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アトピー性皮膚炎のかゆみを抑え、掻かない方法とは?さらに不眠対策を解説

こんにちは。加藤隆佑です。

本日のタイトルは、「アトピー性皮膚炎のかゆみを抑え、かかない方法とは?さらに不眠対策」です。

結論からいいますと、漢方を飲むことにより、かゆみを和らげることは、できます。

かゆみが抑えられれば、より眠れるようになることでしょう。それが結論です。

さて、今回、ここでお伝えしたいことは、「掻いても皮膚は良くなっていく」という話です。

周囲の人は、掻くなと言ってはいけない。

掻くなということは、非常に乱暴な言葉になります。かゆみがある方にとって、かかないことは、非常にストレスがかかることです。

場合によっては、注意をした人と患者さんとの関係が、悪くなることもあるでしょう。

掻いても皮膚は良くなっていく

保湿剤を中心とした治療をしている場合は、掻くことにより皮膚は傷つきます。常に皮膚は湿っており、傷つきやすいからです。

つまり掻くことにより、アトピー性皮膚炎は悪化します。

したがって、保湿を中心とした治療をしている場合で、痒みを無くすためには、以下のことを取り入れないといけません。

  • ステロイド外用薬の塗布
  • 保湿の頻度を増やす
  • 漢方を取り入れる

以上の方法により、かく頻度を減らさないといけません。

一方で、アトピー性皮膚炎においては脱保湿治療というのがあります。保湿剤をなるべく使わないことによる治療です。

こちらの場合は、かいても、問題はありません。

理由を説明いたしますね。

脱保湿治療をしている場合においては、皮膚は乾燥傾向になっています。その場合は、掻いても皮膚は傷つきにくくなるからです。

  • お風呂から上がった直後のぶよぶよした皮膚(保湿している皮膚)
  • 乾燥気味の皮膚(脱保湿治療をしている皮膚)

どちらの皮膚が、掻いた時に傷つきやすいかは、明白かと思います。

脱保湿治療をしている皮膚に限っては、掻いても皮膚は良くなるのです。

もう少し正しい表現で言うならば、以下のようになります。

皮膚は乾燥に向かうことにより、機械的な刺激に次第に強くなる。その結果、掻いても徐々に傷がつきにくくなる。

さらに、このような皮膚を下地にして、脱ステロイドを行なった方が、脱ステロイドの治療成績はよくなります。

脱保湿治療については、こちらで説明しています。

かゆさの我慢の辛さで眠れないくらいならば、搔こう

不眠は、アトピー性皮膚炎の悪化要因となります。

したがって、痒いの我慢して眠れないくらいならば、掻いてしっかり寝ましょう。

そちらの方が、最終的には治りは良くなります。

また、あまりにも痒みがひどく、皮疹も非常に悪化しているときは、一時的に、高用量のステロイドの内服することもあります。

  • 小児の方であれば、3日ほどステロイドの内服
  • 大人の場合は、リンデロンというステロイドを体重1キロあたり0.1~0.2ミリグラム投与

短期間だけ用いるというのが、コツです。

正しい掻き方

指の腹でかくようにしましょう。

万が一、指先で書いた時に、皮膚へのダメージが最小限になるように、爪はしっかり切りましょう。深爪くらいがちょうど良いです。

そのためには、週に2から3回爪を切らないといけません。

寝ている時の掻くことによるダメージを減らすやめに、皮膚への負担の少ない素材で作った手袋をつけると有効なこともあります。

しかし、この方法が、逆効果のこともあるので、実際にやって見て、効果を評価する必要があります。

一般的に言えることは、布で掻くと、アトピー性皮膚炎は悪化することが多いです。

眠れない時に睡眠剤を用いても良いか?

睡眠剤を用いると、意識のレベルがかなり低下することにより、無意識のうちに、かなり強い力で掻いてしまうことがあります。

もし睡眠剤を飲んで、このようなことが起きるならば、睡眠剤をやめるか、別の睡眠剤にした方が良いです。

また、睡眠剤には、依存性のあるものがあります。いったん飲み始めたら、なかなかやめることができない睡眠剤があると言うことです。

例えば、ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠剤には、依存性があります。以下のような睡眠剤です。

  • マイスリー
  • ハルシオン
  • レンドルミン

もし睡眠剤を用いるのであれば、依存性のないものにしましょう。以下のような薬剤が良いです。

  • ベルソムラ
  • ロゼレム

また、無理に寝ようと思うと、逆に眠れなくなるものです。眠れなかったらそれでも良いと言う気持ちで、眠気が出てきたら、床につくようにしましょう。

布団に入って、体温が上がり、痒くなったらどうする?

痒くなっても、掻かないようしようと我慢していると、逆に眠れません。

したがってこのような場合は、「多少掻いても良いから、しっかり眠ろう」という気持ちで寝るようにしましょう。

多少掻いても、眠った方が、治りはよくなります。

さて、かゆみをとることに、漢方は有効です。

漢方の詳細は、こちらです。

 

ライター紹介 
加藤隆佑



癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

アトピー性皮膚炎といった、様々な病気に対しての漢方治療も行っています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

この記事を書いた著者のことを、もっとよく知りたい方はこちら