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食道がんの検査と方法、そして治療までの流れを医師が解説!

 2019/01/18 食道がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

食道がんが疑われるときには、上部内視鏡検査(俗にいう胃カメラ)の検査を受けることにより、食道がんの有無を確認いたします。

もし、食道がんを認められば、食道がんの広がり具合を確認して、治療方針を決定します。

具体的には、以下のことを決定していくことになります。

  • 手術ができる段階の食道がんか?
  • もしそうである場合は、どのような術式がよいか?
  • 手術ができないほど、体中に食道がん広がっている場合は、どのような治療方針にするか?

以上のことを決定していくために、よく行われる検査は以下のものです。

  • 血液検査
  • 上部内視鏡検査(胃カメラ)
  • 食道のバリウム検査
  • CT検査
  • PET検査
  • 病理検査(病気の部位から細胞を採取して、がんの顔つきを確認する検査)

いろんな検査方法があるのです。この中で特に重要な検査は、胃カメラとCTと採血の検査です。

胃カメラとCTと採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定することができることが多いからです。

それ以外の検査は、補助的な検査といえるでしょう。

食道がんの初期症状とは?

食道がんは、初期には自覚症状がないことが多く、人間ドックの内視鏡検査などで発見されることが、20%近くあります。

無症状で発見された食道がんは、早期であることが多く、治る確率が高くなります。

食道が、しみるような感覚は、食道がんの初期の症状です。

がんが、さらに大きくなってくると、食物がつかえるような感覚、胸の痛み・背部の痛み、声のかすれが、でます。

次に、食道がんの検査について、詳しくご説明いたします。

食道がんにおける血液検査とは?

血液検査によって、以下のことがわかります。

腫瘍マーカー

胃がんではSCCと呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。

がんがあっても、必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。

腫瘍マーカーは、手術後の再発のチェックや抗がん剤治療の効果判定の参考に使われます。

臓器の機能が正常化かどうか?

腎機能や肝臓の機能を確認します。

もし、これらの臓器の機能が低下しているようであれば、手術や抗がん剤治療による合併症が起こりやすくなります。

糖尿病がないかどうかも、チェックします。

糖尿病があり血糖値が高いときは、食道がんの治療の前に、糖尿病の治療を優先しないといけないことも、あります。

貧血はないか?

食道がんからの出血により、貧血になることがあります。

もし貧血が強いならば、輸血をしないといけません。

食道がんの内視鏡検査

食道の内部を直接、胃カメラで見ます。

以下のことを確認します。

  • 病変の位置
  • がんが、どの程度広がっているか?
  • がんが、食道の壁にどの程度の深さまで食い込んでいるか?

食道がんが、かなり広い範囲に広がっていても、食道の壁に食い込んでいる程度が浅ければ、内視鏡的に切除できます。

食道の壁に食い込んでいる程度が浅いとは、食道がんが粘膜内にとどまっていることを指します。

内視鏡検査のときに、食道がんの部位から細胞を採取します。そして、がん細胞が、どのような顔つきかを確認します。

ちなみに、胃カメラの検査は辛いことが多いので、鎮静剤という少し眠くなる注射をして、検査を受けるケースが多いです。

そのようにすれば、かなり楽に検査を受けることができます。

また、内視鏡検査の際に、超音波内視鏡検査という検査が、追加されることがあります。

食道がんの超音波内視鏡検査とは?

内視鏡検査の1つです。

内視鏡の先端についた超音波装置を用いて、食道の壁の状態や、食道のの外の状態を知ることができます。

その結果、以下のことを知ることができます。

  • 食道がんが、どのくらい深く広がっているか
  • 周りの臓器まで広がっていないか
  • 食道の外側にあるリンパ節に転移していないか

食道がんのCT検査

以下のことを確認するために、CT検査をします。

  • 臓器(肺や肝臓など)への転移の有無
  • リンパ節への転移の有無
  • 食道の周りの臓器(気管や心臓など)へ食道がんが浸潤していないか?

以上の検査結果を通して、治療方針をほぼ決定できます。

しかし、さらに以下のような検査が追加されることが多いです。

食道がんのバリウム検査

バリウムをのんで、食道の形や粘膜などの状態をX線写真で確認する検査です。

食道がんのPET検査

がん細胞は、ブドウ糖を取り込む性質があります。

そこで、放射性ブドウ糖液を注射し、それがどの部位で取り込まれるかを確認しようというのが、PET検査です。

放射性ブドウ糖液が取り込まれた部位に、食道がんはあると推測できます。

PET検査の結果、CT検査では、問題ないと判断された位置に、食道がんの転移が指摘されることがあります。

以上の検査をした上で、最終的な治療方針が決定されます。

次に、以下の記事で、食道がんのステージごとの治療方針を説明いたします。

食道がんのステージ別の治療方針や症状を医師が解説!生存率をあげ抗がん剤副作用を回避

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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