こんにちは。加藤隆佑です。

プロトンポンプ阻害薬という胃薬があります。強力に胃酸を抑えて、胃痛の症状を抑える薬です。

胸焼け、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、バイアスピリンによる潰瘍発生の予防目的で使われます。

プロトンポンプ阻害薬は、ネキシウム(エソメプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)、タケキャブ、オメプラゾールといった名称です。

結論から言いますと、この薬剤は、免疫に大きく寄与する腸内環境を悪化させ、免疫力を落とすことが危惧されます。

その根拠について解説します。

免疫療法で用いられる免疫チェックポイント阻害薬という薬があります。

プロトンポンプ阻害薬という胃薬を飲みながら、免疫チェックポイント阻害薬による治療をすると、治療成績が落ちることが判明しています。

このことからも、プロトンポンプ阻害薬という胃薬は、免疫力の低下に寄与することを懸念されています。

もし、この薬を飲まないで済むのであれば、飲まないほうが良いです。

この薬剤の代用はガスター(ファモチジン)に代表されるH2ブロッカーという薬剤です。

しかし、潰瘍を防ぐ力や、胃酸の逆流による胸焼け(逆流性食道炎)を抑える力は、プロトンポンプ阻害薬に比べると若干弱いです。

逆流性食道炎の治療

逆流性食道炎をおさえるために、プロトンポンプ阻害薬を用いると、非常に症状は良くなることが多いです。

しかし、プロトンポンプ阻害薬は免疫力を落とすこと、逆流性食道炎は命にかかわらない病気であることを考慮すると、プロトンポンプ阻害薬はあまりおすすめできないという考え方もできます。

その場合は、ガスター(ファモチジン)で治療を試みるのが手です。

この薬に変更すると、いままでのように胸焼けがきれいにとれないかもしれません。

たとえそうであっても、あとは食事療法に準じた食事内容を心がけて、胸焼けがないようにしていきましょう。

難治性の潰瘍の方や、バイアスピリンによる潰瘍発生予防目的の治療

このケースは、出血を起こして命に関わることがあるので、プロトンポンプ阻害薬による対応が好ましいです。

ただ、一部のデータでは、ガスターでもプロトンポンプ阻害薬でも治療効果は変わらないという報告もあります。

 

ただ、実際の診療の経験からは、プロトンポンプ阻害薬の方が、よりよい治療効果が期待できると考えられます。

そして、プロトンポンプ阻害薬を飲まないといけない時には、腸を整えることに力を入れて欲しいです。

具体的には、アルカリイオン水、発酵食品、腸内環境を整える漢方を飲むといったことです。

そして、腸内環境を悪化させないようにしていきましょう。