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ロンサーフの大腸がんへの治療効果をアップさせる方法と副作用について

こんにちは。加藤隆佑です。

大腸がんの再発やステージ4の場合は、ロンサーフ(一般名は(トリフルリジン/チピラシル))という飲み薬の抗がん剤が、用いられることがあります。

3次治療以降に用いられます。

そしてロンサーフの治療スケジュールは、以下の通りです。

「1日2回、5日間連続経口投与したのち、2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する」

ロンサーフの効果とは?

1次治療や2次治療では、効果がかなり期待できる抗がん剤が、用いられます。具体的には、以下の通りです。

「オキサリプラチン、イリノテカン、アバスチン、TS-1、ベクティビックス」の中から、何種類かを組み合わせる

そして、3次治療以降は、ロンサーフもしくは、スチバーガが、用いられます。

しかし、それほど劇的な効果が期待できる薬剤では、ありません。

臨床試験においては、約2.4ヶ月生存期間を伸ばすことが、できるという結果でした。

こちらに臨床試験の詳細があります。

ロンサーフの副作用と、スチバーガ(レゴラフェニブ)との比較について

医師の間では、ロンサーフを検討するときに、かならず、スチバーガという選択肢についても、検討します。

どちらを先に用いるのが良いかを、考える必要があるからです。

結論から言いますと、どちらを先に用いても良いです。効果も、ほぼ同じです。

そして、私は、ロンサーフの方が副作用が少ないので、ロンサーフを先に用いることが多いです。

ちなみに、スチバーガで、一番懸念すべき副作用は、手足症候群になります。

ロンサーフで、一番懸念すべき副作用は、好中球減少、白血球減少となります。

幸いにも、好中球減少は工夫をすることにより、かなり制御できます。

副作用の発症頻度の詳細も、以下に記載しておきます。

  • 白血球減少の出現頻度:80%(重度のものは30%)
  • 貧血の出現頻度:60%(重度のものは20%)
  • 血小板減少の出現頻度:40%(重度のものは10%未満)
  • 吐き気や食欲不振の出現頻度:60%(重度のものは10%未満)
  • 疲れやすいという症状の出現頻度:50%(重度のものは10%未満)
  • 下痢の出現頻度:30%未満(重度のものは10%未満)
  • 嘔吐の出現頻度:30%未満(重度のものは10%未満)

ロンサーフの効果を、高める方法とは?

ロンサーフと同時に、アバスチンという血管新生阻害薬を投与すると、より良い治療効果が期待できます。

臨床試験では、以下のような結果が出ています。

・・・・・

主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値を比較すると、以下の通りとなる。

ロンサーフ単剤群2.6ヶ月

ロンサーフ+アバスチン併用群5.9ヶ月

ロンサーフ+アバスチン併用群で、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを49%減少する。

(Per Pfeiffer医師による発表)

・・・・・

以上の結果を踏まえても、検討すべき治療方法でしょう。

さて、ロンサーフを飲む段階になってしまうと、治療の選択肢がなくなってきている段階ともいえます。

そのようなときに、あなたが、今、取り入れていないことで、取り入れられることを、探してみましょう。

少しの工夫で、ドカンとがんを制御できることも、あるのです。

そのために、取り入れるべきことは、こちらです。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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