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抗がん剤は逆効果で増がん剤となり、逆に寿命を縮める?そうならば、がんは放置するのがベストなのか?

日記  

こんにちは。加藤隆佑です。

先日、本屋さんに行ってきました。

がん治療を真っ向から否定する医師である、近藤誠氏の本がおいてありました。

この本は、以前にミリオンセラーになっています。この本により、多数の患者さんに、かなりの影響を与えました。

医師である近藤誠氏は、「がんは治療をしないで、放置するのがよい」という主張をされている方です。

彼の主張の一部には正しいこともありますが、間違っている部分もあります。

そこで、抗がん剤治療の是非と、がんを放置することについて、書きます。

抗がん剤治療で逆に寿命を短くする?

抗がん剤治療を受けることにより、副作用によって、逆に寿命を短くするのでは?という不安を持たれる方は多いです。

実際に、副作用で、寿命が短くなることは、あります。しかし、以前に比べると、その頻度は減っています。

副作用に悩まされずに、治療を受けていただくためのテクニックは、かなり発達しました。

その結果、副作用にほとんど悩まされず、がんの成長を抑えることは、できるようになってきています。

そして、より長く生きることの手助けとなります。

この10年で、抗がん治療はかなり発達したのです。

しかし、医師により、抗がん剤を扱う腕は、かなり異なります。

  • 副作用を減らすテクニックをしっかり学習していない医師
  • 患者さんの苦しみに耳を貸そうとしない医師

その結果、本来であれば味合わなくてもすむような、抗がん剤の副作用により、辛い思いをされる方がいるのは、事実です。

しかし、適切な対応をすれば、副作用に悩まされる程度や頻度を、かなり下げられます。

もし、あなたが副作用に非常に悩まされ続けるならば、セカンドオピニオンを求めてもよいでしょう。

次に、抗がん剤治療を受けず、がんを放置するという、医師である近藤誠氏の考えについて、検討したいと思います。

抗がん剤治療を受けず、がんを放置した方が良い?

医師である近藤誠氏の主張は、以下のようなものです。

—–

がんには全身に転移するがん(本当のがん)と、全身に転移する能力のなく、命に支障を及ぼさないがん(がんもどき)の2種類がある。

全身に転移する能力のあるがんは、切除しても、ゆくゆく再発するから
治療しても意味がない。全身に転移する能力のないがんは、命に支障を
及ぼさないがんだから、治療をする必要はない。

だから、がんは放置するのがよい。

—–

この主張について考えてみます。

どんながんもはじめは1つの細胞が、がん細胞に変わるところがスタート地点です。

突然全身にがんだらけとなって、がんが発症することはありません。

胃ならば胃の粘膜の表面に、がんができます。そして、がん細胞が大きくなる過程のどこかの段階で、転移する能力をもつことになります。

その観点で考えると、がんの中には、転移する能力をもつことなく、一生を終えることがあるのも事実です。

従って、転移するがんと、そうでないがんがあるという見解は、事実です。

しかし、近藤氏の主張で、間違っている部分が1つあります。

それは、「全身に転移するがんは、どんな治療をしても治らない」という点です。

もし、「全身に転移するがんは、どんな治療をしても治らない」という主張が正しいとすると、「早期の段階でがんが見つかったとしても、その中の何割かは、治らないがんも含まれている」ことになります。

しかし、実際は、ほぼ100%の確率で治るのが現実なのです。

「全身に転移するがんは、どんな治療をしても治らない」わけではありません。

より早期の段階で発見して、適切な治療をうければ、完治にもっていく可能性を高くすることができます。

さて、近藤氏だけでなく、いろんな方がたくさんの医療費定本をだしています。そして、現在の標準的治療には、たくさんの問題点があることも、事実です。

しかし、標準的な治療にも、よいところはたくさんあります。標準的な治療のよい部分は、うまく利用するとよいです。

最後に、強調してお伝えしたいことがあります。

「あなたは、どのような治療を受けるのがよいか?」は、柔軟な姿勢で考えないといけないということです。

  • どのタイミングでどの治療を選ぶべきか?
  • 何をしてはいけないのか?

柔軟な姿勢で、適切な判断をすることが、がんを克服する確率を高くできます。

適切な判断をするためには、明確な判断基準が必要です。そのために、がんに関する正しい知識を得て、事実を知らないといけません。標準的な治療以外のことも、知らないといけません。

その結果、正しい選択ができるようになります。

正しい治療の選択が、がんを克服する確率を高くすると言えるでしょう。

しかし、現在はあらゆる情報が入り乱れ、矛盾しています。医師の中には、現代のがん治療を一切否定する人がいるくらいなわけですから。

このような状況の中で、じゅうぶんな時間を与えられないまま、患者さんは、正しい選択をすることを、迫られるのです。

また、適切な判断をする能力は、医師の間にも、かなり差があります。

とても難しい話になってしまいましたが、これだけのことは、言えます。

—–

標準的な治療にしたがって、がん治療を受けることによるメリットを享受するケースは多い。

しかし、標準的な治療では、解決できない局面もたくさんある。そのようなときに、標準的な治療に固執したために、逆に命を短うすることもある。

したがって、代替療法を含めて、いろんな選択肢を柔軟に検討することが必要。

—–

さて、私は、西洋医学のよいところや、東洋医学のよいところの、よいところを生かして、がんの治療をしています。

そのような治療にすると、辛い治療が、かなり楽に受けられるようになります。

ステージ4の状態であっても、克服する確率を高くすることはできます。

楽に治療を受けることも、できるようになります。

その秘訣、こちらで学ぶことが、できます。

執筆医師:加藤隆佑


癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

札幌禎心会病院がん化学療法センター長

(2021年9月までは、小樽協会病院消化器内科に所属)

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」と、「大腸がんと告知されたときに読む本」を出版。

加藤隆佑医師の論文

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