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肺がんの検査と方法、そして治療までの流れを医師が解説!

 2019/01/24 肺がん  

こんにちは。加藤隆佑です。

肺がんが疑われるときは、胸部のX線検査、CT検査、喀痰(かくたん)細胞診などを行い、肺がんを疑わせる所見があるかを調べます。

その結果、肺がんを疑わせる所見があれば、その部位から細胞を採取します。

細胞を採取することが難しい場合には、診断を目的として、その病巣を切除することもあります。この場合は、診断ならびに治療を兼ねた検査になります。

肺がんの初期症状とは?

はじめは、ほとんど症状がありません。病状の進行とともに、せき、たん、血痰(血の混じったたん)、発熱、呼吸困難、胸の痛みなどの症状があらわれます。

しかし、これらは、肺がんでなくても、起こりうる症状です。複数の症状がみられたり、長引いたりした場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

また、症状がなくても、検診の胸部X線検査やCT検査にて、発見されることもあります。

肺がんの胸部X線検査

肺にがんを疑う影があるかを調べます。

すぐにできて、広く普及した検査です。集団検診でも用いられています。

しかし、この検査ですと、非常に小さな肺がんを指摘できないことがあります。

肺がんのCT検査

胸部レントゲン写真だけでは、肺がんの診断をつけることは、難しいです。

CTをとれば、より細かな情報を得ることができます。

CTの画像所見から、肺がんの可能性が高いかどうかの、見当をつけることができます。

CT検査から、以下の情報を得ることもできます。

  • 臓器(肺や肝臓など)への転移の有無
  • リンパ節への転移の有無

肺がんの広がりを確認する上でも、CT検査は必須です。

以上の検査と並行して血液検査をすることが、多いです。

肺がんにおける血液検査とは?

血液検査によって、以下のことがわかります。

腫瘍マーカー

肺がんではCYFRA21-1、CEA、SCC、SLX、CA125、NSE、proGRPと呼ばれる腫瘍マーカーなどを検査します。

しかし、肺がんがあっても、必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。

腫瘍マーカーは、手術後の再発のチェックや抗がん剤治療の効果判定の参考に使われます。

臓器の機能が正常化かどうか?

腎機能や肝臓の機能を確認します。

もし、これらの臓器の機能が低下しているようであれば、手術や抗がん剤治療による合併症が起こりやすくなります。

糖尿病がないかどうかも、チェックします。

糖尿病があり血糖値が高いときは、食道がんの治療の前に、糖尿病の治療を優先しないといけないことも、あります。

以上の検査結果を統合して、肺がんの可能性が高いかどうかを判断します。

肺がんの可能性が高い場合は、肺がんを疑わせる場所から細胞を採取します。

肺がんの病理検査とは?

肺がんを疑わせる場所から細胞を採取します。

その細胞を顕微鏡で観察して、本当にがんなのかを調べる検査のことを、病理検査といいます。

細胞の採取の仕方には、3通りあります。

肺がんの喀痰細胞診

がんの組織が混ざって、痰が排出されることがあります。

そこで、痰を採取して、がん細胞の有無を確認します。

1回だけの検査ではがん細胞を発見しにくいため、数日かけて何回か繰り返し痰を採って検査します。

肺がんの気管支鏡検査

気管支鏡と呼ばれる内視鏡を、鼻または口から挿入します。

そして、気管支の中を観察し、がんが疑われる部位の組織や細胞を採取します。

検査前に喉や気管の痛みを軽減するため、局所麻酔を行った上で行います。さらに、少し眠くなる注射を用いて、楽に検査をうけられるようにすることもあります。

肺がんの針生検による検査

気管支鏡検査では、細胞を採取できない見込みが高いときや、気管支鏡検査をしても、診断ができなかった場合に行います。

CT、超音波装置で確認しながら、皮膚から細い針を肺に刺して組織を採取して調べます。

気管支鏡検査と比較して気胸などの合併症を起こす可能性が高いです。

以上の検査を通して、肺がんの最終診断をつけます。

肺がんの細胞を採取できなかった場合には、診断と治療を兼ねて、肺がんを疑わせる病巣を、切除することも、あります。

さて、肺がんと診断された場合には、肺がんの広がりを確認した上で、以下のうちの、どの治療方針がよいかを決定します。

  • 手術
  • 抗がん剤治療
  • 抗がん剤治療+放射線治療

肺がんの広がりを決定するための検査で、重要な検査は以下のものです。

  • CT
  • PET
  • 骨シンチグラフィー

CT検査については、先ほど説明いたしました。

そこで、ここではPET検査と骨シンチグラフィーについて説明いたします。

肺がんのPET検査

がん細胞は、ブドウ糖を取り込む性質があります。

そこで、放射性ブドウ糖液を注射し、それがどの部位で取り込まれるかを確認しようというのが、PET検査です。

放射性ブドウ糖液が取り込まれた部位に、乳がんはあると推測できます。

PET検査の結果、CT検査では、問題ないと判断された位置に、肺がんの転移が指摘されることがあります。

肺がんの骨シンチ検査

肺がんは、骨に転移しやすいがんです。

したがって、骨に転移していないかどうかを、骨シンチという検査で、確認する場合があります。

以上の検査を通して、最終的な治療方針が決定されます。

次に、以下の記事で、肺がんのステージごとの治療方針を説明いたします。

肺がんのステージ別の治療方針や症状を医師が解説!生存率をあげ抗がん剤副作用を回避

ライター紹介 ライター一覧

加藤隆佑

加藤隆佑

加藤隆佑

癌治療認定医
内科学会認定医
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
肝臓専門医

消化器領域のがん(食道、胃、すい臓、肝臓、胆のう、大腸)を専門としつつ、がん全般についてアドバイスをしています。

がんの漢方外来も、運営しています。

これまでの経歴です。

医学部卒業後、秋田赤十字病院、手稲渓仁会病院で、消化器がんの診療に従事。現在は、小樽協会病院消化器内科主任医長

2015年には、緑書房より「抗がん剤治療を受けるときに読む本」を出版させていただく機会をいただく。

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