再発のがんの、抗がん剤の導入時期はいつでも良い

手術をして、がんの切除を目指す場合ではなく、がんと共存していきながら、がんを治療をしていく場合が前提の話となります。

その場合は、抗がん剤の導入時期は、いつでも良いです。

  • 再発したから、すぐに抗がん剤を導入する。
  • しばらく様子を見てから、抗がん剤を導入する。

どちらであっても、効果は同じです。

早い段階で、抗がん剤を導入した方が、がんが、完治する可能性が上がるか?

そのようなことは、ありません。

早い段階で、抗がん剤を導入した方が、抗がん剤が効き続ける期間が、長くなるか?

そのようなことも、ありません。

抗がん剤に対して、がん細胞は、いつかは、耐性ができることが、ほとんどです。

早い段階で、抗がん剤を導入しても、しばらく様子を見て、抗がん剤を導入しても、耐性ができるまでの期間は、変わりません。

例えば、以下の2つのパターンを比較して欲しいです。

パターン1:肝臓に再発した癌がある状態。じっと、様子を見ていたら、リンパ節に、新たに転移する。

この状態から、10ヶ月くらい、がんの成長を抑えることが期待できる抗がん剤を導入。

その結果、抗がん剤によって、肝臓と、リンパ節のがんの成長は、10ヶ月抑えられる。

その後は、再び、がんは、大きくなる。

パターン2:肝臓に再発した癌がある状態。

この状態から、10ヶ月くらい、がんの成長を抑えることが期待できる抗がん剤を導入。

肝臓のがんの成長は、10ヶ月抑えられる。

その後は、再び、がんは大きくなる。そして、リンパ節の転移が出現する。

結果として、どちらも、同じ治療結果になることになります。

再発のがんにおいては、抗がん剤の導入時期は、どの段階であっても、生きられる期間には、大差を与えないということです。

がんによる症状がある、もしくは、炎症があるときは、迅速に抗がん剤の導入を!

ただし、がんによる症状が出ている場合は、迅速に抗がん剤を導入した方が良いです。

がんによる症状が出ている=体力が消耗する

その結果、寿命が短くなってしまう可能性が上がるからです。

採血結果で、炎症を示す数値が高い時にも、迅速に抗がん剤を導入した方が良いです。

炎症があるときは、抗がん剤の効果が、出にくくなるからです。

炎症があるか否かは、採血のCRPという数値を見ると分かります。

共存をめざした治療でも、手術で取り切れるくらい小さくなることもある!

がんと共存を目指した治療をしていても、手術で取り切れるくらいに小さくなって、最終的に、がんを寛解状態にもっていけることもあります。