こんにちは。加藤隆佑です。
食事療法セミナーをご購入いただきまして、ありがとうございました。
さて、セミナーの補足事項があります。Q&A形式で書いていきます。
1、抗がん剤治療を受けつつ、食事療法を行っても、効果はありますか?
効果は、あります。
ただし、副作用に悩まされないことが大切です。極端な例を1つあげるならば、副作用で、毎日嘔吐に悩まされながら、食事療法をしても、効果は期待できないでしょう。
体力を低下させない程度の副作用にして、食事療法をすることが大切です。
もし、体力・生活の質を落とすような抗がん剤の副作用を工夫しても取り除けない時は、原因となる抗がん剤を1から2段階減量してもらってほしいです。
主治医に、「副作用が辛いから少し減量してほしい」とお願いすると良いです。
ちなみに、私の診療スタイルは、はじめから1から2段階減量して抗がん剤治療をしています。
食事内容を気をつけたり、漢方を服用することで、抗がん剤を減量していても治療効果は落ちないことが、ほとんどだからです。
減量を恐れる必要はありません。むしろ、副作用で、体力・免疫力を落とす方を心配しないといけません。
2、がんの治療中に、体重が減ったときの注意点
1キロくらいの増減ならば、あえて報告する必要はありませんが、それ以上の体重の増減の場合は、念のために、主治医に報告しましょう。
体重が減ったときには、抗がん剤の投与量を減らさないといけないケースがあるからです。
そして、体重を増やすために意識すべきことは、消化がされやすくする工夫と、漢方です。
- ファイトケミカルスープ
- 病院から消化剤の処方をしてもらう
- よく噛む
- 発酵食品は吸収されやすいので、発酵食品のウエイトを増やす
- 午後3時の間食の量を増やす〜ナッツなど
- 卵を1日あたり2から3個食べる
発酵食品を増やすことに関しては、よい飼育環境で作られたミルクから作ったヨーグルトを毎食とったり、味噌汁を毎食とると良いでしょう。
品質のよいヨーグルトを入手できない場合は、よい飼育環境で作られたミルクを入手して、ヨーグルトメーカーで作ってください。
さらに漢方としては、以下のものを足すと良いです。
- 六君子湯
- 女貞子(じょていし)
このようにして、体重を増やしていきましょう。
胃がん・膵臓がんの手術後の方はこちらの記事にも大事なことを書いています。
体重を減らしたくないのに、食事療法を行って、体重が減った場合は?
糖質を制限しすぎていることが原因になっていることが多いです。
糖質を、もう少し増やしてみてください。
同時に、先ほど書いたことも取り入れてください。
3、動物性たんぱく質を極端に制限はしなくてもよいです。
植物性たんぱく質であれ、動物性たんぱく質であれ、良質な環境で育てられたものであれば、バランスよく摂取してもらうという対応で、支障はございません。
一方で、良質な環境で育てられた動物性たんぱく質を入手することは、難しいという問題点があります。
しかし、羊肉、鶏肉、卵に関しては、良質な環境で育てられたものを入手することは、それほど難しくはありません。
そのあたりのことについては、セミナーでもお話しているので、ご参照ください。
注意点として、動物性たんぱく質が多すぎると、腸内で不消化を起こしやすくなります。
そのような観点からは、「植物性たんぱく質の量>動物性たんぱく質の量」(もしくは「植物性たんぱく質の量=動物性たんぱく質の量」)にした方が無難でしょう。
「野菜炒めのときに、お肉を少しアクセント程度に入れるイメージ」でお肉をとり、「ステーキのようにドカンとお肉を食べること」を避けるイメージです。
環境の良いところで育てられた卵を、卵アレルギーがなければ、1日1個は食べて欲しいです。
2個から3個でも全く支障はなく、むしろ、非常に良いです。
とても、良質なたんぱく源になります。
卵を沢山食べても、血液中のコレステロールの数値が上がらないことは、最近の医学データで証明されているので安心してください。
また、海の汚染はひどいので、放射能汚染などの少なそうなところで水揚げされた青魚を中心に、週に4〜6回程度にしてください。
同時に養殖の魚も避けて欲しいです。
植物性たんぱく質の量>動物性たんぱく質の量」もしくは「植物性たんぱく質の量=動物性たんぱく質の量」を意識してくださいね。
最後にどのようなたんぱく質が良いかをまとめておきます。
納豆といった発酵食品・卵は、かなり優先順位は高い摂取すべきたんぱく質です。
また、植物由来のものたんぱく質としては、豆系のものを増やしましょう。大豆、ひよこ豆、赤いんげん、黒インゲン、青エンドウなどです。大豆に偏らず、いろんな豆を利用すると良いです。サラダにミックスしても良いでしょう。
「有機蒸しミックスビーンズ」という手軽に豆を取れる製品もあります。
豆腐だけとか、豆乳だけとかに偏った植物性たんぱく質のとり方はダメです。
そして、良い環境で育てられた羊や鳥のお肉も、取り入れていきましょう。
飼育環境が良ければ、豚肉や牛肉も、もちろんOKです。
4、隠れ遺伝子組換え食品に気をつけてください。
気づかないうちに、遺伝子組換え食品が入っていることがあります。
キャノーラ油、ブドウ糖、加水分解野菜たんぱく、大豆たんぱく分解物、大豆プロテイン
見かけない添加物が入っているときは、どのようなものかをしっかり調べてから購入する習慣をつけるとよいでしょう。よく分からないものは、口に入れないということです。
5、脂質の取りかたの注意点
オメガ6脂肪酸を少なくて、オメガ3脂肪酸をとることを心がけることが大切であるというお話をいたしました。
注意点として、鮮度が重要ですので、オイルの封を開けたら、1ヶ月以内に使用してください。
さて、脂質に関して、新たに注意すべき点が出ましたので、補足いたします。
最近メーカーはショートニングやマーガリンをなるべく用いないで製品を作ろうという努力をしています。
しかし、ショートニングやマーガリンを用いない代わりに、問題となる添加物が使われるケースが多いです。
例えば、原材料にパーム油と書いてあるものは、BHAという酸化防止剤も使われているケースが大半です。これは体に非常に負担をかける添加物です。多少摂取しても問題はないのですが、毎日摂取し続けることは避けないといけません。
ちなみに、BHAを記載する義務はないので、商品の原材料名のところには書かれていません。
また、食用油と書いてあるものは、どのような食用油を使っているかがわからないので、メーカーに確認する必要があります。
たまに、体に負担のかかる油を取り入れてしまうことはやむを得ませんが、あなたが頻繁に使う食材に食用油と書いてあれば、どのような食用油なのかをメーカーに聞くと良いです。
チリも積もれば山となるのです。
油に関しての、補足として、上級者向けの内容は、こちらに書いています。
6、黒ニンニクよりも、より効果的なニンニクの摂取方法について
今後も、食事療法の内容をバージョンアップする時や、修正点があれば、ご連絡いたしますね。