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胃がんの検査と方法、そして治療までの流れを医師が解説!

 2019/01/15 胃がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

胃がんが疑われるときには、胃カメラの検査を受けることにより、胃がんの有無を確認いたします。

もし、胃がんを認められば、胃がんの広がり具合を確認して、治療方針を決定します。

具体的には、以下のことを決定していくことになります。

  • 手術ができる段階の胃がんか?
  • もしそうである場合は、どのような術式がよいか?
  • 手術ができないほど、体中に胃がん広がっている場合は、どのような抗がん剤治療を用いるとよいか?

以上のことを決定していくために、よく行われる検査は以下のものです。

  • 血液検査
  • 胃カメラ(上部内視鏡検査)
  • 病理検査(病変から細胞を採取して、細胞の顔つきを確認する検査)
  • 胃のバリウム検査
  • CT検査
  • PET検査

いろんな検査方法を列挙しました。

しかし、実際は、胃カメラとCTと採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定することができることが多いです。

それだけ、胃カメラとCTと採血の検査は、重要ということになります。

胃がんの初期症状とは?

胃がんは、かなり進行しても、症状がでない場合があります。代表的な症状は、胃の痛み、不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振です。

しかし、これらは胃がんに特有の症状ではありません。食べ過ぎでも生じる症状です。検査をしなければ、診断はできませんので、医療機関を受診し、検査を受けましょう。

特に、体重が減るという症状の場合は、背景にがんを強く疑わせる症状なので、注意が必要です。

必ず検査を受けるようにしましょう。

次に、胃がんの検査について、詳しくご説明いたします。

胃がんにおける血液検査とは?

血液検査によって、以下のことがわかります。

腫瘍マーカー

胃がんではCEAやCA19-9と呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。

がんがあっても、必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。

腫瘍マーカーは、手術後の再発のチェックや抗がん剤治療の効果判定の参考に使われます。

臓器の機能が正常化かどうか?

腎機能や肝臓の機能を確認します。

もしこれらの臓器の機能が低下しているようであれば、手術や抗がん剤治療による合併症が起こりやすくなります。

採血では、糖尿病がないかどうかも、チェックします。

糖尿病があり血糖値が高いときは、胃がんの治療の前に、糖尿病の治療を優先しないといけないこともあります。

貧血はないか?

胃がんからの出血により、貧血になることがあります。

もし貧血が強いならば、輸血をしないといけません。

胃がんの内視鏡検査

胃の内部を直接、胃カメラで見ます。

以下のことを確認します。

  • 病変の位置
  • がんがどの程度広がっているか?
  • がんが、胃の壁にどの程度の深さまで食い込んでいるか?

胃がんが、かなり広い範囲に広がっていても、胃の壁に食い込んでいる程度が浅ければ、内視鏡的に切除できます。

胃の壁に食い込んでいる程度が浅いとは、胃がんが粘膜内にとどまっていることを指します。

内視鏡検査のときに、胃がんの部位から細胞を採取します。そして、がん細胞が、どのような顔つきかを確認します。

また、胃カメラの検査は辛いことが多いので、鎮静剤という少し眠くなる注射をして、検査を受けるケースが多いです。

そのようにすれば、かなり楽に検査を受けることができます。

胃がんのバリウム検査

バリウムをのんで、胃の形や粘膜などの状態をX線写真で確認する検査です。

途中で発泡剤をのんで胃をふくらませます。

最近は、胃X線検査が省略される傾向にあります。

CT検査によって、必要な情報を得られるように、なったからです。

胃がんのCT検査

以下のことを確認するために、CT検査をします。

  • 遠隔転移の有無
  • リンパ節への転移の有無
  • 胃の周りの臓器(膵臓や肝臓)へ胃がんが浸潤していないか?

胃がんのPET検査

がん細胞は、ブドウ糖を取り込む性質があります。

そこで、放射性ブドウ糖液を注射し、それがどの部位で取り込まれるかを確認しようというのが、PET検査です。

放射性ブドウ糖液が取り込まれた部位に、胃がんはあると推測できます。

しかし、この検査が行われるのは、胃がんの再発を疑われるときにに、行われることが大半です。

はじめて胃がんと診断された方がPET検査を受けることは、それほど多くはないです。

なぜならば、CT、胃カメラ、採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定できるからです。

さて、以上の検査をした上で、以下のことが決定されます。

  • 手術ができる段階の胃がんか?
  • もしそうである場合は、どのような術式がよいか?
  • 手術ができないほど、体中に胃がん広がっている場合は、どのような抗がん剤治療を用いるとよいか?

手術ができる段階の胃がんとは?

以下のような状況であれば、胃がんを手術で取り除けることになります。

  • リンパ節の転移があったとしても、胃の周囲にとどまってるとき
  • 肝臓や肺といった臓器に転移がないとき
  • お腹の中に、胃がんが、ばらまかれている所見(腹水など)がないとき

この3つを満たしていれば、手術ができるであろうという判断になります。

ただし、「お腹の中に、胃がんが、ばらまかれていないか?」は、実際にお腹の中を見てみないとはっきりしないこともあります。

そこで、手術の際に、審査腹腔鏡という検査をして、「お腹の中に、胃がんが、ばらまかれていないか?」を確認した上で、胃の切除に臨むケースが多いです。

胃がんの審査腹腔鏡検査とは?

審査腹腔鏡とは、お腹に小さな穴をあけて、そこから腹腔鏡というカメラを挿入して、お腹の中に胃がんが、ばらまかれていないかを確認する検査のことです。

さて、胃がんのステージ別の治療法はこちらで詳しく説明しています。

胃がんのステージ別の治療方針や症状を医師が解説!生存率をあげ抗がん剤副作用を回避

胃がんのステージを知るより大切なことがある。

多くの方は、自分の胃がんが、どのステージかを気にされます。

胃がんの場合ですと、ステージ0、ステージI期、ステージII期、ステージIII期、ステージIV期に分類されます。

しかし、正確なステージというのは、手術前には、わかりません。

はっきり分かることは、以下のことだけです。

ステージ4か否か

「ステージ4か否か」を言い換えると、手術ができる胃がんかどうか?ということです。

ステージ4であれば、手術は適応になりません。

ステージ0からステージ3は、手術による切除が治療方針となります。

ステージ0

粘膜内にとどまっている胃がんということになります。

口から胃カメラを挿入して、胃がんの部位をくり抜きます。

内視鏡的粘膜下層剥離術という名称の手術です。

ステージ1からステージ3

腹腔鏡もしくは、開腹手術により、胃がんとその近傍のリンパ節を切除します。

そして「切除して取り除いた胃がんと近傍のリンパ節」を、顕微鏡で観察して、胃がんの広がりぐらいを確認します。その結果、どのステージに分類されるかが、決定されます。

もしステージ4の診断となった場合でも、抗がん剤治療などにより、胃がんを手術できるくらいまで小さくできることもあります。

さて、胃がんを克服するために、知っていただきたいことは、何個かあります。

そのことについては、こちらでご説明しています。

がん専門医が教える楽にがん治療を受ける方法!

 

 

 

 

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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