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FOLFOX療法が食道がんに対して承認!FOLFOX療法のメリットとデメリットを解説します。

こんにちは。加藤隆佑です。

2019年4月22日に、食道がんに対して、FOLFOX療法が承認されました。

「フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、オキサリプラチン」という注射薬を用いての治療法です。

約48時間かけて点滴します。2週に1回行います。

入院して、この治療を受けることはできます。一方で、通院しながらでも、受けられる治療法です。

携帯用ポンプに抗がん剤をいれて、自宅でも、抗がん剤の注射薬を投与できるからです。

食道がんにおけるFOLFOX療法の位置付けとは?

食道がんの抗がん剤治療は、白金系の抗がん剤(シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン)、5ーFU系の抗がん剤(5ーFU、TS-1)、タキサン系の抗がん剤(ドセタキセル)を組み合わせて、治療をすることが、多いです。

今回、FOLFOX療法が承認されたことにより、以下のような組み合わせによる治療が可能になります。

  • シスプラチン+5-FU+ドセタキセル
  • オキサリプラチン+5-FU+ロイコボリン(FOLFOX療法)
  • シスプラチン+5-FU
  • ネダプラチン+5-FU
  • ネダプラチン+ドセタキセル
  • ドセタキセル
  • TS−1

そして、以上の7個のうちの治療法のうち、以下の3つは、ほぼ同じような効果が期待できます。

  • オキサリプラチン+5-FU+ロイコボリン(FOLFOX療法)
  • シスプラチン+5-FU
  • ネダプラチン+5-FU

効果は同じですが、副作用で気をつけないといけない点は、異なります。

1、オキサリプラチン+5-FU+ロイコボリン(FOLFOX療法)

しびれという副作用が、非常にでやすい治療法となります。その点に注意しながら、用いないといけない治療法です。

しびれが後遺症として残り、日常生活に支障が出るケースがあるからです。

具体的には、持続的なしびれが、ではじめた時には、オキサリプラチンを休薬して、しびれが後遺症として、残らないようにすることが、最も大切です。

ちなみに、しびれを和らげるために、用いれる西洋薬として、リリカやサインバルタという薬があります。

副作用が多い反面、効果はそれほどないケースが多いです。

一方で、しびれに対して、効果の期待できる漢方も、あります。

そのような漢方薬で、私がよく用いるものは、漢方薬局で購入してもらわないといけませんが、改善するケースは多いです。

また、48時間の点滴で終わるということは、FOLFOX療法のメリットの1つに、なります。

2、シスプラチン+5-FU

腎機能に負担が非常にかかるということと、吐き気が非常に出やすいという特徴があります。

徹底した副作用対策が必要です。

この治療法にも、しびれという副作用はありますが、FOLFOX療法ほど高い頻度では、出現しません。

また、5-FUは、5日間連続して投与しないといけません。入院が必須の治療となります。

3、ネダプラチン+5-FU

骨髄抑制が起きやすいです。つまり、白血球、ヘモグロビン、血小板が減少することです。

また、5-FUは、5日間連続して投与しないといけません。入院が必須の治療となります。

この治療法にも、しびれという副作用はありますが、FOLFOX療法ほど高い頻度では、出現しません。

さて、副作用の管理のしやすさからは、「ネダプラチン+5-FU」「FOLFOX療法」に分があります。

「ネダプラチン+5-FU」「FOLFOX療法」の治療法の方が、体への負担は軽いのです。

また、効果は、ほぼ同じと予想されます。

以上より、今後は、この3つの中から治療法を選ぶという場面になったら、「ネダプラチン+5-FU」「FOLFOX療法」のどちらかを選ぶのが主流になるのかもしれません。

さて、再発やステージ4の食道がんにおいては、抗がん剤治療だけを、受けていればよいわけではりません。

再発やステージ4の食道がんにおいて、取り入れてほしいことは、こちらです。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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