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アトピー性皮膚炎の脱ステロイド治療中の皮膚はどのように変化する?

こんにちは。加藤隆佑です。

私は、がんの治療を専門にしていますが、アトピーの漢方治療にも力をいれています。

そこで、本日は、「脱ステロイド治療中の皮膚はどのように変化する?」について、解説いたします

脱ステロイドや脱保湿を行うと、一時的に皮膚症状が悪化することがあります。

最終的には良くなります。

しかし、一時的に非常に不安になります。

不安になり、ステロイドや保湿治療しか知らない医師に相談すると、「ステロイドを塗らないからそうなるのです。ステロイドをすぐ塗ってください」という対応になることでしょう。

そこで、脱ステロイドや脱保湿のときには、以下のことを知ってほしいです。

アトピー性皮膚炎自体がよくなっていても、一見すると、皮疹の見た目の悪さや、自覚症状が悪化することがある。

具体的には、以下のような感じの変化です。

  • 赤くなっている部分が、黒味を帯びるようになる。
  • ジクジクした傷がカサブタになり、さらにフケのようなものになる。
  • 黄色い液体がでてきたところが、赤い出血が起こるようになる。

症状の変化としては、以下のようなことが挙げられます。

  • カサブタが剥がれるときに、急に痒みが強くなる。
  • フケができて、皮膚のカサカサが強くなる。
  • 皮膚は良くなっているが、痒みは改善しない。
  • 掻いたときに、痛みを感じるようになった。
  • ツッパリ感が強くなる。

このように、一見すると悪化のように感じられても、改善の道のりの途中ということが、多々あるのです。

だからこそ、このようなときは慌てずに様子をみましょう。

場合によっては「悪化→改善」のくりかすこともあるでしょう。

たとえば、以下のようなことがあります。

ジクジクした傷が、カサブタになったのに、掻きむしってしまった。そして、再びジクジクしてしまった。。。。

このことを何回も繰り返しても、次第に悪化の期間(ジクジクした傷の期間)は短くなり、少しずつ皮膚は強くなります。大丈夫です。

また、ジクジクした傷が、カサブタになったときに、出血するようになることがあります。それも、改善の過程を示します。

少し不安に思う場面はありますが、多くは改善の過程を示すので、様子を見れば良いでしょう。そして、強い皮膚を作り上げていきましょう。

ちなみに、約2週ほどで悪化のピークがくることが多いです。

脱ステロイドや脱保湿治療のときに、してはいけないこと

次に脱ステロイドや脱保湿治療のときに、してはいけないことを2点書きます。

⑴無理にカサブタをとらない

皮膚が傷つくからです。

⑵傷からでる液体を、テイッシュで頻回に拭かない

カサブタができずらくなるからです。

傷からでる液体は、そのまま乾燥させるようにしましょう。

もしくは、ガーゼを1枚のせておく程度にします。

もしガーゼをはがせなくなったら、ガーゼはそのままにして生活して、剥がれるようになるのを待ちます。

無理に剥がすと、傷ついて、カサブタができにくくなるからです。

さて、脱ステロイドのときの悪化の症状を和らげてくれるのが、一部の漢方にあります。

そのような漢方を併用することは、非常に大切です。

漢方についての詳しいことは、こちらで分かります。

 

 

ライター紹介 
加藤隆佑



癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医
小樽協会病院の消化器内科主任医長

アトピー性皮膚炎といった、様々な病気に対しての漢方治療も行っています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

この記事を書いた著者のことを、もっとよく知りたい方はこちら