1. TOP
  2. 放射線治療
  3. 放射線治療を受けた時に、手元に残しておきたいものとは?

放射線治療を受けた時に、手元に残しておきたいものとは?

こんにちは。加藤隆佑です。

あなたが、放射線治療を受けられたのならば、その治療の記録をしっかり、残しておく必要があります。

例えば、最近は、以下のような事例ことがありました。

—–

子宮がんで、以前に放射線治療を受けた。

そして、新たながんになり、放射線治療を、受ける必要がある。その部位は、以前に受けた放射線治療の箇所と、一部重なる可能性がある。

—–

このようなケースにおいては、過去の放射線治療で、どのような線量の分布で、照射したのかを、調べないといけません。

そうしないと、安全に照射できないからです。

しかし、問題は2点あります。

1、カルテの保存期間は、5年であること。5年たてば、破棄されている可能性があること。

2、病院がつぶれる可能性も、あるということ

そうなると、過去の治療が、どのように行われたか、確認することができません。

そのようなことに備えて、自分の治療内容を、手元に残しておく必要があると、考えます。

そのことは、手術の術式についても、いえます。

例えば、以下のような事例がありました。

—–

胃がんの治療を30年前に受けられた方が来院する。

胆管という部位に対して、内視鏡治療が必要な状態であった。

30年前に受けた胃がんの手術の術式を、手術を受けた病院に問い合わせたら、カルテの保存期間がすぎて、破棄されていた。

—–

術式によっては、特殊な内視鏡を用いないといけないことがあるから、問い合わせたわけですが、分からなかったという事例です。

2つの事例を挙げて解説してきましたが、あなたが受けた治療内容を、手元に残しておいた方が良いことがあることを、覚えておいて欲しいです。

もし、治療内容を手元に残すのであれば、病院にカルテ開示を請求して、放射線治療の計画の内容や、手術内容をコピーさせてもらいましょう。

カルテ開示と聞くと、びっくりされるかもしれませんが、最近は、カルテ開示の敷居は低くなっているから大丈夫です。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

加藤隆佑医師のプロフィールの詳細はこちら

関連記事

  • CT検査による被曝で癌になることを避けるためにすべきことを医師が解説!

  • 陽子線治療や重粒子線治療のがんに対する効果、保険適応そして費用を医師が解説

  • サイバーナイフによる放射線治療を受けることができる病院の一覧

  • トモセラピーによる放射線治療を受けることができる病院の一覧