アトピーのかゆみや乾燥に役立つ市販薬、サプリメントを医師が解説
こんにちは。加藤隆佑です。
私は、がんの治療を専門にしていますが、アトピーの漢方治療にも力をいれています。
そこで、本日は、「アトピーのかゆみや乾燥に役立つ市販薬、サプリメント、漢方」について、解説いたします
はじめに、インタネットには、アトピーに効果があるという口コミを持つサプリメントや、塗り薬に関してです。
本当に効果があるかについて、医師である私が検証しました。
アトピーにポリベビーが効く?
インターネット上では、ポリベビーはアトピーに効果があるという口コミが複数あります。
インターネット上で、以下のような説明書きがありました。
酸化亜鉛が入ったタイプの塗り薬なので、亜鉛華軟膏などと同じく肌の表面に白く残って、じゅくじゅく肌をサラサラにする性質ですが、その他の成分として、殺菌剤や肌の正常化の成分が含まれています。
グラム陽性菌に有効なトリクロロカルバニリドが殺菌剤として入っているほか、皮膚の正常化を助けるビタミンAなどが入っています。
結論ですが、アトピー性皮膚炎をまったく改善させません。
ただし、なんらかの細菌に感染したアトピー性皮膚炎には、多少なりとも良いです。しかしアトピーそのものを改善させているわけではありません。
アトピーに紫雲膏(しうんこう)という軟膏が効く?
インターネット上で、アトピーに対して紫雲膏は、アトピーに効果があるという口コミがあります。
具体的には、以下のような説明書きがありました。
漢方薬の塗り薬でしばしばアトピーに効くとして登場するものです。もともと、ひび・あかぎれなどの皮膚の症状に用いるものです。じゅくじゅくしない肌に向きます。
結論ですが、効果はありません。
実際に私はいろんな場面で紫雲膏を処方しますが、アトピーに効きません。
アトピーに神仙太乙膏という漢方の塗り薬が効く?
インターネット上で、アトピーに神仙太乙膏という漢方の塗り薬が効くという口コミがあります。
以下のような説明がしてあります。
こちらも漢方の薬。もともと、きり傷・むしさされなどの薬です。アトピーの薬としてしばしば登場します。
色々検証しましたが、残念ながら、アトピーには効きません。
アトピーにキップパイロールという塗り薬が効く?
インターネット上で、キップパイロールという塗り薬がアトピーに効果があるという口コミがあります。
具体的には、以下のような説明書きがありました。
色々検証しましたが、残念ながら、アトピーには効きません。
アトピーに、馬油やソンバーユが効果がある?
保湿にはよいですが、アトピーに効果があるわけではありません。
単なる保湿剤です。
アトピーに月見草オイルが効果がある?
月見草オイルは、1930年代からアトピー性湿疹に対する民間療法として使用されてきました。
月見草オイルは、月見草の種子から抽出されます。通常はカプセルに充填され使用されます。
さて、月見草油は、脂肪酸であるγリノレン酸を含んでいます。
そして、月見草オイルはアトピー性皮膚炎に、本当に効果があります。
ただし、多少なりとも効果があるという程度です。
ビタミンはアトピーに効果がある?
バランスのよい食事は、体調を整えて、アトピーの悪化を防いでくれるのに、役立ちます。
もし、バランスの良い食事ができていないときには、ビタミンのサプリで補うと良いでしょう。
ビタミンのサプリは、アトピーをよくするというよりは、バランスのよい食事の補助目的の意味合いになります。
アトピーに乳酸菌は効果がある?
腸内細菌を整えると、アトピーが改善することは、あります。
したがって、乳酸菌のサプリメントを取り入れることは、良いでしょう。
次に漢方の解説に入ります。
漢方は体の防御力を上げて、アトピーへの抵抗力をつけられる
体が疲れて、エネルギー不足になると、アトピーは悪化しやすくなります。
たとえば、アレルゲンに触れてしまったとします。体にエネルギーが満ちているときは、アトピーは悪化しません。
しかし、体が疲弊していると、普段では悪化しないようなアレルゲンでも、アトピーが悪化してしまいます。
体に提供力をしっかりと、つけることが大切です。そのようなことを可能にすることが、漢方の力です。
漢方で、アトピーへの抵抗力をつけましょう!
アトピーの悪化因子となるストレスや精神疲労も、漢方が改善させてくれる。
漢方は、緊張を緩めたり、感情を落ち着かせることにより、気の流れを正しくしてくれます。
それによって、アトピーの悪化因子である、ストレスや精神疲労に負けない体をつくれます。
いろんな漢方はありますが、主な役目は以下の通りになります。
- アトピーへの抵抗力をつける。
- 不眠、不安な気持ちといったアトピーの悪化因子を取り除く。
このようなことが、アトピーの改善に、つながるのです。
アトピーによく効くおすすめの漢方とは?
一般的によく用いられるのは、以下のものです。
白虎加人参湯
温熱で悪化するときに、用いられることがあります。さらに、口に乾きがあるときも、この漢方を用いる指標になります。
黄連解毒湯
温熱で悪化するときに、用いられることがあります。さらに、皮疹があるときに、浸潤があるにも、よいでしょう。
抑肝散
精神的なストレスで悪化するときに、用いられます。
補中益気湯
よく汗をかくケースで、さらに胃腸症状があるときに、用いられます。
当帰飲子
乾燥が非常に強いときに、用いられます。
桃核承気湯
のぼせて顔色が赤くなるときに、用いられることがあります。
柴苓湯
ステロイドの減量を試みるときに有効です。
漢方の効果とは?
これらは、多少なりとも効果はありますが、劇的な効果を示す頻度は、多くはないです。
先ほどお話しました通り、広く使われる漢方は、以下のことが目的だからです。
- アトピーへの抵抗力をつける。
- 不眠、不安な気持ちといったアトピーの悪化因子を取り除く。
アトピーの体質そのものに働きかけるパワー自体はそれほど高くないからです。
しかし、ある植物は、アトピーの体質そのものに働きかけるパワーが非常に強いです。
それは、オニタビラコという植物です。
庭・畑の畦など、路傍に生えていて、近くで沢山見かける植物です。中国の漢方の書物にも、記載がある植物です。
この植物は、一部の地域の民間医療として、アトピーの治療に用いられていました。そうしたら、かなりの治療効果がでました。
私の漢方の先生もそれをよく用いており、私も使うようになりました。
オニタビラコは、非常に効果がある漢方といえるでしょう。
私は、これを使うことができるようになり、とてもアトピー性皮膚炎の治療が楽になりました。