骨転移に対する痛みをとるための、経皮的椎体形成術を医師が解説!
こんにちは。加藤隆佑です。
骨転移によって、痛みがでることがあります。
その痛みをとるために、よく用いられる方法は、以下のとおりです。
- 放射線治療
- モルヒネに代表される医療用麻薬
- 消炎鎮痛剤(ロキソニンなど)
さて、これらの方法以外にも、経皮的椎体形成術という特殊な方法で、骨転移の痛みを取り除くことはできます。
経皮的椎体形成術とは?
がんが、椎体(背骨のこと)に転移することがあります。
その結果、椎体が、圧迫骨折を起こすことがあります。
圧迫骨折をすると、強い痛みが出現します。
その痛みに関して、経皮的椎体形成術を行うと、その痛みが和らぎます。
経皮的椎体形成術とは、圧迫骨折のために、潰れた椎体の中にセメントを注入して、潰れた椎体を、元の形に戻すことです。
80%以上のケースで、3日以内に高い除痛効果が得られるとされています。
さらに、体へのストレスも少ないです。
以前は、この治療法は先進治療になっていましたが、現在は保険診療で受けることができます。
東徳洲会病院で、経皮的椎体形成術の解説ビデオがありましたので、ご覧ください。
さて、病院によって、入院期間は異なりますが、短い場合ですと、日帰りでできます。
透視室で局所麻酔をして、行います。約1時間かかります。ます。
椎体形成術の合併症とは?
安全な手技とされおり、副作用の頻度は約3%以下です。
1、穿刺に伴うもの
穿刺部位周辺の血腫形成、一時的疼痛、膿瘍形成、敗血症
2、注入セメント漏出に伴うもの
末梢神経障害、脊髄症状(膀胱直腸障害、下肢麻痺)、背部痛や腰痛の悪化、肺塞栓の出現(低酸素血症、呼吸困難)
3、セメント製剤によるもの
一過性血圧低下、アレルギーショック、心機能の低下、不整脈の発生
この単元のまとめ
椎体(背骨のこと)に、がんが転移したことにより、圧迫骨折を起こすことがあります。
そのような場合は、経皮的椎体形成術は、非常に有効な治療法になります。そして、この治療法は、普及してきています。
主治医に、相談してみてください。
さて、骨転移による痛みを取り除くだけでは、十分ではありません。
さらに、強力に、がんの増殖を抑えないといけません。