妊娠中の抗がん剤治療について医師が解説
こんにちは。加藤隆佑です。
今日は、妊娠している最中の抗がん剤治療について、まとめてみることにしました。
日本語のサイトでは詳しい情報が少なく、英語のサイトの内容をまとめています。
1000人にがんの方がいれば、そのうちの1人が妊娠している最中に発見され、乳がん、子宮頚がん、甲状腺がん、リンパ腫、悪性黒色腫、性腺腫瘍に多いです。
また、妊娠中にがんになったからといって、それが胎児に転移することはありません。
健全な赤ちゃんを生む事はできます。
ただし、注意点があります。
がんの検査のためのCTは、被爆の点から、注意しないといけません。
ちなみに、MRIやエコーの検査は、胎児に、大きな影響はないと、されています。
治療に関しては、がんが初期の段階であれば、出産が終わるまで待ってもよいとされています。
また、妊娠初期(3ヶ月)までは、胎児への影響が強いため、治療は難しいです。それ以降であれば、比較的安全にできます。
治療の中で最も問題になるのは、抗がん剤です。一部の抗がん剤に関しては、妊娠3ヶ月以降であれば、比較的安全にできるとされています。
抗がん剤が直接胎児に影響を及ばさなくても、抗がん剤によって、母体が貧血になったり、食欲不振になることにより、低体重での出産になることもあるので、注意が必要です。
また出産後も、母乳を与えてはいけないこともあるので、注意が必要です。
予後に関してですが、妊娠していないに見つかった場合と比較して、変わらないとされています。
最後に、妊娠中にがんが見つかった場合には、以下のことを主治医に聞いてください。
1, これまで、妊娠中のがんの治療をどの程度あつかったことがありますか?
2, どのような治療計画で、その治療計画をたてた理由はどのようなものでしょうか?
3, 今すぐ治療をしたほうがよいか、それとも、治療開始は遅らせたほうがよいですか?
4, 治療を送らせることにより、私の予後に影響がありますか?
5, 胎児に長期的に、もしくは短期的に、どのような危険がありますか?
6, 母乳で育てることができますか?
7, 私と、私の家族を支えてくれるサービスは、何かありますか?
抗がん剤治療を妊娠中に受けて、胎児への10年から20年先への影響は全く分かっていません。
そのあたりのことが、早く分かってくれるとよいと思います。