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大腸がんの検査と方法、そして治療までの流れを医師が解説!

 2019/01/16 大腸がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

大腸がんが疑われるときには、大腸カメラの検査を受けることにより、大腸がんの有無を確認いたします。

もし、大腸がんを認められば、大腸がんの広がり具合を確認して、治療方針を決定します。

具体的には、以下のことを決定していくことになります。

  • 手術ができる段階の大腸がんか?
  • もしそうである場合は、どのような術式がよいか?
  • 手術ができないほど、体中に大腸がんが、広がっている場合は、どのような抗がん剤治療を用いるとよいか?

以上のことを決定していくために、よく行われる検査は以下のものです。

  • 血液検査
  • 大腸カメラ(下部内視鏡検査)
  • 病理検査(病気の部位から細胞を採取して、細胞の顔つきを調べる検査)
  • 大腸のバリウム検査
  • CT検査
  • PET検査

いろんな検査方法を列挙していますが、大腸カメラとCTと採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定することができることが多いです。

大腸カメラとCTと採血の検査は、非常に重要ということになります。

大腸がんの初期症状(自覚症状)とは?

大腸がんの代表的な症状は、血便、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少です。

特に頻度が高い症状は血便です。一方で、痔でも、血便になります。精密検査をしないと、どちらが原因か分かりません。このような場合は、検査を受ける必要があります。

一方で、かなり進行しても、症状がでない場合があります。

また、大腸がんは、遺伝子やすいこともあります。もし血縁者の中に大腸がんの方がいらしたら、症状がなくても、定期的に検査を受けましょう。

検査を受けるとしたら、大腸カメラが一番良いです。

便潜血検査は、大腸がんの診断に有効か?

大腸がんから、出血する場合があります。そして、便が通るときにその部分がこすられて、便に血液が付着します。この便中に混じったわずかな血液を検出するのが、便潜血検査です。

便潜血検査にひっかかると、大腸がんの可能性がでてきます。しかし、痔の方でも、この検査にひっかかることは、よくあります。

したがって、便潜血検査にひっかかった場合は、大腸内視鏡検査で詳しく大腸の中を調べる必要があります。

ちなみに、便潜血反応の検査にひっかかった人が、精密検査をうけて、実際に進行した大腸がんが見つかる割合は3%とされています。

大腸がんにおける血液検査とは?

血液検査によって、以下のことがわかります。

腫瘍マーカー

大腸がんではCEAやCA19-9と呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。

がんがあっても、必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。

腫瘍マーカーは、手術後の再発のチェックや抗がん剤治療の効果判定の参考に使われます。

臓器の機能が正常化かどうか?

腎機能や肝臓の機能を確認します。このような臓器の機能が低下しているようであれば、手術や抗がん剤治療による合併症が起こりやすくなります。

採血では、糖尿病がないかどうかも、チェックします。

糖尿病があり血糖値が高いときは、大腸がんの治療の前に、糖尿病の治療を優先しないといけないこともあります。

貧血はないか?

大腸がんからの出血により、貧血になることがあります。

もし貧血が強いならば、輸血をしないといけません。

大腸がんの内視鏡検査

大腸の内部を直接、大腸カメラで見ます。

以下のことを確認します。

  • 病変の位置
  • がんがどの程度広がっているか?
  • がんが、大腸の壁にどの程度の深さまで食い込んでいるか?

大腸がんが、かなり広い範囲に広がっていても、大腸の壁に食い込んでいる程度が浅ければ、内視鏡的に切除できます。

大腸の壁に食い込んでいる程度が浅いとは、大腸がんが粘膜内にとどまっていることを指します。

大腸カメラの検査のときに、大腸がんの部位から細胞を採取します。そして、がん細胞が、どのような顔つきかを確認します。

ちなみに、大腸カメラの検査は、それほど辛い検査ではないです。

しかし、人によっては、大腸カメラを大腸の奥に挿入していくときにお腹に痛みがでることがあります。その痛みを和らげることを目的に、鎮静剤という少し眠くなる注射をして、検査を受けるケースが多いです。

以下のような方が大腸の検査のときに、痛みがでやすいです

  • お腹の手術を受けたことがある方
  • 痩せている方

痛みを感じやすい方はいるものの、一般的には楽に受けられる検査とされています。

また、最近は、痛みが非常に出にくい内視鏡も発売されています。

ただし、大腸のカメラの前に下剤を2リットルくらい飲んで、腸内を洗浄しないといけません。そのことに、苦痛を感じる方は多いです。

私も大腸カメラの検査を数回受けたことはあります。検査自体は楽でしたが、下剤を2リットル飲むのが大変でした。

大腸がんのバリウム検査(注腸造影検査)

肛門からバリウムと空気を流し込んで、X線写真を撮影します。

そして、大腸の病変を診断する方法です。

がんの位置や大きさなどが分かります。

最近は、大腸X線検査は、省略される傾向にあります。

CT検査の情報で、必要は情報を得られるようになったからです。

大腸がんのCT検査

以下のことを確認するために、CT検査をします。

  • 遠隔転移の有無
  • リンパ節への転移の有無
  • 大腸の周りの臓器(膀胱や尿管など)へ大腸がんが浸潤していないか?

大腸がんのPET検査

がん細胞は、ブドウ糖を取り込む性質があります。

そこで、放射性ブドウ糖液を注射し、それがどの部位で取り込まれるかを確認しようというのが、PET検査です。

放射性ブドウ糖液が取り込まれた部位に、大腸がんはあると推測できます。

しかし、この検査が行われるのは、大腸がんの再発を疑われるときにに、行われることが大半です。

はじめて大腸がんと診断された方がPET検査を受けることは、それほど多くはないです。

なぜならば、CT、大腸カメラ、採血の検査結果から、治療方針をほぼ決定できるからです。

さて、以上の検査をした上で、以下のことが決定されます。

  • 手術ができる段階の大腸がんか?
  • もしそうである場合は、どのような術式がよいか?
  • 手術ができないほど、体中に大腸がん広がっている場合は、どのような抗がん剤治療を用いるとよいか?

手術ができる段階の大腸がんとは?

以下のような状況であれば、大腸がんを手術で取り除けることになります。

  • リンパ節の転移があったとしても、大腸の周囲にとどまってるとき
  • 肝臓や肺といった臓器に転移がないとき
  • お腹の中に、大腸がんが、ばらまかれている所見(腹水など)がないとき

この3つを満たしていれば、手術ができるであろうという判断になります。

以下の記事で、大腸がんのステージ別の治療方針を詳しく説明しています。

大腸がんのステージ別の治療方針や症状を医師が解説!生存率をあげ抗がん剤副作用を回避

大腸がんのステージを知るより大切なことがある。

多くの方は、自分の大腸がんが、どのステージかを気にされます。

大腸がんの場合ですと、ステージ0、ステージI期、ステージII期、ステージIII期、ステージIV期に分類されます。

しかし、正確なステージというのは、手術前には、わかりません。

はっきり分かることは、以下のことだけです。

ステージ4か否か

「ステージ4か否か」を言い換えると、手術ができる大腸がんかどうか?ということです。

ステージ4であれば、手術は適応になりません。

ステージ0からステージ3は、手術による切除が治療方針となります。

ステージ0

粘膜内にとどまっている大腸がんということになります。

口から胃カメラを挿入して、大腸がんの部位をくり抜きます。

内視鏡的粘膜下層剥離術という名称の手術です。

ステージ1からステージ3

腹腔鏡もしくは、開腹手術により、大腸がんとその近傍のリンパ節を切除します。

そして「切除して取り除いた大腸がんと近傍のリンパ節」を、顕微鏡で観察して、大腸がんの広がりぐらいを確認します。その結果、どのステージに分類されるかが、決定されます。

もしステージ4の大腸がんという診断となった場合でも、抗がん剤治療などにより、大腸がんを手術できるくらいまで小さくできることもあります。

さて、大腸がんを克服するために、知っていただきたいことは、何個かあります。

そのことについては、こちらでご説明しています。

がん専門医が教える楽にがん治療を受ける方法!

 

 

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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