こんにちは。加藤隆佑です。
私は、がんの治療を専門にしていますが、アトピーの漢方治療にも力をいれています。
そこで、本日は、「漢方と食事でかゆみと赤みを改善し、跡を消すコツ」について、解説いたします
アトピーの完治はできるのか?そして脱ステの方法とは?
アトピー性皮膚炎において、脱ステロイド(脱ステ)はできます。
しかし、やり方が難しいです。
正しい、脱ステの方法をお伝えします。同時に、ステロイドを正しく使う方法もお伝えします。
湿疹が急に増悪するので、急な脱ステはしてはいけない。
これまでずっと使い続けていたステロイドを、急にやめるのは、よくないです。
急にやめると、数ヶ月という期間の間で、何個かの波となって、アトピー性皮膚炎の増悪がきます。
元々、湿疹がでなかったような部位にも、出ます。かなり大変な思いをしますし、危険もあります。
さらに、以下のような悩みや症状を持つことになります。
- 体が非常にだるい
- 社会生活を送れない
ステロイドをやめることによって皮膚炎が悪化する理由は、2つです。
1つは、ステロイド中止後の離脱皮膚炎、もう1つは、アトピー性皮膚炎の反跳現象です。
急激な脱ステロイドをしてもよいのか?
一気にステロイドをやめる方法で、脱ステロイドをする医師はいます。
彼らは、万が一、非常に強い脱ステによるリバウンドがでた場合に、入院治療をすることも視野にいれて、やっています。
「入院治療を視野に入れない、一気に脱ステロイドをする方法」は危険です。
急な脱ステロイドの経過
ステロイドを休止後、2日から25日で皮疹の増悪のピークを迎えます。
その後、浸出液は次第に減っていきます。しかし、一部の方は、紅斑がずっと残る人がいます。その理由は、保湿剤にあるとされています。
さて、私は、リスクが伴わない、脱ステロイドの方法を提案します。
安全で正しい脱ステロイドの方法
その方法は、ステロイドを塗る間隔を次第にあけていくことです。
ステロイドの間隔を、少しづつ空けていくためには、いくつかの工夫が必要です。
主にすべき工夫は、以下の3つです。
脱ステロイド時の保湿の仕方
アトピー性皮膚炎の患者さんでは、ワセリンを使用すると、逆に調子が悪くなる、もしくは痒くなるという人がいます。
また、ワセリンに限らず、保湿剤への依存があることが、判明しています。
これは、1996年、名古屋市立大学医学部皮膚科助教授の佐藤健二医師の報告です。
この中に、『保湿剤が有害となる』という項目があります。
実は、脱ステロイドのときには、ワセリン・アズノール軟膏・種々のクリーム・馬油・オリーブオイルなど、ほとんどすべての油は、皮膚の赤みを持続させるように働きます。
したがって、脱ステロイドのときに、脱ステロイドだけではよくならないケースでは、脱保湿を追加しないといけません。
もしくは、はじめに脱保湿からスタートして、その次に脱ステロイドを試みるという戦略に変更しないといけないこともあります。
脱ステロイドに成功したらどうなるか?
脱ステロイドをしたからといって、アトピー性皮膚炎の体質が、完全に治るわけではありません。
もちろん、多少のことで、アトピー性皮膚炎がでないようにはできます。
つまり、体質は改善できます。
しかし、他の方以上に、肌に対するケアは必要になってきます。
最後に脱ステロイドを成功させるために、意識すべきことを列挙します。
脱ステロイド時には、漢方を取り入れる
便秘といった悪化因子を、取り除く
その他
- 運動
- ストレスを減らす
- かゆみをとるための抗アレルギー薬
- 熟眠できないときは睡眠剤
- かゆいときは、その部位をガーゼで覆うことにより掻爬を防ぐ
脱ステロイドのときに用いる石鹸
みよし石鹸は、オススメです。
食事内容に気をつける
ステロイドの塗り方のスケジュール
以上のことに気をつけつつ、少しずつステロイドを塗る間隔を空けていくと良いでしょう。
はじめは、連日塗っていったとします。
途中から、3日のうちの1日はステロイドをおやすみするといった感じで、ステロイドを塗らない日を増やしていきます。
脱ステロイドのときの、かゆみについて
仮に、隔日でステロイドを塗ったとします。そうすると、少し湿疹がでたとします。
そのときに、かゆみがでない程度に湿疹が制御できれば、よしとします。
ステロイドにより、湿疹が完全にでないところまで持っていく必要はありません。
そして、長期間ステロイドを使っている人ほど、ステロイドを塗らない日を増やすペースをゆっくりにします。
最終的には、ステロイドを使う日を0にします。
アトピーの跡である色素沈着である黒ずみは、消えるのか?
色素沈着の原因である「新たなアトピー性皮膚炎」が繰り返していると「新たな色素沈着」を生じさせてしまうため、皮膚の黒ずみは改善しません。
そこで、はじめは、アトピーの炎症をとりましょう。
炎症がとれれば、1年くらいかかりますが、黒ずみは次第にきれいになっていきます。
医師として、ステロイドの是非を述べます。
脱ステロイドをめざすことは、よいですが、ステロイドに対する誤解は、解消しておきたいところです。
ステロイドには、副作用があります。たとえば、以下のようなものです。
- 皮膚の萎縮
- 皮膚萎縮線状
- ステロイドざそう
- 毛細血管拡張・紫斑・口囲皮膚炎
- 酒さ様皮膚炎
- 白内障
さらに、以下のような問題点があります。
- ステロイドが止められないステロイド依存
- 急にやめると抑えられていたアトピーが悪化してくる中止後リバウンド
- アトピー性皮膚炎の長期連用による、塗っても効かなくなるステロイド抵抗性
そして、アトピー性皮膚炎の治療の本質を考えると、ステロイドなしでも、以下の方法を組み合わせることにより、かなり治すことができます。
- 保湿剤
- 漢方
- 日常生活の食事などの工夫
西洋医療では、ステロイドによる治療が主流になってしまいましたが、ステロイドなしでも、アトピー性皮膚炎は、制御できるのです。
もちろん、ステロイドと保湿剤を用いた治療でも、アトピー性皮膚炎は制御できます。しかし、先ほど列挙したような、様々な問題のリスクを背負うことになるのです。
さて、ステロイドの治療を受けている方の中には、ステロイドの使い方が少なすぎて効果が十分に出なくて、とても中途半端な治療になっている人は、多いです。
中途半端な状態でいるならば、脱ステロイドを目指したいところです。
優先的に取り入れたいことは、ツボ治療と漢方です。
アトピーを改善させるための自宅で行えるツボ治療とは?
自宅でできるツボ治療というものが、あります。
以下の動画で、詳しく説明しています。
そして、漢方を足しましょう。