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肺がんのステージ4でも楽に余命を伸ばす!今すぐ効果がある治療を医師が解説

こんにちは。加藤隆佑です。がん治療専門医として、小樽協会病院という総合病院で勤務しています。

さて、今日は、肺がんの中でも、「腺がん、もしくは扁平上皮がん」に、焦点を絞って、お話していきます。

肺がんで、ステージ4の段階だと、長くは生きられないと、途方にくれているかもしれません。しかし、必ずしも、そうではありません。

油断ができない状況であることは事実ですが、劇的に良くなる方は、いらっしゃいます。

たとえ、抗がん剤治療ができないような、末期の状態であっても、よりよい状態にもっていくことは、できます。余命宣告をされていたとしても、余命をさらに伸ばすことは、できるのです。

また、あなたが、副作用で苦しんでいるならば、もっと楽に治療を受けることも、できるようになります。

希望を持ちつつ、治療を受けていくことはできます。

そして、ステージ4の肺がんを克服する確率を、跳ね上げていきましょう。

そこで、私の18年間のがん治療の経験を踏まえて、肺がんをさらに小さくするために、すべきことを、書いていきます。

目次

ステージ4の肺がんの治療で、抗がん剤治療は本当に必要なのか?

ステージ4の肺がんでは、肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

手術では、がんを、すべて取り除けません。

一方で、抗がん剤であれば、血流にのって、体中にひろがったがん細胞に、がんを倒す薬の成分を、行き渡らせることができます。

うまく抗がん剤が効いてくれると、がんを抑えてくれます。抗がん剤は、必要な治療の1つであることは、明白でしょう。

その治療により、体中に散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることも、あります。

ステージ4の肺がんの抗がん剤治療は、どのくらいの効果がある?

ステージ4の肺がんには、抗がん剤が用いられます。そして、効き目が強い抗がん剤と、そうでない抗がん剤があります。

さらに、最近は、従来からある抗がん剤に加えて、分子標的薬や、免疫チェックポイント阻害薬を、用いられることが、あります。

A, 遺伝子検査の結果、分子標的薬を用いることができると判明した肺がんの場合

はじめは、分子標的薬による治療になります。

具体的には、以下のような治療になります。

EGFRという遺伝子の変異が認められる肺がん

タグリッソ(オシメルチニブ)を用いた治療が、もっとも強く推奨されます。

タグリッソと兄弟的な位置付けにある薬は、以下の4剤です。

  • イレッサ(ゲフィニチブ)
  • タルセバ(エルロチニブ)
  • ジオトリフ(アファチニブ)
  • ダコミチニブ

これらは、チロシンキナーゼ阻害薬と呼ばれます。

これらの薬剤の副作用でよく認められるものは、下痢、爪囲炎、皮疹です。

ラムシルマブという薬を併用することもあります。

この薬剤による治療効果がない場合は、のちほど説明いたしますBの治療法を受けることになります。

つまり、従来からある抗がん剤、もしくは免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療になります。

ALK遺伝子の変異が認められる肺がん

アレセンサ(アレクチニブ)による治療が、強く推奨されます。

体力がない方であっても、安全に受けられる可能性の高い薬です。

アレセンサ(アレクチニブ)と兄弟的な位置付けにある薬は、以下のようなものがあります。

  • ザーコリ(クリゾチニブ)
  • ジカディア(セリチニブ)
  • ローブレナ(ロルラチニブ)

この薬剤による治療効果がない場合は、のちほど説明いたしますBの治療法を受けることになります。

MET遺伝子エクソン14に異常を認める肺がん

テポチニブ(商品名:テプミトコ)による治療が推奨されます。

B, 遺伝子検査の結果、分子標的薬を用いることができないと判明した肺がんの治療

従来からある抗がん剤、もしくは免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療になります。

効果がかなり期待できるお薬で、よく用いられるものは、以下の方法です。

よく用いられる治療法①

キートルーダ+アリムタ(ペメトレキセド)+「カルボプラチンもしくはシスプラチン」

3剤を併用する治療法です。

肺がんの種類が、腺がんの場合に、よく用いられます。

「カルボプラチンもしくはシスプラチン」は体に非常に負担を与えます。したがって、4から6クールこの治療法を受けた後は、「アリムタ(ペメトレキセド)+キートルーダ」だけの治療に移行します。

そうすることにより、体に与える負担を最低限にして、肺がんを抑えることができます。

シスプラチン、カルボプラチンという白金系は強い副作用がでやすい傾向がありますので、副作用に耐えられる体力を維持することが、非常に重要になります。

つまり、副作用に耐えられる体力がない方は、この抗がん剤を受けるべきではありません。逆に、寿命を短くすることに、なりかねないからです。

また、肺がんの顔つきを調べてみると、「PD-L1」というものを、たくさん認める場合があります。

その時は、3剤併用する治療法のかわりに、キイトルーダだけによる治療法も選択肢の1つにあがります。

PD-L1が50%以上あれば、キートルーダ(もしくはテセントリク)による効果を、かなり期待できます。

そして、体への負担は、かなり少ない治療法となります。

ちなみに、キートルーダは免疫チェックポイント阻害薬に分類される薬です。免疫療法の1種になります。

よく用いられる治療法②

キートルーダ+「パクリタキセルもしくはアブラキサン」+カルボプラチン

肺がんの顔つきが「扁平上皮がん」のときに、用いられる治療法になります。

「カルボプラチン」は体に非常に負担を与えます。したがって、4から6クールこの治療法を受けた後は、まったく別の種類の抗がん剤に切り替えられることが多いです。

また、肺がんの顔つきを調べてみて、「PD-L1」というものを、たくさん認める場合があります。

その時は、3剤併用する治療法のかわりに、キイトルーダだけによる治療法も選択肢の1つにあがります。

よく用いられる治療法③

2種類の免疫チェックポイント阻害薬を併用した治療、つまり「オプジーボ+ヤーボイ」による治療も認可されました。

 Bの治療法の効果を期待できなくなった場合の治療法は?

以下のうちの、どれかになることが多いです。

  • TS-1
  • オプジーボもしくはテセントリク
  • ドセタキセル+サイラムザ(もしくはアブラキサン )

そして、これらのうちの、どれかしか治療の選択肢が残っていないならば、治療の手詰まり感は、否めません。

そして、治療の選択肢が、完全になくなったときには、こちらの治療法を検討することになります。

免疫チェックポイント阻害薬の効果は、どの程度か?

キートルーダは免疫チェックポイント阻害薬という薬に該当します。

免疫系の細胞に働きかける薬剤です。

それ以外にも、以下の薬も、免疫チェックポイント阻害薬になります。

  • オプジーボ
  • テセントリク(アテゾリズマブ)

一部の方には、免疫チェックポイント阻害薬が、副作用も少なく、非常に長期間効いて、劇的にがんが縮小することもあります。

1つ事例を提示します。

65歳の男性

抗がん剤治療をしていたが、それらの効果がなくなり、2013年より免疫チェックポイント阻害薬を投与。

2018年現在も、縮小の状態を維持。

 

免疫チェックポイント阻害薬は、一部の方には非常に効果があるのです。

抗がん剤の治療効果を、どのように判定する?

2ヶ月間ほど、治療を行った上で、抗がん剤の治療効果を確認します。

CTや、腫瘍マーカーの数値で、がんの増殖が抑えられていれば、抗がん剤の効果はあると判定されます。

がんの勢いが強く、切羽詰まった状態の時もあります。その場合は、2ヶ月よりもっと短い期間で、抗がん剤の効果判定をします。

適切なタイミングで、抗がん剤の効果の判定をすることが大切なのです。

適切なタイミングで、やってもらえるかは、医師の腕による部分も、多いところです。

「もっと早い段階で抗がん剤の効果判定を行い、別の抗がん剤を変更しておけば、もっと長く元気に過ごすことができたかもしれない。」ということも、あるということです。

また、一部の人は、劇的に効いて、手術ができるくらいになることもあります。

だからこそ、治らないと決めつけないで、治療を受けるというスタンスは必要です。

腫瘍マーカーが増加してきたら、どうしたらよい?

抗がん剤治療を受けている最中の定期検査の結果で、腫瘍マーカーが少し上昇することがあります。腫瘍マーカが少し上がった程度では、不安に思う必要はありません。

しかし、右肩上がりに上昇する場合は、注意が必要です。

たとえ、正常域内であったとしても、右肩上がりに数値が上昇するときは、がんが増殖してきている兆候です。

治療に、なんらかの工夫を付け加えないといけないサインと言えます。

肺がんの5年生存率を、もっと高くできる。

肺がんの治療では、標準的な治療法以外の治療も、常に念頭に入れてることも、大切です。

そのことが、より長期間に渡って、がんを抑えることに、つながります。

さて、上記のデータは、2006年から2008年の間に、肺がんの診断や治療を受けた患者様に基づいたデータです。

5年生存率の説明をするときには、このデータを用いて、説明されることが多いです。

つまり、10年前の治療に基づくものですので、現在の発達した治療であれば、よりよい治療成績になっています。

以前に比べれば、肺がんの治療効果は、高くなっているのです。

肺がんのステージ4は余命を数える段階?

ステージ4であっても、数年にわたって、元気にされている人はいます。中には、完治に持ってこれるケースもあります。

一方で、全身に転移して食事もほとんど食べられない状態のステージ4ですと、数週間しか生きられない人もいます。

結果として、肺がんステージ4の生存期間の中央値は、以下の通りとなります。

  • EGFR遺伝子の変異なし 13.9ヶ月
  • EGFR遺伝子の変異あり 30ヶ月

そして、工夫をすることにより、さらに、生存期間を伸ばせることは、様々な医学データから判明しています。

さて、なかには、ステージ4でも、画像上、がんが、指摘できない状態に持っていく事ができるケースもあります。1つ事例をあげます。

ステージ4でも治ることがあることを示すために、肺がんよりも、難治性のがんである膵臓がんを例にだして、お話しします。

肝臓に転移があり、ステージ4の診断。

抗がん剤治療で、肝臓の転移は消失。

しかし、すい臓のがんの部分は、大血管を巻き込んでいて、手術では、とれない状態。しかし、これ以上の抗がん剤治療の継続は困難であり、手術を試みることになる。

手術で、お腹の中を見てみると、血管を巻き込んでいる部分は、がんではなく、治療により繊維化した部分であることが、判明。

最終的に、手術で、がんを取り除くことができる。

 

今回は、膵臓がんを例に説明しましたが、肺がんのステージ4でも完治する方はいるのです。

さて、このような、良い治療結果にしていくためには、病院の治療だけを受けていれば良いわけではありません。

肺がんのステージ4でも、余命を伸ばす方法は、他にもあります。

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抗がん剤の効果を、増強させることは、できる。

抗がん剤治療や放射線治療の効果を、よりよいものに、することは、できます。

例えば、ハイパーサーミア(温熱療法)を併用することも、よいでしょう。

よりよい治療結果につながるというデータは、複数あります。

保険診療で、ハイパーサーミアを受けることができるケースが多いです。

以下のような機械で、病巣を加熱します。

また、東洋医学を併用すると、よりよい治療結果につながるというデータも、複数あります。

たとえば、漢方薬の内服は、東洋医学における代表的な治療法です。

エキス顆粒の漢方や、タブレット状の漢方であれば、水と一緒に飲むだけです。

煎じる漢方の場合は、以下のような漢方を、ヤカンなどで煮出して、煮出した液体だけを飲みます。

購入に関してですが、保険診療の中で処方してもらえる、漢方もあれば、保険の効かない漢方もあります。

保険の効かないような、特殊な漢方は、漢方薬局で購入することになります。

一方で、漢方やハイパーサミアは、十分に普及していないのも、事実です。主治医は、これらの治療のことを知らないがために、「そんな治療は、役に立たない」と言われる方も、います。

私も、以前は、そのように感じていました。

しかし、効果を肌身で感じてからは、「ハイパーサーミア」や「漢方」は、非常に有効な治療の1つと確信しました。

子宮がんの事例になりますが、以下のような事例が、あります。

再発した子宮頸がんに対して、抗がん剤と放射線治療を行うものの、がんは、増大してしまう。

そこで、2種類の漢方を追加する。

その結果、腫瘍マーカーは下がり、がんも、縮小する。

 

今回ご紹介した事例は、子宮がんでしたが、肺がんであっても、漢方は、非常に有効な治療手段です。

さて、幸いなことに、最近は、漢方に理解を示してくれる医師が、増えてきています。

大切なところなので、もう一度、書きます。

病院の治療は、データも豊富であり、重要な治療法であることは、事実です。その治療法を軸にしつつ、「ハイパーサーミア」や「漢方」といった枝葉をつけると、もっとよいです。

副作用を減らすことにも、つながります。

あなたの今の治療に、簡単に取り入れられる漢方に関しても、こちらで学ぶことができます。

私、加藤隆佑が、このような治療法を取り入れたきっかけとは?

私は、医師として、17年のキャリアがあります。

西洋医学のトレーニングを徹底的に受けました。

しかし、専門医をとり、ある程度のことができるようになった頃より、がんの治療に、大きな疑問を感じるようになりました。

治療の結果、副作用に悩まされる人が大勢いる。ベストの治療をしても、患者さんは、必ずしも幸せになってくれない。

さらに、患者さんだけでなく、家族もとても辛い思いをしている方が多い。

病院では治療だけで、心のケアをしてくれる人がいない。

 

このような思いに、悩まされるように、なったのです。そこで、いろんな治療法を勉強しました。

患者さんや、そのご家族の不安を取り除くための、カウンセリングのトレーニングを受けました。

また、いろんな治療法を学ぶ過程で、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアは効果があり、再現性のある治療法であることを、知ることができました。

このような経緯があり、現在は、西洋医学に、漢方、食事療法、そしてハイパーサーミアを組み込んだ治療を、提案しています。

たとえ、ステージ4のがんであったとしても、完治にもっていく確率をあげることができます。

私の情報発信は、一人でも多くの方に、このことを伝えるための、挑戦でもあります。

そして、がんになっても、毎日の生活に楽しみを持ちながら、生活を送って欲しいと思います。

抗がん剤の副作用を、もっと取り除くことが、できる。

抗がん剤の副作用で、寿命が短くなることがある。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えます。

特に髪の毛、口や消化管などの粘膜、あるいは血球をつくる骨髄は、影響を受けやすいです。その結果、脱毛、口内炎、下痢が起こったり、白血球の数が少なくなることがあります。

その他、全身のだるさ、吐き気、手足のはれ、しびれ、動悸(どうき)、肝機能障害、腎機能障害が出ることもあります。

こうした副作用が、どの程度出るかに関しては、個人差があります。

副作用が著しい場合には、抗がん剤の量を減らしたり、抗がん剤治療を中断します。

副作用がひどいと、体力を消耗するからです。高齢の方ですと、そのことがきっかけで、寝たきりになることもあります。

寿命が短くなることになります。

そのようなことを避けるために、あなたが、辛いと思っている副作用を、主治医に、しっかり伝えましょう。そして、副作用を取り除いてもらいましょう。

幸いなことに、最近は副作用を、かなり取り除けるようになっていますよ。

抗がん剤の副作用を取り除くために、◯◯を伝えないといけない。

例えば、以前は、吐き気で悩まれる方が、非常に多かったです。しかし、最近は、そのようなことは、減りました。非常によく効く、吐き気止めの薬が、使えるようになったからです。

以前とは、比べものにならないくらいに、吐き気に悩まされずに、治療を受けられるようになってきています。

そのような事実があるにもかかわらず、吐き気に悩まされながら治療を受けられている方がいるのも、事実です。

その原因として、以下の理由があげられます。

  • 副作用で苦しんでいることを、主治医が把握できていない。
  • 主治医が、副作用対策を、熟知していない。

その結果、本来であれば悩まなくてもよい副作用に、悩まされることが、あるのです。

普段から、医師とのコミュニケーションを、しっかりとることが、必要です。コミュニケーションをとっても、副作用がとれない場合は、セカンドオピニオンで、他の医師の意見を仰ぎましょう。

私の外来にも、そのような悩みで、受診される方は、います。

副作用の原因で、もう一つ忘れてはいけない理由は、過剰な量の抗がん剤が投与されていることがあることです。

もう少し具体的にお伝えします。

抗がん剤は、体重と身長から、投与量を計算しますので、体重が減ったならば、抗がん剤の量を、減量しないといけません。

しかし、体重が減ったにも関わらず、減る前の体重から計算された量の抗がん剤が、投与されていることがあるのです。

それは、過剰な量の抗がん剤になり、強い副作用がでることになります。

体重の1キロ程度の減少は、気にしなくてもよいですが、それ以上の体重の減少のときは、主治医に伝えるべきです。

それ以外にも、副作用を回避するためには、いろんな工夫が必要です。

そして、抗がん剤で体が弱り、治療を受けた事を後悔する事だけは、避けないといけません。

そのためにも、無料メール講座の内容を実践して欲しいです。

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抗がん剤による口内炎は、もっと楽にできます。

エレンタールという栄養ドリンクがあります。これを飲むと、抗がん剤によってできる口内炎を減らすことができるというデータがあります。

データの数は少ないのですが、その効果を実感して、エレンタールを利用している病院も複数あります。

私もエレンタールの効果に驚き、よく用います。

ちなみに、私は、これまで2冊の本を出版させていただきました。

そして、どちらの本にも、エレンタールの効果のことを、書いています。

 

諦めないでいろいろ調べてみると、あなたの悩みを解決できる方法があるものです。

ちなみに、私は、広くは普及していない治療方法であったとしても、しっかりリサーチします。

そして、再現性があり、効果があるものは、ブログなどで、書いています。

標準的な治療だけが、治療でないのです。

抗がん剤による吐き気は、もっと楽にできます。

抗がん剤の副作用である吐き気を、もっと取り除くことは、できます。

最近になって、非常に効果のある吐き気止めの薬がでたからです。

しかし、主治医がその薬を適切に用いることができないために、吐き気を取ることができていないケースを、たまに見かけます。

そのような可能性があるときには、セカンドオピニオンなどで、他の医師の意見を仰ぐのも、解決策の1つになります。

また、あなたが、吐き気で辛い事を、伝えたつもりでも、主治医に伝わっていないことは、多いです。

そのような場合は、主治医に伝えたいことを、短い手紙に書いて、外来の診察の前に渡すとよいでしょう。

確実に、あなたの伝えたい事が伝わります。

あらゆる手段を使って、吐き気を楽にしましょう。体力が低下してしまうので、必ず解決しないといけない副作用の1つです。そして、多くの場合は、解決できます。

抗がん剤によるしびれは、もっと楽にできます。

肺がんで、よく用いられる抗がん剤であるアブラキサン、パクリタキセル、ドセタキセルには、特に注意しないといけない副作用があります。

それは、しびれです。

専門用語では、末梢神経障害と呼ばれます。

後遺症としてしびれが残り、自分で歩く事が困難になったり、ボタンを自分でつけれなくなることが、あるからです。

しびれに関しては、適切な対処が必要です。

しびれがでたときには、主治医に報告して、適切な対処をしてもらいましょう。

しかし、しびれは、病院から提案される治療方法では、十分に改善しないことが、多いです。そのような場合でも、しびれを改善させる方法は、あります。

しびれをとる特殊な漢方があるのです。

また、しびれが、出現しないようにする予防法もあります。

転移した部位に合わせた特殊な治療法と症状

肝転移している場合の治療法と症状

肝臓に転移している場合は、抗がん剤治療で制御していくことになります。

以下のような状態のことです。

もし、肝臓への転移の数が少数であり、肝臓への転移の状態が長期間にわたって落ち着いているときは、放射線治療が検討されることもあります。

次に症状に関してですが、「転移したがんが、肝臓の大半を、占拠した段階」に至ってから、肝転移による症状が、でることが多いです。

例えば、黄疸といった症状です。

また、採血で肝機能障害が出現した時に、「肝臓の転移が、悪化したのであろう」と心配される方が多いですが、そうではありません。

大半のケースにおいて、抗がん剤などによる肝機能障害か、「転移したがんが、胆管という胆汁の流れ道を塞ぐこと」が、原因となっています。

リンパ節転移している場合の治療法と症状

広い範囲に転移している場合のリンパ節転移は、抗がん剤治療が中心となります。

以下のような状態のことです。

リンパ節転移が、一部分だけにとどまるときは、放射線治療を検討することもあります。

肺がんで胸水多量のときの治療法と症状

胸膜播種がひどい状況になると、胸水が出現します。そして、胸水の量が非常に多いと、呼吸困難に陥り、命にも関わる状態になります。

そのような状況での抗がん剤治療は、副作用のリスクが高くなるので、慎重に行わないといけません。そして、抗がん剤治療で、がんを制御できれば、胸水は減ります。

呼吸困難といった症状も、楽にしていくことが、できます。

しかし、胸水が非常に多いときは、胸水を抜かないといけません。

注意点として、胸水だけを抜くと、体の栄養成分も、抜けてしまうということです。そのことを避けるために、抜いた胸水を「ろ過+濃縮」して、胸水の中の栄養成分だけを、体内に戻す腹水ろ過濃縮再静注法(CART)を行うことがあります。

また、胸膜癒着術という方法で、胸水がたまらないようにする治療を、行うこともあります。

脳転移の治療と症状

脳転移の症状は,頭痛,嘔吐,麻痺,けいれんなどですが,転移する場所によっても症状が異なります。

また、小さな転移巣でも、けいれんなどの症状が出ることもあれば,相当大きくなるまで症状が出ない場合もあります。

また、治療法として、放射線治療による効果が期待できます。

脳全体に放射線を照射する「全脳照射」と、転移がある部分にのみ放射線を照射する「定位放射線治療」があります。

「定位放射線治療」は、非常にたくさんの放射線を、ピンポイントで病変にあてます。その結果、がん細胞を完全に死滅させることもできます。

転移の個数がすくない場合は、「定位放射線治療」になります。転移の数が多い場合は、「全脳照射」になります。「全脳照射」に「定位放射線治療」が併用されることもあります。

脳転移があっても、「定位放射線治療」を行い、同時に、抗がん剤治療をうけて、完治になった人もいます。

1つ事例を提示します。

脳転移のある肺がんの診断→脳転移の2箇所に対して、放射線治療→肺がんの手術→再発する確率を下げるため、しばらくの間、抗がん剤治療→現在は、再発なく経過中

 

 ステージ4の肺がんは治る?それとも、末期で余命を数える段階?そして末期症状とは?

「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

また、ステージ4にも、いろんな状況が想定されます。

肝臓に転移が1つだけある方
肺や肝臓に無数の転移のある方
すべての抗がん剤治療を試み、治緩和ケアを提案される方

上記の通り、ステージ4といっても、いろんな段階があるのです。

ステージ4であっても、寛解にもってこれることも、あるのです。

さて、ここでは、効果の期待できる抗がん剤治療が提案することができない段階の、対応について詳しくお伝えします。

このような段階は、病気に伴う心と体の痛みを和らげる治療、つまり緩和医療が中心となります。

緩和医療を受けていただくことも、より長く生きていくことにつながることは、証明されています。

抗がん剤、手術、放射線治療だけが、治療ではありません。抗がん剤、手術、放射線治療を受けなくても、体調を整えることを心がけるだけでも、より長く生きられます。

そのために、漢方や薬膳的な食事といった東洋医学も、取り入れるべき価値のあることです。

そして、毎日の生活に、楽しみを持ちながら、生活できるようにしましょう。

さて、肺がんのガイドラインと、延べ5000人以上の、がんの方を診療した経験を踏まえて、説明してきました。

最後に、まとめとなりますが、肺がんと戦うためには、以下の点に注意が必要です。

  • 抗がん剤治療、放射線治療、手術をバランスよく用いる
  • 病院での治療で、体力を消耗しないようにすること
  • 適切な漢方
  • 適切な食事内容

その結果、肺がんによる症状を、楽にできます。

肺がんを、もっと小さくしていくことも、できます。

そして、肺がんに負けない体を作っていきましょう。

そのために、知っておくことがあります。

肺がんに負けない方法は、こちらで学ぶことができます。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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