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遺伝による大腸がんを予防する方法と、受けるべき検査について

 2018/11/28 大腸がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

大腸がんは、他のがんに比べると、遺伝的な要素が高いです。

つまり、血縁者に大腸がんの方がいる場合は、ご自身も大腸がんになる可能性が高くなるということです。

そうであっても、適切な対応をすれば、大腸がんで、命を奪われることは、ありません。

そのために、必要なことは、定期的に大腸カメラを受けることです。

そうすることにより、万が一大腸がんができてしまったとしても、早期発見できます。早期発見できれば、大腸がんは完治できます。

また、リンチ症候群という疾患があります。その遺伝子を持っていると、大腸がんになる可能性が高くなります。

さらに、他のがんも、できやすくなります。

70歳までのリンチ症候群に関連するがんの発症率は、以下の通りです。

  • 大腸がん:男性は54〜74%、女性は30〜53%
  • 子宮体がん:28〜60%
  • 胃がん:5.8〜13%
  • 卵巣がん:6.1〜13.5%
  • 膵がん:0.4〜3.7%

さて、リンチ症候群を疑う場合とは、アムステルダムⅡ基準という以下の条件をすべて満たすときです。

1、 家系内に少なくとも3名に大腸がん、子宮内膜がん、小腸がん、尿管あるいは腎盂のがんが認められる。

2、 そのうちの1名は、ほかの2名に対して第一度近親者(親、子、兄弟)である。

3.少なくとも、2世代にわたって発症している

4、少なくとも、1名は50歳未満で診断されている

このような場合は、遺伝子検査を受けることが、推奨されています。

ちなみに、近年になり、70歳未満のすべての大腸がんの方に、遺伝子検査を受けることが、推奨されるようになりました。

以下のような流れになります。

—–

1、大腸がんの診断を受けた人が、マイクロサテライト不安定性の検査を受ける。

2、その結果で、異常がなければ、リンチ症候群は否定される。

しかし、以下の場合は、リンチ症候群に関与していると言われるMMR遺伝子の検査を受ける。

  • 高頻度マイクロサテライト不安定性の診断になった場合
  • 免疫染色で異常がある場合

3、MMR遺伝子の検査で異常がなければ、リンチ症候群は否定される。

もし、この検査で異常がでれば、リンチ症候群の診断となる。

4、リンチ症候群の診断となった場合は、血縁者に、その遺伝子が遺伝していないかを、血縁者の血液で確認する(血縁者の同意を得られた場合のみ)。

血縁者にもMMR遺伝子に異常があれば、リンチ症候群の診断となる。

MMR遺伝子に異常がなければ、遺伝していないことになる。

—–

以上のような流れになります。

ちなみに、MMR遺伝子検査は、自費の検査になる可能性があります。その場合は、数十万円かかります。

ただし、この遺伝子検査で異常がなかったとしても、安心はできません。

家系の中に大腸がんの方が一人でもいるならば、他の方よりも大腸がんに注意しないといけません。

30歳代から、がんの早期発見のための定期的な検査を受けるべきです。

2〜5年に1回は、大腸カメラの検査を受けると良いでしょう。

また、食生活などを改善すると、大腸がんになる可能性を減らせるというデータもあります。

定期的な検査と同時に、普段の食生活の改善をすることが、必要です。

このように対処していけば、大腸がんにより命を奪われることを避けるようにできます。

さて、食生活の工夫の仕方は、こちらで解説しています。

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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