、患者さんのがんを治せます。

緩和ケアにも、漢方は役立つことでしょう。

そして、漢方の知識が分かると、サプリメントを用いた治療も、とてもうまくできるようになります。

注意点としては、漢方や食事療法だけでは、十分ではありません。西洋医療とうまく併用することが前提です。うまく併用するのであれば、漢方も、食事療法も、非常に効果的なのです。

このことに関して、動画でも、とめています。


それ以外にも、簡単なポイントを書いておきます。

●がんが急速に進む場合は、抗がん剤をたすべき。ゆっくりの場合は、漢方+食事療法で十分なケースも多い。

抗がん剤を、半分から1/3くらいの量にしても、漢方をたせば、通常の抗がん剤と同等、もしくはそれ以上の効果を期待できる。

その結果、副作用に悩まされない治療になる。忘れてはいけないことは、薬はさじ加減であること。つまり、個人差がある。実際に薬を投与し、経過をみながら、薬の量を調節することが大切。

治療開始時点から、漢方は加えた方がよい。

末期になってから漢方をたせばよいというのは、間違い。また、がんに伴う症状(咳、腹水など)も、漢方がよく効く。

●漢方によって、抗がん剤の副作用を減らせるケースは多い。

しびれ、食欲不振、浮腫、肝障害、味覚障害、倦怠感、口内炎など。

そして、保険診療外の漢方を併用すると、治療の幅が広がる。そして、多くのそのような漢方は、インターネットなどで、患者さんに、簡単に購入していただける。

理想的には、副作用がでたときには、抗がん剤の量を1段階減量すると同時に、漢方を追加するという対処がよい。

●時間軸でがんの対処法を考える。

長い時間軸(月単位)での治療のターゲットは、がんをいかに抑えるかである。

がんの漢方の診療においては、長い時間軸のみを考慮すれば、良い。

相手の主訴、身長、体重に関する問診と、データ(採血、画像)で対処法は大半が分かる。

ちなみに、短期的な時間軸での治療のターゲットは、体調を整えることである。

●キノコ系をたすことは、大事(免疫力アップ)。

れいし、かいじ、チャーガ、カワラダケ、たもぎだけ、めしまこぶ、やまこぶし、紫シメジ、アガリスク、あぎたけ、まいたけ、はなびらたけ、椎茸など。

ただし、ある程度の量が必要。多くの人は、量が足りていない。

●抗がん性のある漢方を加えることに対する豆知識

はじめに、世間では、抗がん性があるかもしれないと言われているもので、実際は抗がん性がないものを列挙する。

アロエベラ、カラスノエンドウ、カワラヨモギ、ネズミモチ、ニチニチソウ、藤瘤、カシ、菱実、ヨクイニン、マンジェリコン、ボルトジンユ、モリンガ

オオバコ、スベリヒユ、ドクダミ、タラノキ、サンジコ、威霊仙、猫目草、白英、半辺連、リュウキ、ケンジン、サンリョウ

アカネ、イワヒバ、イノモトソウ、カナムグラ、ギシギシ、フヨウ、アゼムシロ、ヘビイチゴ、キツネノマゴ、、アキノタムラソウ、キランソウ、ノニ、ブルーグリーンアルギー、ケイ素、

センプクカ、エキナセア、ハマジシャ、ショウマ、シカシャ、コジョウコン、レンニク、ゴレイシ、カイカ、クセキ、ゲンジン、ソウカクシ、タヒボ、サンズコン、テンキシ、タクシツ、ケンパク、カロコン、オウヤクシ、サンリョウ、リュウキド、セキリュウヒ、カロニン、キョウオウ

この中には、免疫力をアップさせて、がんを抑えるものもあるが、それらは抗がん性があるとは言わない。

次に、抗がん性があるものを列挙する。

(抗がん性が、少ししかないものから、かなりあるものまでを列挙)

またたび、紫根、サルトリイバラ、アカメガシ、純粋種のシモン、ヒメヒオウギズイセン、きのこ系(レイシなど)、くさすぎかずら、ホウセンカ、かにくさ、カギカツラ、青黛、一位葉、白花蛇舌草、半枝連、オウフルギョウ、センカクソウ、ソホウボク、びわの種、莪朮(ガジュツ)

これらをどの程度の量を用いて、どのように組み合わせるかが大切。

私は、アカメガシワ、青黛、一位葉、白花蛇舌草、半枝連、杏仁、純粋種のシモン、大青葉、山豆根、レイシを用いることが多い。

●免疫力を高めるものの代表は、以下の漢方

補中益気湯、人参養英湯、十全大補湯、加味帰脾湯、レイシ、ウサイエン、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸

それ以外の代替医療について。

●免疫療法

臨床試験がちゃんとしたものは少ないが、効く人には、効く。1割程度の方は、受けてよかったと感じてもらえるくらいの結果になる。

データが少ないから免疫療法は効かないという考えは間違い。

しかし、免疫療法を利用してぼったくりをしようとする医師が、一部にいることは、嘆かわしい。

●アルテスネイト、ノスカピン、ジクロロ酢酸ナトリウム、サリドマイドは、がんに効かない。

●つぼ注射は、緩和ケアにも非常に有用

渡邊裕先生の書籍を参考にするとよい。

筋膜リリースも非常に有用。

●温熱療法をたすのもよい。基本は、放射線治療や抗がん剤との併用に意義がある。

 

以上です。

1つ書き忘れましたが、霊性的なこと(スピリチュアリティ)、死生観、宗教的な知識も大切です。

自分なりの考えがあると、よりよい形で、緩和ケアや、死の不安に悩む患者さんと接することができるようになります。

話は脱線してしまいましたが、漢方を通して、患者さんが良くなる経験を積み重ねていくと、漢方の良さがさらに分かり、それが、成長の糧になります。

患者さんが、漢方の最大の先生と言えるのかもしれません。

偉そうなことを書いてしまいましたが、私もまだまだ未熟者であり、引き続き、勉強していきたいと思います。

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